誰だって美人・イケメンでありたい。美人・イケメンであればモテるからだ。美人・イケメンの方が得をすることが多い。誰もがそう感じていることだろう。
ところで、会社で仕事をする際にも美人・イケメンの方が得をするんじゃないか、なんてことを考えたことはあるだろうか? 恋愛や友達付き合いにおいて、美人・イケメンの方が得をするというのは当たり前といえば当たり前だ。それを日々感じるから、美人・イケメンになりたいという願望も出てくる。
しかし、会社で仕事をするときまで美人・イケメンが得をしている、という事実が発覚した。労働経済学者である著者は『美貌格差:生まれつき不平等の経済学』において、会社で仕事をする場合でも「美人・イケメンの方が得をする」ということを具体的な統計の数字でもって証明してしまったのである。そこで、本書から美人・イケメンが会社で仕事をするにあたって、どのくらい得をしているのか、その調査結果をいくつか紹介しよう。
美人・イケメンはどれくらい得か
出典:www.flickr.com美人・イケメンだと「収入」でどれくらい得か
会社で仕事をするような典型的な働き手の場合、美人・イケメンだとどれくらい収入で得をしているか、著者は全国的に無作為に収集したデータを使って分析した。すると、美人・イケメンは収入で得をし、容姿が悪い人は収入で損をするという方向性が明らかになった。
普通顔の人の年収を500万円とすると、男性では、イケメンは年収520万円、ブサメンは年収435万円になるという結果が出た。年収において、イケメンはブサメンよりで85万円得をしている計算になるのだ。
女性では、美人は年収540万円、美人じゃない人は年収480万円という結果になり、年収において、美人は美人じゃない人より60万円得をしているという計算になったのである。
会社で10年間仕事をしたときの差で考えるとイケメンであれば、ブサメンより、およそ850万円も得をする計算になるのだ。美人は、美人じゃない人より、600万円得をすることになる。
美人・イケメンの要素が大事な仕事でどれくらい得か
筆者は、容姿が大事な要素になりそうな売春婦と政治家の仕事において、美人・イケメンがどれくらい得をしているか調査した。売春婦では、美人は美人じゃない人より、稼ぎで12%得をしていたという。選挙の候補者に写真をつけて計測したところ、美人・イケメンは得票率で得をしていた。
美人・イケメンの要素が大事ではない仕事でどれくらい得か
容姿が大事ではなさそうな仕事として、教授とフットボール選手を調査したところ、やはり、美人・イケメンの方がそうでない人と比べ、年収において、教授では6%、フットボール選手においては12%得をしていたという結果が得られている。美人・イケメンの要素が大事ではない仕事でも差が生まれていたのだ。
美人・イケメンだと売り上げでどれくらい得か
美人・イケメンが一般的な会社で仕事をするにおいても得をしていることが判明したが、美人・イケメンの仕事ぶりが普通顔の人と変わらないのなら、会社側は割高に給料を払って損をしていることになる。美人・イケメンと売り上げの関係についての調査数は少ないが、勧誘員という仕事について、美人・イケメンの場合、そうでない人より2倍の成功率を得ているという結果がある。

筆者の調査をもとにした考察では、美人・イケメンの仕事に会社が割増に給料を払うことになっても、彼らの仕事のおかげで会社が得られる利益はそれを上回って大きいという結果となっている。
いかがだっただろう。会社での仕事まで、美人・イケメンが得をしていることが数字で証明されてしまったのである。ここでは、美人・イケメンが得をしているという具体的な結果だけを紹介したが、本書では、そうはいっても容姿だけで収入が決まるわけでもないということや、容姿が悪い人でも大丈夫ということが書かれている。
本書には、美人・イケメンになる努力は報われるのか、容姿が悪い人を法律で保護することは可能かといった興味深い考察も書かれている。ぜひ、一度読んでみてほしい。
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