待ち望んだ給料日。いざATMで口座をチェックすると「あれ、残高が増えてない……?」と、慌てた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、給料の振り込み時間について徹底解説。給料が振り込まれる正確な時間や振り込みがされていなかったときの対処法まで、幅広くご紹介します。
- 給料が振り込まれる一般的な時間と目安
- ケース別、給料に関するトラブルや疑問への対処法
- 主要金融機関の営業時間、振込時間
給料が振り込まれる時間って正確にはいつ?
クレジットカードの支払いに、家賃の引き落とし……。さまざまな支出金額を捻出するために、給料日にはかけ足で金融機関に向かうビジネスパーソンもいらっしゃるでしょう。
しかし、給料日にもかかわらず、給料が口座に振り込まれていないこともしばしば。では、給料は何時頃に振り込まれるものなのでしょうか。
まずは、給料は振り込まれる一般的な目安や正確な時間を確認していきましょう。
一般的な給料振り込みの時間帯
多くの企業で給料の振り込み時間は、おおむね午前9時となっています。給料の振り込みは、給料日当日に会社側が直接振込手続きを行っているのではなく、給与口座のある金融機関に「給料日の2~5日前」には振り込まれているのが一般的。給料日当日にはすぐに引き落とせるよう、準備されています。
あらかじめ金額と振込日時を設定できる振込予約の場合、時間は企業側が自由に設定可能。9時に振り込みが多いのは、金融機関の開店時刻に合わせている企業が多いためです。
労働基準監督署の指導では給料日の午前10時
給料の支払い時刻について、労働基準監督署は「給与は、給料日当日の朝10時までに引き出せるようにしなければならない」と指導しています。指導は法律とは異なるので、状況によって振込時間が過ぎた場合も特別な罰則は生じません。
しかし、国内の多くの企業は本指導を遵守できるよう注意しており、遅くとも給料日の午前10時までには引き出せる状態にしています。
会社ごとに異なる! 2種類の給料振り込み方法
現在、多くの企業では給料の振り込みにかかる作業時間短縮のために「自動処理システム」を導入しています。自動処理システムは、企業があらかじめ金融機関と給与振り込みに関する書面を取り交わすことによって、指定金融機関は情報をもとにコンピューターで自動処理していく仕組み。処理は給料日当日の午前3〜5時頃に行われているため、給料日の朝ATMが作動した段階で自動的に従業員講座に振り込みされます。
大手都市銀行やネットバンキングがメインの金融機関の場合、24時間いつでも振込処理が可能。コンビニATMやネットバンキングを利用している場合には、給料日に変わった瞬間すぐに給料が振り込まれることも多く、深夜0時過ぎには引き出せる状態になるのです。
一方、小規模企業を含む一部企業のなかには、給料の振り込みを金融機関の窓口で直接行っている企業も存在します。自動処理ではない分、入金からお金を引き出せる状態になるまで数時間かかってしまい、入金時刻によってはお金を引き出せるのが正午近くになってしまうケースもあるのです。
- 多くの企業では、給料の振り込み時間が当日午前9時
- 労働基準監督署では、午前10時までの振り込みを指導している
- 「自動処理システム」を導入している企業が多く、給料日の数日前に給料が振り込まれている
- 会社側で直接振り込み手続きを行った場合、入金が当日のお昼頃になることもある
給料日が土日と重なっていた場合はどうなる?
給料日が土日祝日、GWや年末年始などの大型連休と重なっていた場合、多くの企業では休日前の営業日に振り込まれるのが一般的。なかには休日明けの翌営業日に振り込み企業もいますが、数としては少数派です。
ただし、規模の小さな中小企業の場合は「年2回のボーナス月は休日明けの振り込み」「12月給料は年始の営業日に振り込み」など、独自ルールを定めていることもしばしば。事前に確認して、給料の振り込み日を頭に入れておきましょう。
なお、上記の「休日」とは金融機関における休日のこと。カレンダーに記載されている休日をチェックすると分かりやすいでしょう。
一般的な給料引き出し可能な時間(休日振込の場合を除く)
前述したように、ネットバンキングや大手都市銀行への給与振込の場合には、コンビニATMやネットバンキング上では「給料日になった瞬間(深夜0時以降)」に給料の引き出しが可能です。ただし、サービスメンテナンスによって、振込処理が行われないこともあるので注意しましょう。
一方、金融機関の窓口で直接引き出す場合には、各銀行の営業開始時間に順ずる午前9時から順次給料の引き出しが可能。規模の大きな支店はATMのみ開店時刻より早く稼働していることも多く、ATMが稼働し始めたタイミングで引き出せるケースも多いのです。なお、これらの一般的な給料振込時間は、休日振込の場合は対象ではありません。
- 銀行の窓口で引き出す場合、営業開始時刻の午前9時から引き出し可能
- 24時間対応のネットバンキングや大手都市銀行の場合、給料日当日の深夜0時から引き出し可能
- ATMで引き出す場合、稼働開始時間から引き出し可能
【状況別】給料振り込み、こんな場合はどうなる?
