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「定時退社が当たり前」な仕事人であれ。難しい仕事も一刀両断:『外資系コンサルの3STEP思考術』

樋口純平

2016/01/07(最終更新日:2016/01/07)


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「定時退社が当たり前」な仕事人であれ。難しい仕事も一刀両断:『外資系コンサルの3STEP思考術』 1番目の画像
出典:www.grassroots.org
 仕事において、誰しも難しい問題にはぶつかるもの。上司と部下のコミュニケーションや取り組む仕事に対するやりがいなど、自分は真面目に仕事に対して取り組んでいるのに思ったような結果が出ないことにストレスを感じることはないだろうか。 

 そして、なぜ仕事上の様々な場面で上手くいかないのか、という難しい問題の前で立ち止まったまま仕事に取り組んでいる社会人も少なくないだろう。そのままでは、仕事が嫌で仕方なくなってしまう日もそう遠くはないだろう。

 そこで今回は、森 秀明氏の『外資系コンサルの3STEP思考術』の中から、外資系コンサルタントというエリート達の思考術を習得し、仕事上の様々な難しい問題をスマートに解決しよう。

Step1:仕事における難しい事実の整理をする

 例えば、仕事の話で難しい内容を相手に伝える時、自分がなんとなく分かったつもりで相手に伝えようといざ話してみると、なかなか理解してもらうのは難しいもの。伝えられる人は、どんなに難しい仕事の内容も正確に理解しているため、どうやったら相手に理解してもらえるか工夫するという作業が頭の中でできている。つまり、どんなに仕事の内容が難しくても分かりやすく書き換えることができるのだ。

 この難しい内容を書き換えるのに必要な作業は、難しい事実の整理だ。事実とは、仕事をするのに必要な情報やデータのことを指す。

 しかし、情報やデータは様々な形で偏在しており、単純にまとめただけでは難しい内容のまま。そこで、集めた事実をグループ分けすることが重要。具体的には、時系列で分ける手法や分類する手法といった何気なく実践してそうな整理方法の他に、物語のような起承転結の流れに沿って整理する方法もある。仕事の内容に応じて、手法を選んでみるといいだろう。

 このように、様々な事実を束ねる際にどこに軸を置くのかが重要なカギとなる。仕事の難しい場面に行き詰まりを感じた際に、意識してみよう。

Step2:整理した事実を分解する

 様々な形で偏在する情報やデータをある軸を定めて束ねて整理するだけでは、本当に効果的な成果を挙げることは難しい。必ずしも、難しい問題に対する解決策は一つではないということを仕事をする上で念頭に置くようにしよう。

 つまり、他のやり方でも解決できないだろうかと視野を広げることで、様々な解決策を挙げることで選択肢を多く持つようにするということ。選択肢を多く持つことで、様々な角度から検討することができ、どんなに難しい問題に対しても最終的に最善策と思えるものを見つけることができる。それができるかできないかで仕事の成果はだいぶ変わるはず。

 例えば、会社の経営が悪化したからといって社員をリストラするという選択肢一つに絞るようなことをすれば、経営者としては向いていないことは明白だろう。ここで、なぜ経営は悪化したのか、複合的要因があるのではないかという観点から視野を広く持って最適な解決策を講じることこそ正しい経営者の姿と言える。

 このような習慣を身に着けることで、難しい問題の解決という目標に対して、遠回りしてしまったり間違った方向に進んでしまったりすることがなくなるだろう。ぜひこの習慣を意識して効率良く仕事をこなそう。

Step3:同じ粒度の事実のかたまりを比較する

 二つの事実を比較することで、そのギャップを発見することができる。比較の目的は、このギャップからメッセージを導き出すということ。メッセージを導き出すことはそんなに難しいことではない。

 例えば、現在の自分の貯金額と5年後の自分の貯金額を比較してみて、そのギャップが300万円あったとしよう。そのギャップから考えるべきことは、この300万円をどう貯めていくのかということだ。仕事だけではなく節約をするのか投資をするのかなど様々な策を提案し、実践していく必要があるということが分かる。

 このように、事実同士を比べることで発見されたギャップからどんな策を考え出せるのかが比較においては重要なポイント。仕事における難しい比較作業をグラフを用いて、視覚的に分かりやすく表現するといったことが主な比較手段となるだろう。


 今まで自分なりに完璧に仕事をこなしたつもりでも結果がついてこなかったという人にとって、この本は新たな観点となり、とても良い刺激になるのではないだろうか。そして、この本に書いてある思考術をありのまま再現するのではなく、世の中の様々な人々が持つ仕事における思考術も列挙して比較して良いと思った仕事における思考術を吸収していくことを実践することが、この本を本当の意味で理解したということになるのではないだろうか。

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