昨今の主張しすぎる“流行の”おしゃれなんてもはやどこ吹く風。トレンドにとらわれず、最小限のシンプルなアイテムだけでおしゃれを完成させる「Normcore〈ノームコア〉」を好む人々が近年大変急増している。対訳すれば、究極の普通、つまり限りなくシンプルという意味の造語だ。
究極の普通を目指す彼らが持つおしゃれの共通理念は、普通/シンプル＝ダサいではないというもの。ガチャガチャうるさい装飾に囲まれたおしゃれを捨て、シンプルさで構成されたおしゃれな格好を心掛けるのが、ノームコアを好むメンズたちのスタイル。
書店の棚にファッション雑誌は多々並ぶが、取り上げられるのは流行ばかりだ。シンプルでおしゃれな格好は、一体どうやったら完成できるのか？ ノームコアの概念を参考にしながら、シンプルなおしゃれを完成させる3つの規則とともに紹介していこう。
シンプルなおしゃれを完成させるコツは、色を抑えること
シンプルかつおしゃれ、なんて、いかにも元々おしゃれの知識がある人のみが成功するスタイルに思われがち。生まれた時からおしゃれな人など存在しないように、もちろん、そんなことはないので安心を。
使用するカラーはシンプルに
出典： シンプルという言葉からも想像できるように、ノームコアスタイルを好む人たちのファッションは色が少ない。つまり、3色以下でコーディネートされているものが多いのだ。
色の多い着こなしにも、もちろんおしゃれなスタイルはある。しかし色を多く組み合わせるほど、おしゃれに仕上げるのも難しくなるし、シンプルな印象とは遠くなっていくだろう。
色の多い着こなしにも、もちろんおしゃれなスタイルはある。しかし色を多く組み合わせるほど、おしゃれに仕上げるのも難しくなるし、シンプルな印象とは遠くなっていくだろう。
究極的シンプル、ワントーンスタイル
出典：lookastic.fr ノームコアの影響か、昨今は1色のみでシンプルな「ワントーン」スタイルが流行中。たった1色のみというシンプルな色遣いながら、ファッション性の高い恰好としてメンズファッション内でも人気を博している。
色の組み合わせを考慮してスタイルを組むことも、よくおしゃれになるための方法として紹介されるが、ノームコアスタイルはその点も至ってシンプルだ。挿し色として派手なカラーを用いるおしゃれ上級者もいるが、基本的には落ち着いた色合いのおしゃれを着こなす人が非常に多い。
シンプルなおしゃれだからこそ、こだわるべきは「素材」である
安価な素材の洋服が醸し出す雰囲気は、やはりどこか安っぽい。手軽なファストファッションのみでシンプルスタイルを着こなすのは、正直あまりお勧めできない。色を抑えたシンプルなスタイルにしているなら、なおさら服の素材が浮き立ってくるからだ。
例えば青、と一言にいっても、デニム素材やコットンのシャツなど、同じ色であっても素材の異なるアイテムは多数存在する。ノームコアらしいシンプルなスタイルでは、服の素材がデザインと同様に重要なのだ。むしろ、デザインがなんら特徴のない普遍的でシンプルな服であっても、素材にこだわりがあれば上質な一枚に見えることもある。
シンプルかつおしゃれなスタイルが成立するのは、シンプルながらも風格があるおしゃれに仕上げるからなのだ。安価すぎる洋服では、せっかくのシンプルファッションも格が下がってしまう。「おしゃれ」を保つなら、シンプルながらもなるべく良質な服でスタイルを組みたい。
“究極のシンプル”では、自分自身もおしゃれの一部
おしゃれになるためには、驚くほど多くの「メソッド」なるものが存在する。それぞれアイテムごとに着こなし術があり、流行を取り入れる方法なども、毎シーズン各雑誌がこぞってページを割いている。
しかしながら、おしゃれというものをシンプルに突き詰めていくと、結局は服装だけでなく体型や髪形もおしゃれの大きな要素だということに気付かされざるを得ないだろう。
いくらデザインがおしゃれで素材も上質な服があったとしても、着こなす側のあなた自身がおしゃれとは程遠いものだったとしたら、ノームコアのようなシンプルなスタイルは成り立たない。シンプルなおしゃれを嗜もうとするならば、体型しかり、髪形しかり、あなた自身がおしゃれにふさわしい自分を作り出さねばならない。無論それはなにも派手な髪形にしろとか、身体をめちゃくちゃに鍛えろなどという意味ではない。
シンプルなおしゃれには、「自分自身」が非常に反映されやすいということを覚えておいていただきたいのだ。目立つ服やカラーでカバーすることのできない、あなたの本質的な部分が反映されることを忘れずに、シンプルなおしゃれというものを楽しんでもらいたい。
「ノームコア」に代表されるシンプルなおしゃれというものは、シンプルだからこそ、様々なものが浮き彫りになりやすいスタイルだ。しかしながらこのスタイルを楽しむ人は、比較的自分自身への満足度が高いそう。
自分自身と向き合うことの多いおしゃれだからこそ、そういった結果を得やすいのかもしれない。一度このシンプルなファッションを楽しんでみれば、気付かずにいた本質的なあなた自身を見ることができるかもしれない。
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