給料の振り込みに関しては、多くのビジネスパーソンが一度は疑問や不明点を感じたことがあるのではないでしょうか。
次は、発生した状況別の対応方法をまとめてご紹介します。給料の振り込みに関してトラブルや疑問点が生じた場合にも、下記の対処法一覧を参考に、落ち着いて対応していきましょう。
勤め先が中小企業の場合
先に述べたとおり、現在多くの企業では「自動処理システム」と呼ばれる事前振り込み機能を採用しています。給料日の数日前には振込金額と日時が指定されているため、当日はATM稼働時間には引き出しが可能です。
しかし、中規模・小規模の企業の場合は、金融機関窓口で直接振り込む方式を続けていることもしばしば。該当企業に勤めているビジネスパーソンは、振り込み時間が遅れてしまう可能性を考えておくようにしましょう。なお、勤務先企業の振込方式について気になっている場合は経理部に確認するのも一案です。
通常と異なる金額が振り込まれている場合
本来振り込まれる金額とは異なる金額が振り込まれていた際には、必ず会社側に確認する必要があります。「少しの金額だから大丈夫だろう」と自己完結してしまうと、のちのち予期せぬトラブルに繋がる恐れもあります。
振り込み金額に差異がある場合、振り込まれている給料が通常よりも多いときには手当の加算、給料が通常よりも少ない場合には税金の関係で控除されているケースが考えられます。いずれにせよ正確な理由が分からない場合には、、差異金額の大小にかかわらず会社の経理部や総務部などに連絡をいれてください。
給料日当日に給料が振り込まれていない場合
給料日の午前中に振り込みがされていない場合、入金データの不備や企業の処理遅れによって振り込み時刻が遅れてしまっている可能性があります。やや面倒ではありますが、少し時間をあけたあと再度確認に行くようにしましょう。
特に、大型連休前やボーナス振込時期には企業側の処理が追い付いていないこともしばしば。遅れが考えられる時期は、引き出しに行く時刻を少し遅らせるのが賢明です。
しかし、給料日の15時以降や翌日以降にも入金がない場合は、勤務先への確認を行いましょう。本来は遅滞なく振り込まれるべきものなので、手続きの不備や銀行側の問題など振り込まれていないことへの説明を依頼しても問題ありません。
会社に確認しても給料が振り込まれない場合
給料が振り込まれていないことに対して問い合わせをしたにもかかわらず、給料が支払われない場合には企業側に問題がある可能性が高いでしょう。システム不良やデータ伝送ミスによる一時的な遅滞も考えられますが、企業側に問題がある場合には労働基準監督署への相談も検討すべき事案です。
労働基準法(第24条1項)では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と規定されており、給料振り込みの遅滞働基準法に反する可能性もあるのです。
企業側の問題によって給料が支払われていない場合、賃金支払規定の証拠として「給与明細」や「給与規定」の用意から開始しましょう。内容証明郵便で勤務先企業に対して「未払い賃金の支払いを請求する」旨を伝えます。労働基準監督署への申告や指導を仰いでも解決しなかった場合、残念ながら裁判での解決も考えなければなりません。
裁判手続きを行う場合、未払賃金額に応じて訴状の提出先が「簡易裁判所」と「地方裁判所」に分かれます。各裁判所には訴状の用紙があり、窓口に出向けば訴訟の起こし方もイチから説明してもらえます。不安がある場合には弁護士に依頼しても良いですが、費用を抑えたい場合には自ら訴訟を起こすことも可能です。
「そのうち支払われるかも」「給料について問い合わせると失礼になる」と遠慮していると、一向に支払われない場合もあります。給料は自身の労働の対価として受け取れるもので、本来は遅滞なく正確に振り込まれるべきです。給料の未払いが生じた場合には、然るべき方法で対応することを勧めます。
給料の金額が間違っている場合
「自転車通勤なのに、通勤手当が多く支給されている」「いつもより給与が多く振り込まれている」など、会社側の単純なミスによって異なる金額が振り込まれてしまうケースもしばしば。ラッキーだと思って使用してしまうと、会社から返還請求に応じられなくなってしまいトラブルが生じる可能性もあります。
振込金額の差異については、必ず会社側に相談しましょう。たとえ本来の金額よりも多くの給料が振り込まれていたとしても、余分なお金は使わないように注意してくださいね。
