最近注目されている動画配信サービスに「SHOWROOM(ショールーム)」というものがある。SHOWROOMとは“仮想ライブ空間”と銘打たれた新しい形の配信サービスで、まるでリアルにライブをしているかのような臨場感と、ライブならではの新鮮な体験が得られるということで人気を博している。
そして、もうひとつ他のサービスにない大きな特徴として挙げられるのが、芸能界デビューのチャンスを自分の手で掴み取ることができるということ。SHOWROOMにはイベントと呼ばれるシステムがあり、配信者同士がファンからの応援ポイントの獲得量をランキング形式で競い合い、そのランキング1位の配信者には大型音楽フェスへの出場権や雑誌へのインタビュー掲載権などが実際に与えられる。つまり、芸能界デビューのチャンスを自分自身で掴める環境が整っているのだ。
ゆえに、アイドルやモデル、シンガー、お笑い芸人など「芸能界のスター」を目指す数多の人々が日夜、夢を叶えるためにライブ配信を行っている。
そのSHOWROOMの中でも一際目を引く配信者がいる。それが MIAKAだ。MIAKAは2012年にインディーズデビューし、現在はメジャーでの再デビューを目指しているシンガーであり、SHOWROOMを2014年の暮れに始めるやいなや爆発的な人気を博し、今や人気配信者の一人として数えられるほどである。
2015年9月には、SHOWROOMで開催された「渋谷の大型ディスプレイへのPR動画の放映権」を懸けたイベントにおいて見事優勝し、渋谷の大型ディスプレイにも登場した。また、SHOWROOMのみならず、ライブ活動なども精力的に行っており、ネット、リアル共に活躍の場を広げている。
本稿では、SHOWROOMと『U-NOTE』のコラボインタビュー企画と題して、数々の挫折を乗り越え、「好きなことを仕事にする」を体現し続けるMIAKAの仕事への向き合い方について迫っていく。
挫折と成功の末に得た「自分で考える」ことの意味
――シンガーを志したキッカケはなんですか?
MIAKA:
私の大好きなアーティストが安室奈美恵さんなんですけど、初めて安室さんを見た時に衝撃を受けました。その時、私も音楽の世界で生きていきたいと思ったのがまずひとつです。
あとは、小学生の時。当時、私は何かを始めてもすぐに興味がなくなってしまう子で、ほとんど取り柄がなかったんですが、唯一周りから褒められたのが歌でした。中学生になってもそれは変わらず、歌だけはよく褒められていました。なぜほとんど取り柄のない私が歌だけは褒められるんだろう、なにか違うのかなと感じるようになり、そこで歌手になりたいと思い、高校も歌のレッスンができる学校を選びました。
――高校生になる段階で音楽の世界で食べていきたいと?
MIAKA:
そうですね、その時からあっち側に行きたいなと思いました。でももちろん、すぐにはデビューできなかったです。その時も学校の薦めでオーディションを受けたり、レコード会社の方が学校に見に来たりして、何度かレコード会社の人にも呼んでもらえていました。でも、どうしてもあと一歩のところで上手くいかなかったんです。
そこでもっともっと未熟な点を改善して、努力して、もう一回再チャレンジするくらいのハートを持っていればよかったのに、その時は心が折れてしまい、あと一歩を踏み出せなかった。それでそのまま卒業になってしまったんです。
――そこからどうやって最初のデビューまでこぎつけたんですか?
MIAKA:
高校卒業後、この先どうしようかなと悩んでいたんですが、人とのつながりで、なんとか2012年にインディーズでデビューすることになりました。
でも、そこでもまた挫折してしまったんです。デビューする前に想像していた景色とは違う部分がたくさんあったり、自分の力不足な部分にも気づいてしまったりして、シンガーとしてやっていくかどうか悩んだ時期が長くありました。 でも、やっぱりまた歌いたいなと思い立ち、そこから一緒に楽曲やろうよと言ってくれる方とも出会えて、もう一回地道にやっていこうと決意して今に至ります。
――デビューに至った人とのつながりというのは?
MIAKA:
いわゆる恩師とも呼べる方なんですが、高校時代のボイストレーニングの先生です。その方には、高校時代、すごくすごく助けられました。学生の頃は、メンタルの面でも歌の面でも子どもの部分があり、それらを全部教えてくださりました。
だけど、成長していくにつれて、「どう人に歌で伝えていくか、全部自分で考えていけ」とすっごい怒られるんですよ、本当に泣かされるくらいに(笑)。でも、本当に悩んだ時は、私のことを考えて直接手こそ貸してはくれないんですが、相談に乗ってくださり、解決のヒントを教えてくれました。そして結果的に、その先生のつながりでインディーズデビューするに至りました。
――「自分で考えろ」というアドバイスが今にもつながっているというわけですね?
