19世紀のロシア文学を代表する文豪と言えば、「レフ・トルストイ」だろう。トルストイの名前を知らずとも、『イワンのばか』や『戦争と平和』、『アンナ・カレニーナ』などの作品名を一度は耳にしたことがあるだろう。
この世界的文豪のトルストイだが、思想家としての一面は意外と知られていない。トルストイは、幼少の頃からルソーの哲学書を愛読しており、ルソーの思想に大きな影響を受けている。トルストイが作品の中で述べている名言の数々が、人間の本質や社会の営みを表象しており、読者を人間として洗練させるような魔力を秘めているのはそれが原因だと言われている。
今回は、人間を洗練させるような魔力を持つトルストイの名言の中から、とりわけビジネスマンに響くであろう名言を5つご紹介する。
仕事で疲弊した心の処方箋に。トルストイ・5つの名言
出典:tableau.uchicago.eduトルストイの名言 #1
貴族の出身であるトルストイは、世間から見ると、裕福で幸せな家庭で育った子どもと思われていた。だが実際には、多くの悲しみを経験した少年だったという。トルストイは、幼少期に母、父、祖母、そして妹と最愛の家族と別れを告げることとなる。さらには、通っていた大学も成績不振から中退と、散々な人生を送っていた。
この名言は、多くの悲しみを背負ったトルストイだからこそ発せられる言葉だ。悲しみや苦しみをも自分の限界を知るための1つの試練だと捉えることが、人生を前向きに生きぬく方法なのかもしれない。
トルストイの名言 #2
「人の不幸は蜜の味」というように、人は他人の不幸を見ることで自分の幸福を感じる哀れな生き物だ。しかし、それで得た一時の幸福は、本当の幸福なのだろうか。トルストイが言うように、周囲の人が喜んでいるときに一緒にその喜びを共有できるときに、人は真の幸福感を得られるのだ。
友人の昇進を喜び、仕事でうまくいってない同僚の悲しみを共有できるような人間性を築きたいものだ。
トルストイの名言 #3
疲れているときほど、人は他人の失敗を許せないものである。しかし、他人の失敗を責めたところで、自分の怒りが増長するだけ。全くの無駄なエネルギーと言っていい。
また、他人に自分の恩をおしつけることもナンセンスな行為である。自分の恩に対して執念深いと、却って恩が仇に変わることがある。例えば、人にお金を貸したことが原因で生じるトラブル。その人にあげるつもりでお金を貸す。それがトルストイの善を忘れる行為だろう。
トルストイの名言 #4
このトルストイの名言は、ある意味実行するのが一番難しい教えかもしれない。人は無意識のうちに人に評価をつける生き物であり、自分より優れていないと感じる人に対しては冷淡な態度をとりがちだ。
しかし、あなたが何かを指導する立場であったとき、いくら内心で感じたとしても、それを相手に態度として表してはならない。そういった驕りや偏見が、仕事上での人間関係に大きな亀裂を生じさせるのだ。
トルストイの名言 #5
『戦争と平和』などの作品が世界的に認められ、トルストイの認知度は飛躍的に上がるようになった。しかし、その成功に伴い、トルストイは次第に心を病むようになる。「なぜ人は生きるのだろうか」と日々思想に耽り、自殺も考えるようになったらしい。
毎日のように自殺を考えていたトルストイが踏みとどまったのは、心の中に今を精一杯生き抜かなければならないという気持ちが内在していたからに違いない。
仕事で疲弊したときこそ、今悩んでいることを明日に持ち越さず、今この瞬間を精一杯生き抜く。それが悩みを打破するための唯一の糸口なのだろう。
ここで紹介した名言も含め、トルストイが残した名言は、どうずれば幸せな人生が築けるかという指針を与えている。それを人生で活かすのもよし、仕事で活かすのもよし。全てはあなたの使い方次第。トルストイの名言並び、偉人の名言を上手く利用することは、あなたの人生をより豊かで意味あるものに彩ってくれるのだ。
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