- 給料日が休日:多くの企業では「休日前の平日」に振り込まれる
- 振込金額が多い、少ない:差異に関係なく、会社側に確認する。多く振り込まれても使用しない
- 振込が遅れている:手続きの遅延の可能性もあるため、時間を空けてから再度確認
- 振込が翌日になってもない:給料の支払いを管轄している部署に確認する
- 会社に確認しても給料が振り込まれない:労働基準監督署に申告する
- 賃金支払規定の証拠として、給与明細や給与規定などを用意する
- 内容証明郵便を勤務先企業に送付し、未払い賃金の支払を請求する
- 労働基準監督署などに申告しても解決しなかった場合、裁判の手続きを行う
- 裁判手続きは未払い金額に応じて、簡易裁判所と地方裁判所に分かれる
主要銀行の振り込み時間・営業時間
ご紹介したように、銀行の窓口は9時から営業を開始するのが基本です。しかし、営業開始時間が統一されている窓口とは異なり、ATMは稼働時間や振り込み時間が大きく異なります。
最後に、主要銀行の振り込み時間や営業時間を確認しましょう。
金融機関の営業時間の目安
銀行の窓口の営業時間「9時~15時」が一般的ですが、ATMの利用時間は店舗や設置箇所によって異なります。
ATM稼働時間や窓口の営業時間をチェックしたい場合には、銀行のホームページで該当店舗やATMを検索してみましょう。
できるだけ早くに引き出したい場合はコンビニの24時間ATMがおすすめ
利用している金融機関によっては、9時〜17時までの短い時間しかATMが稼働していないケースも考えられます。できるだけ早く給料を引き出したいときや、深夜に給料を引き出したいときにはコンビニに設置されている24時間ATMの利用がおすすめです。
手数料がかかってしまうことも多いですが、利用時間を縛られずにいつでも気軽に引き出せます。
給料日までにお金がない場合の対処法
「給料日までに使えるお金が全然ない!」と困っている方もいるのではないでしょうか。
以下では、給料日までにお金がない場合の対処法をご紹介します。
1日にあといくら使っていいのか計算する
まずは、1日にあといくら使っていいのか計算することをおすすめします。
例えば、給料日まで残り3日で3千円しか残っていない場合は、1日千円で過ごす方法を考えましょう。自炊してお弁当を作っていったり、家にあるパスタやご飯を使って料理をしたりして節約をするといいですね。
給料日まであと◯日と意識すれば、普段節約や我慢をしていない人でも節約できるでしょう。
クレジットカードを活用する
使用できるお金がほとんどない場合は、クレジットカードを活用することも一案です。
クレジットカードは、ある月に使用した金額を次月に引き落とされるシステム。つまり、クレジットカードを使って、来月の自分に借金をすることでお金に困ることなく給料日を待つことが可能です。
クレジットカードを使うと、お金を使っている感覚が薄くなってしまうので計画的に使用することをおすすめします。
不要になったものをフリマサイトや買取サービスに売却する
クレジットカードは使いたくない人や、契約していない人は不要になったものをフリマサイトや買取サービスに売却することをおすすめします。
フリマサイトの場合、売れるまで時間がかかってしまいますが、買取サービスよりも高く売ることが可能です。BOOKOFF(ブックオフ)やセカンドストリートなどの買取サービスを利用すると、買取金額は安くなってしまいますが、すぐにお金を手に入れられます。
服や電化製品、ゲームなどいらないものがある人は、売ってみてはいかがでしょうか。
給料が振り込まれるタイミングを把握しておこう
- 給料の振り込みは、当日のATM稼働開始から引き出せるのが一般的
- 24時間対応のコンビニATMであれば、当日の深夜0時から引き出し可能
- 給料の振込金額が違っているときは、金額の大小に関係なく会社に連絡する
- 給料が遅れている場合は企業側に確認のうえ、振り込まれない場合は労働基準監督署に申告する
- 金融機関や支店によってATM稼働時間が異なる
待ちに待った給料日にお給料が振り込まれていないと、不安になってしまいますよね。給料が振り込まれる時期を正確に把握し、いつ給料が振り込まれるのか、引き出しできるのか把握しておきましょう。
もしも、給料が振り込まれなかったり、金額が間違っていたりする場合は、迅速に経理部や総務部に問い合わせを行ってください。
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