MIAKA:
そうです。あと、「アーティストは孤独じゃなきゃダメだ」とも教えていただきました。言われた当時は、その意味がよく理解できていなかったんですけど、今なら少し分かる気がしています。それは、なにかを生み出し、表現する人は、一人じゃないと自分で考える力がつかないという意味なんじゃないかと、実際にたくさんのことを経験してみて初めて理解できたんです。
挫折を乗り越える秘訣は、心を強くすること
――MIAKAさんは何回も挫折を経験していますが、いつもどうやって逆境を乗り越えているんですか?
MIAKA:
仕事がうまくいかない時、普段は気にならないはずの周りからの雑音がすごく気になってしまって、心が弱くなってしまうことがあるんですよね。そんな時は、私のことを理解してくれている友人に喝入れてもらったり、ファンの方に励ましてもらったりして、その都度「このまま諦められない」「応援してくれる人たちに歌で恩返ししなきゃな」と気合を入れなおしています。本当に人に助けられていますね。
――なるほど、人との繋がりが大きいんですね。MIAKAさんの心を強くする秘訣などはあったりしますか?
MIAKA:
そうですねー……、周りと比べないことを意識しています。それこそ、デビューしたての頃は周りと自分を比べてしまっていて、それで自分を追い込んでしまっていたことがありました。他の子が充実しているのを見ると、全然うまくいかない自分が惨めに思えてしまい、勝手に自分を追い込んで心が弱くなってしまっていたんです。
でも、それではダメだと思い直してからは、「自分は自分、人は人」と周りと何も比べないで前を向いていくしかないと思うようになりました。周りの雑音に惑わされないようにといった感じで。
そうしたら気持ちが楽になって、ネガティブだった思考もポジティブに変わっていき、自分と他人とを比べて落ち込むこともなくなりました。
成長しているかどうかは後からしか分からない、だから「今」を頑張る。
――今までたくさんの経験があったと思うのですが、MIAKAさんが考える成長とはなんでしょう?
MIAKA:
自分でもその途中経過はわかっていないんですけど、何年か前を振り返るとわかるものですかね。あの時思っていたことや物の見方、歌を人にどうやって伝えるかという考えも今とは全く異なっていて、その分成長しているんだなって思います。
例えば、私は自分で歌詞を書いているんですけど、ただ書いた歌詞をそのまま歌っても聴いている人にはその思いがちゃんと伝わっていなくて、歌詞を書く時の状況背景、感情をすっごい細かく分解していって、それをライブで伝えなければいけないなと考えるようになりました。それで、新しい形でのライブや今までにないようなことに取り組んだりできるようになったのは、自分でも成長したなと感じましたね。
――最後にMIAKAさんにとって「仕事」とはどういうものですか?
MIAKA:
私にとっての仕事とは、「ないとダメなもの」です。仕事があって初めてプライベートの方も充実するし、そこが自分の基準だと思っているので、仕事が充実していないとダメなんです。また、やりたいことを仕事にするという難しい道を自分自身で選んでいるので、本当に自分にとって仕事とはかけがいのないものですね。
――これからの意気込みや夢などあればお願いします。
MIAKA:
夢はメジャーデビューすること。まだまだ今の段階では私の歌で足をとめてくれる人は少ないので、メジャーデビューして今よりもっとたくさんの人に私の歌を届けたい。そして、私の歌を聴いて楽しくなったり、切なくなったり、感動したり、幸せになってもらいたいですね。
また、そんなたくさんの人の心を動かせるような歌手になれるよう、SHOWROOMの配信やライブだけでなく、もっと新しいことにもどんどん挑戦していきたいなと思います。
再デビューを誓うボーカリストMIAKA|SHOWROOM(ショールーム)
MIAKA。5月21日生まれ。東京都出身。クリフエッジJUNさんプロデュースによる自身の楽曲や、邦楽洋楽、何でも唄っています。天然とよく言われます。よく噛みます。台湾の血が半分流れてます。おんざまゆげ封印期間中。話しかけられると喜びます。歌声と前髪を褒められると喜びます。皆さんと和気あいあいのお部屋です‼︎今は、ボーカリストとして再デビューを果たす事が夢です‼︎応援よろしくお願いします‼︎
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう