日本の人口減少問題について耳にすることがあるが、人口減少によってこれから日本にどのような問題が起きるのか、人口減少問題の原因はどこにあって、どのような対策が必要なのか。
本記事では、それらの諸疑問の答えを具体的にイメージしにくい人のため『人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃』から、日本の未来のビジョンを分かりやすく紹介していく。ビジネスパーソンであれ、一人の日本国民であることに変わりはない。日本の現状について博識であること、これもまた「デキる」ビジネスパーソンにとって欠かせない要素であろう。
日本の人口減少が原因で何が起きる？
日本の人口減少が原因でインフラが崩壊
日本の人口減少が原因で起きる問題として、街が弱体化していくことが考えられる。首都圏で人口減少が進むことが原因で老朽化したマンションが放置される「限界マンション」が増加する問題、公共交通機関の路線が廃止される問題、商店の閉鎖・撤退などが進む問題などが起きる。
銀行、通所・短期入所介護事業、ショッピングセンターなどのサービス施設が不足する可能性も高くなり、それが原因で介護サービスの需要と供給のバランスが崩れていく問題も起きる。高齢者が増えることで救急医療の受け入れもパンク状態になるだろう。
まちが弱体化すれば、それが原因で人はより便利な都心へと流れる。実際、すでに首都圏の公営住宅などにおいてこのような問題が起きており、まちが活気を失いつつあるのが現実だ。
日本の人口減少が原因で経済的成長がストップ
日本の人口減少が原因で、GDP成長率をプラスに保つことが難しくなり、経済成長は見込めず、膨張する社会保障給付費をまかなうことが難しくなるなどの問題が起きる。高齢者の増加が原因で、家計全体の貯蓄率が低下し、国内消費も低迷する問題も予想されている。もし現状のまま財政改革を先送りすると、国債暴落や銀行の倒産といった問題が起こることも考えられている。
日本の人口減少問題の原因はどこにあるか？
日本の人口減少問題の原因：人口政策の遅れ
人口減少が問題意識として表れてからも、結婚・出産は個人の価値観に基づくことで、行政が介入することへの国民の心理的抵抗感が強いということが原因となって、人口政策が遅れた。人口減少問題に対する国の認識も甘く、財源確保がなされないまま、少子化対策の政策を総花的に並べてきたことも原因として挙げられる。
日本の人口減少問題の原因：無計画だった都市計画
人口減少問題の一つであるまちの弱体化は、戦後、高度経済成長において人口が急激に伸びる中でも大都市圏では、明確な都市計画がなかったために、市街地が無秩序に開発されたことに原因がある。建物の管理が滞り、老朽化しても建て替えられず、スラム化していく危機、インフラの維持・更新が難しくなっている現状につながっている。
日本の人口減少問題の原因：政策推進者の不在
日本の人口減少問題の対応の遅れは、政治における政策起業家という推進勢力が不在であることも原因となっている。有権者の多数派となる高齢者が若年層から搾取するという「シルバー民主主義」によってこの動きに拍車がかかる可能性は高くなっている。
これから日本の人口減少問題にどう向き合うか？
少子化対策で日本の人口減少問題を食い止める
日本の人口減少問題への対策として、少子化対策が挙げられる。本書では社会支出の内、家族手当や出産・育児給付 などの家族関係支出を増やしたり、今まで高齢者向けに偏っていた社会保障を全世代型に転換したりする、社会保障全体の財源配分の再考を提言している。
外国人労働者の受け入れで人口減少による労働力不足を解消する
人口減少が原因で起きる経済問題への対策として、外国人労働者の受け入れを本書では提言している。彼らが日本人労働者にとって代わり、日本が経済的に不利益を被るのではないかと考えられがちだが、自国の労働者への補償を実施することで、うまく利益につなげている他国の事例もある。今こそ外国人労働者受け入れのポジティブな面を考え、 日本経済の成長につなげる局面なのではないだろうか。
ここでは、『人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃』から、日本の人口減少問題について、人口減少が原因で起きる問題、人口減少問題の原因、人口減少問題への対策を簡単にかいつまんで紹介した。
日本の人口減少問題については、これから人口減少がさらに進みその問題性がより身近に感じられるようになっていくだろう。社会の先端を走るビジネスパーソンであれば、これからの日本の社会問題として、ますます取り上げられていくことになるこの人口減少問題を押さえておきたいものである。
人口減少の原因と問題、その対策についてよりリアルに理解したい人には『人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃』の一読をすすめる。
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