男性にスキンケアの話しをすると決まってこう言われます。
「乳液って何? 化粧水使ってればよくない?」
これだけ乳液は必要と言われている世の中ですから、「きっと必要なんだろうな」と何となくは分かってはいる。けれど、何故かはイマイチ理解出来ていない。恐らくこれが、世の男性たちの一般的な感覚なのではないでしょうか。そこで今回は、そんな乳液に関するイロハを基礎から徹底的にまとめてみたので、ご観覧あれ。
Step 1:乳液とはなにか
乳液とは、皮膚に水分と油分を与えるための乳状の化粧品です。主に水分と全体量の1割~3割程度の油分で出来ています。その他には、油分と水分を融合させるための乳化剤、保湿成分、美白成分、香料や防腐剤などが成分として含まれています。
化粧水で水分を与えた後に乳液で油分を与えることで、肌表面を外界の刺激から保護し水分の蒸発を防ぎながら、肌に滑らかさや柔軟性、弾力性を与えてくれる働きがあります。
Step 2:肌には皮脂膜がある
肌の表面には皮脂膜という膜が存在しています。皮脂膜は、汗腺から出た汗(水分)と、皮脂腺から出た脂(油分)が自然に肌の上で混ぜ合わされて出来た天然の保護膜です。ホコリや細菌など、外界の刺激が皮膚内へ進入するのを防ぐ働きをするとともに、 肌の水分の蒸散を防ぐという役割を果たしています。PHは4~6の弱酸性を保つことで雑菌が繁殖しにくい環境を整えてくれます。
また、肌表面の保水構造を保ったり、肌の滑らかさ、柔軟性や弾力性を与えてくれる働き、 暑さや寒さから守ってくれる働きもあります。 非常に薄い膜なので、洗顔時やタオルなどで力を入れてこすっただけでも簡単に壊れてしまうほどデリケートです。
乳液と皮脂膜の役割、似ていると思いませんか? そう、乳液は本来、皮脂膜を形成する構造と同じ理由で、洗顔後の男性の肌にも必要なものなのです。
Step 3:テカリと皮脂と乳液
肌は皮脂が過剰に分泌されてしまうと、アブラギッシュなテカリ肌になり、見た目にも清潔感がなくなります。更に、皮脂が酸化してしまうとニキビやくすみ、シミなどあらゆる肌トラブルの原因に繋がります。
※皮脂の酸化とは:皮脂に酸素が結合して化学変化を起こすことです。酸化した皮脂は刺激となり肌組織のダメージを引き起こしたり、メラニン生成を促したり、肌の生まれ変わりのリズムを乱す原因になるだけでなく、油の腐ったような臭いが発生する場合もあります。
そうならない為に、スキンケアの重要性をこれまで書いてきたのですが、それでも乳液の必要性を感じていない、むしろ乳液をつけると余計にテカリそうで嫌という方が多いのも事実です。
テカリが気になる方が、顔に油分を乗せることに抵抗感があるのは当然です。ただ、それは自分のテカリの原因が分かっていない為に、正しい使い方を知らないが故の抵抗感かもしれません。
Step 4:テカリの種類
テカリには実は様々な原因があります。あなたはどれに当てはまりますか?
①乾燥からくるテカリ
男性に最も多いのが、水分不足による皮脂の過剰分泌です。見た目はベタベタ。けれどその原因が乾燥である状態です。特に空気が乾燥している冬は、Tゾーンはテカっているのに口元や頬など他の部分は乾燥してしまう、という現象が起こりやすくなります。
乾燥が原因のテカリ肌は、これ以上の水分蒸発を防ぐため、皮脂を過剰分泌してしまいます。では、足りない水分だけを化粧水で与えればいいのか、というとそうではありません。洗顔後に水分だけを与えると、油膜がないままなので水分が蒸発して肌の内側は乾燥しやすくなります。肌は乾燥を感じると皮脂を過剰に分泌し外界の刺激から肌内部を守ろうとするので、テカリが起こってしまうのです。
乾燥からくるテカリの場合は、化粧水で水分をしっかり補ってから乳液で油分を与え、水分の蒸発を防ぎながら過剰な皮脂分泌を防いであげることが大切です。
②生活習慣が原因のテカリ
生活習慣が不規則だと皮脂分泌量は増えます。炭水化物、糖質の摂取量が多くなると、皮脂をコントロールする為に必要なビタミンBが少くなってしまい、皮脂のコントロールが出来なくなる場合があります。
また、睡眠不足は自律神経を乱してしまうことでホルモンバランスの乱れにつながり、皮脂の過剰分泌が起こりやすくなります。心当たりのある方は、肌トラブルが起きないように基本的なスキンケアを継続しながら、生活習慣を見直す努力をしてみてください。
③間違ったスキンケアからくるテカリ
男性の間違ったスキンケアに最も多いのが、過度な洗顔・刺激の強すぎる洗顔です。肌のバリア機能は皮脂膜によって構成されていますが、過剰な洗顔は皮脂膜を落としすぎてしまう可能性があり、それを補おうとして皮脂が過剰分泌する場合があります。
