「喜劇王」の異名をもつコメディアンとして知られるチャールズ・チャップリン。脚本家としても演じ手としても映画の作り手としても、その才能を遺憾なく発揮した天才・チャップリン。そんなチャップリンが死して40年近く経つ。
だが、チャップリンの作品は未だ多くの人々に賞賛され、愛され続けている。それは、チャップリンの作り出す作品の笑いが、ただ単純に面白いだけの笑いだけではないからだ。
チャップリンの作品のユーモアの中には、民衆の悲哀が、社会への風刺が込められている。チャップリンの作り出す笑いの底には、人間の悲しみが見える。それはチャップリン自身が、人間に対して深い理解をもっていたからこその成せる業である。
チャップリンが貧しい民衆の悲しみを理解できるのは、その生い立ちが関係している。父母は離婚し、母が精神的な病で施設に収容されてから、どん底生活を余儀なくされたチャップリン。いくつかの貧民院や孤児学校を渡り歩き、生きるために床屋、ガラス職人、マーケットの売り子とあらゆる職を転々とし、時にはコソ泥まで働いた。そんな苦労を重ねてきたチャップリンは貧しい民衆の味方である。自身が成功し、大きな富と名声を得てからも、チャップリンは弱き民衆の味方だった。
チャップリンの名言は私たち戦う民衆の味方である。私たちの生活の中にも、権力者の迫害がはびこっている。大きなところでは国や社会の制度などに、身近なところでは会社の決まりや上司などに苦しんでいる人もいるのではないだろうか。ここで、そんな私たちの味方となるチャップリンの名言を7つ紹介する。
弱き民衆の味方・チャップリンの名言7選
by twm1340チャップリンの名言1
チャップリンの作品「独裁者」の中の名言である。有名な最後のシーンの演説には多くの名言がちりばめられているが、この名言もそのひとつだ。チャップリンはナチスの偽善をすぐに見抜き、そのファシズムを最初から最後まで批判し続けた。人間に対する思いやりの感情をもたないヒトラーが、民衆を悲劇に陥れてしまうことを看破していた名言である。
チャップリンの名言2
これも同じくチャップリンの作品「独裁者」の最後の演説のシーンでの名言。ナチス・ヒトラーのファシズムがもたらした結果、暴力性は今の時代から振り返れば明らかだが、それを当時から看破し、さらに、それを堂々と主張することのできたチャップリンの民衆、人類への愛と勇気、強さには頭が下がる思いになる。
チャップリンの名言3
チャップリンの作品、ブラックコメディの『殺人狂時代』の中で、死刑台に向かう主人公に語らせた名言である。戦争の矛盾をついたこの作品は、アカデミー脚本賞にノミネートされた。権力者が民衆を不幸にする戦争を皮肉をこめて批判した名言だ。
チャップリンの名言4
チャップリンはとことん民衆の味方だった。民衆を不幸にしようとする権力者を皮肉り、批判し、その正体は滑稽であることを多くの作品を通して描いてきた。権力者の滑稽さを見抜き、それを笑いという形で表現し続けたチャップリンならではの名言である。
チャップリンの名言5
チャップリンにとって、笑いは、権力者に対する民衆の抵抗の手段でもあった。この名言がそれを示している。そして、実際にチャップリンは権力者に対する抵抗として、民衆の味方として、多くの笑いの作品を生み出したのである。
チャップリンの名言6
この名言からも、民衆の味方をし続けたチャップリンの心が伝わってくる。大きな成功と、富と栄誉を得たチャップリンであるが、その心は常に民衆に寄り添っていた。チャップリンの笑い、チャップリンの作品はどこまでも民衆、大衆の味方であり続けたことを示す名言である。
チャップリンの名言7
最後にもう一つ、もう一度「独裁者」の中の最後の演説のシーンの中からこの名言を紹介したい。チャップリンが権力者を批判し、皮肉り、笑いにした反抗精神は、とことん民衆の側に立ったものだった。それはチャップリンの人間に対する深い理解と愛からくるものであり、みんなが幸せに笑って生きる世界を望む、チャップリンの温かい心が生み出すものなのである。この名言からは、その温かさがひしひしと伝わってくる。
チャップリンの名言はこの他にも数多くある。今回はその名言の中でも、チャップリンがどこまでも人間を愛し、民衆の味方であったことを示す名言をご紹介した。そこに浮かぶのは、温かく、強い心をもつチャップリンの姿である。チャップリンは人間に対する思いやりのない権力は滑稽なものだと教えてくれる。そして、そんな権威を笑いとばそうとする作品を多くの残しているのだ。
もっとチャップリンという人物に近づいてみたいと思ったら、ぜひ彼の作品を見てみてほしい。ここで紹介した名言の他にも、彼という男の心が見えてくる名言に出会えることだろう。それは、あなたの心を元気にしてくれる言葉になることと思う。
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