誰からも好かれれば、人生もっと上手くいくのに……。そう思う人は少なくないだろう。確かに、取引先の人や同僚、上司に好かれれば、もっと自分の成績がアップし、昇進できるかもしれない。好感度が悪い人はそれだけで出世街道から外されてしまう可能性だってある。
本書『女性アナウンサーが教える 好感度アップの66の法則』は、書名の通り女性アナウンサー田中未花氏が著した一冊だ。彼女は、SBS静岡放送入社した後、フリーアナウンサーに転向、NHKキャスターを経て、ジョン・ロバート・パワーズ・スクールというキャリアアップスクールでマナー全般を習得した。
本書では、仕事でもプライベートでも使えるマナーや、好感度を上げる方法を66の法則にして紹介している。「信頼できる」「一緒に仕事がしたい」と思わせるような人は、どのように好感度を上げるのだろうか? 今回はその謎に迫っていきたい。
背筋を伸ばせば自然と好感度が上がる!
印象とは、組織に属している人間には必要不可欠なものである。人は誰でも、それぞれ相手に勝手な印象を抱く。しかし、一見暗そうでも実はおしゃべりな人はいるし、明るくても人と接するのが苦手な人もいる。「暗そうだ」と、好感度を低く抱かれてしまったら、挽回するのは大変だろう。
最近は特にスマホの利用が増えたせいで、駅のホーム、電車の中、信号待ちなど、どの瞬間にもスマホに触ってしまう。画面を覗き込むと、嫌でも背中が丸くなってしまう。読書するときも同じである。背中が丸いと、暗い印象を周囲に与えてしまいがちだ。
しかし印象は操作できる。「かわいいは作れる」と同じである。好感度は意図的に上げることができるのだ! 姿勢が良いと、スタイルがよく見える。自信に満ち溢れ、爽やかな印象も与えることができる。もちろん明るく見え、声もよく通るようになる。
このように、「明るい人」を演出できるのが「姿勢」である。明るい人は好感度も自然と上がるので、第一印象はバッチリである。
話さずうなずき「聞き上手」を目指せ!
by rolands.lakis アナウンサーは話すことだけが仕事と思われがちであるが、実はそうではない。情報を視聴者に正確に話すだけでなく、相手から情報を上手く引き出したり、番組進行を滞りなく行ったりすることがアナウンサーの仕事なのだ。その際、アナウンサーは話す側ではなく、“良い聞き役”に回らなければいけない。
「話さず、うなずく」のは何もアナウンサーに限った話ではない。実は、セールスにも必要なテクニックなのだ。相手の話を真剣に聞いて、目で訴えることが「安心感」「信頼」になり、最終的に「好感度アップ」に繋がる。ひたすら相手の立場になって話を聞くことで、信頼関係を築き、その結果として商品を買ってもらえるということである。そこで、聞き手の好感度を上げる2つのテクニックを紹介しよう。
聞き上手テク①:身を乗り出す
相手が何か興味深い話をしている際、ついつい身を乗り出して話を聞いてしまうことはよくあることである。もし自分が熱心に話しているときに、相手が椅子に深く腰掛けてリラックスしていたらどうだろう。話し手からの好感度は、良くないのではないだろうか。
少し前かがみになって相手の話を聞くだけで、聞き手の熱意が伝わり、気分良く話し手が様々なことを話してくれるかもしれない。
聞き上手テク②:メモを欠かさず取る
ビジネスの場では、メモを取りながら話を聞くことも重要である。「メモを取る」という行為自体も、後になってどういうトピックが話し合われたかという確認に必要である。しかし、ここで好感度を上げるために重要なのは、「メモを取る」姿勢である。
メモを取らずに上司の話を聞いている部下が、「メモすら取らないのか」と責められている場面を多々目にする。相手の話を積極的に文字に残していくという「メモを取る」姿勢が、周りからの好感度や評価を確実に上げるのだ。
このように、「あなたの話を聞いている」というメッセージは、聞き手側の態度に依存していると言っても過言ではない。
“あいさつ”に命を懸けろ!
by MTAPhotos プライベートでも、職場でも、取引先でも、あいさつは常に必要だ。あいさつをしないだけで、随分と相手の印象というものは悪くなる。逆に気持ちの良いあいさつさえすれば、好感度は上げることができるのだ。
例えば、マンションのエレベーターだ。同じところに住んでいる住人には、普通あいさつをするだろう。ところが後から乗ってきた人、降りていく人にあいさつをしない人を時々見かける。
この場合、「幼い頃から良い教育を受けてこれなかった」、「自分に余裕がない」という悪い印象を相手に与えてしまい、好感度は下がる一方である。だからあいさつには、命をかけるべきだ。
あいさつの中でも、一番大事なのが朝である。皆がだるいと感じる月曜日の朝に、「おはようございます」とハキハキあいさつをしたら、好感度は間違いなく上げることができるだろう。
この際、注意点が一つある。「おはようございます」の「お」を一番高い音で始めて、一息に言い切るのだ。この「おはようございます」は最高の響きを持つ、とアナウンサーである著者も絶賛している。
本書『女性アナウンサーが教える 好感度アップの66の法則』は、好感度を上げるのに役立つテクニックが他にも多数紹介されている。女性向きのテクニックも多いが、ビジネスに応用できるものもたくさんある。人と密接に関わるアナウンサーという仕事をしていく中で、著者が身につけた「好感度を上げる武器」をあなたも吸収して、職場で好かれる人間を目指そう。
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