また、冬はついつい熱めのお湯で洗顔しがちですが、お湯は皮脂や角質細胞間脂質を流し取る力が強いため、乾燥を引き起こす可能性があるのでご注意ください。水だけで洗顔する場合でも、肌をこすってしまうとバリア機能が損なわれてしまいますので優しく洗う事を心がけましょう。
洗顔後は、失ったバリア機能を補うために、しっかりと化粧水と乳液をつけて水分と油分の膜を形成してあげることが重要です。
④どうしようもない理由のテカリ
テカリの中にはどうしようもないテカリも存在します。「ストレス」、「遺伝」、「思春期」などが原因のテカリ肌は、正直外側からのケアだけではどうしようもありません。それ以上、皮脂が過剰に分泌されないように注意が必要です。
どうしようもない理由① ストレス
ストレスを与えられることによって男性ホルモンのバランスが狂い、皮脂が過剰に分泌されてしまいます。ある時期から急にテカリ始めた、ストレスに心当たりがある、という方は要注意です。ストレスの根本を取り除く事が難しければ、心を落ち着かせる時間を増やすことを心掛けてください。
どうしようもない理由② 遺伝
生まれつき皮脂腺が発達していて、皮脂が過剰に出やすい状態です。子供のころからずっとテカっているという方は遺伝性かもしれません。その場合は、乾燥させ過ぎない程度の保湿力を備えた脂性肌用のスキンケアを使用していけば、多少の皮脂のコントロールができる可能性はあります。1日に何回も洗顔すると、余計に皮脂腺を刺激し、テカリが増してしまいますので気を付けてください。
どうしようもない理由③ 思春期
思春期はホルモンバランスが乱れている状態です。これは思春期が終わるのを待つしかないのですが、すぐに出来る対策としては、肌を常に清潔に保ち最低限のスキンケアをしっかり行うことと、夜更かししない、ジャンクフードやお菓子を控える、などを心掛けることです。思春期ニキビが気になる方は、皮膚科で正しい治療をしてもらうことをおすすめします。
Step 5:テカリ肌の乳液の使い方
テカリの起こっている方のスキンケアは、「過剰な皮脂を取り除く+ 水分を与える + 油分を控える 」が基本です。
乳液は肌状態に合わせて、乾燥しやすい目元口元を中心に部分的に使用したり、顔全体に薄めに膜を作るイメージで軽く馴染ませる程度にする。ということを意識していてください。乳液・クリームなどの油分は本来、肌の水分蒸発を防いだり肌を保護するために必要なのですが、脂性肌にとっては「過度な油分」となり、ニキビの原因になってしまう場合がありますので、ご自身の肌状態をしっかり見ながら使用量を調整してくださいね。
自分がどれに当てはまるか分からなかった方、基本のスキンケアを詳しく知りたい方は、これまでの記事を参考にしてください。
Step 7:乳液あれこれ
乳液は、化粧品ブランドによって「エマルジョン」「ミルク」「ローション」「モイスチャーミルク」などと呼ばれていますが、これらはすべて乳液のことであり、目的や働きは変わりありません。多くの場合、テクスチャーはややとろみのある液状で、少量でも顔全体に伸ばすことができる滑らかな質感です。洗顔→化粧水→(美容液)→乳液の順番で使用するのが一般的です。
乳液は、朝と夜では役割が若干異なり、朝は日中の外界の刺激や乾燥から肌を守る役割、夜は、就寝中に肌の水分が逃げないよう保護し、肌の回復力を助ける役割があります。乳液に含まれる美容成分はメーカーによって異なりますので、自分の好きな使用感や肌質に合う成分の乳液をお探しいただくことをお勧めします。同じメーカーでも、乾燥肌向けのしっとりタイプと、脂性肌向けのさっぱりタイプなど、種類が分かれている場合もあります。
UV関連成分配合乳液
男性用としてはまだ一般的ではないですが、乳液の中には、日焼け止め効果があるものもあります。これは日中専用乳液です。UV乳液を選ぶ際は、肌に刺激を与える可能性のある紫外線吸収剤を含まないもの(紫外線散乱剤使用など)で、肌の水分を留めるために保湿成分がしっかり入った商品を選んでいただくと良いでしょう。
乳液とは何か、ご自身のテカリの原因はお分かりいただけましたか? スキンケアをする際、基本的に化粧水の後は乳液が必要です。但し、テカリの種類によっては使う量をコントロールした方がいい場合があります。
きちんとご自身の肌に合ったスキンケア方法を把握して、乳液を上手く活用していきましょう。
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