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「思考力」で「学歴」を超える。仕事ができるヤツの秘密を解明:『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』

蓮見彩

2015/11/10(最終更新日:2015/11/10)


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「思考力」で「学歴」を超える。仕事ができるヤツの秘密を解明:『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』 1番目の画像
by James Willamor
 学生時代であれば「東大卒」と一言聞いただけで畏まってしまうものだが、社会に出てしまえば学歴は一切関係ないと語る人もいる。現代は仕事ができるかどうかの、まさに「実力主義社会」になりつつあるだろう。

 そして、東大のような国内最高峰の大学を出ているわけではないが、なぜか仕事ができる人間が、あなたの周りにも少なからずいるのではないだろうか。

 今回は、博報堂やボストン・コンサルティング・グループなどで手腕を発揮してきたビジネスマン・津田久資氏の『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか―――論理思考のシンプルな本質』の中から、東大卒を凌駕した仕事ができる人間の秘密をお伝えしたい。

仕事ができる人間の公式

 津田氏は、仕事ができる人間は「発想の質(≒発想の広さ)=①情報量×②加工率×③発想率」の公式に当てはまると言う。

 それぞれの用語が、次のように説明されている。①情報量「アイデアの素材が自分の頭の中にどれくらいあるか」。②加工率「素材をどれくらい潜在的アイデアに加工できているか」。③発想率「潜在的なアイデアをどれくらい顕在化できているか」。

 要約すると、仕事ができる人間は「いかに多くのアイディアを出して、それを形にしているのか」という部分に力を注いでいるということだろう。有名な作家も人気作品を生み出すまでに、数多くの駄作を作っている。それと同様に、仕事において一回で大きな成果を出そうと思うのではなく、とにかく自分の中にあるアイディアをどんどん表面化するべきだ。

仕事ができる人は「考える」ときに、「書く」

 分からない言葉があってもインターネットで調べれば容易に分かる現代では、東大卒の「知識」は何の武器にもならない。

 「仕事ができる人間」は多くの知識を有しているのではなく、考える力が人より優れているのだ。さらに津田氏によると、「考えている」の指標は「書いているかどうか」だと言う。優秀な人ほどこの「書く」行為に膨大な時間を費やし、量をこなしている。逆に、どんなに「私は考えて仕事をしている」と言い張っても、書く作業のない仕事は考えている範疇に入らない。では具体的に書くとは何を指しているのか。それはズバリ、メモを取る習慣である。

 メモを取る習慣と聞くと、当たり前すぎて鼻で笑いたくもなるが、本書の一番の肝と言っても過言ではない。そして仕事ができる人は単にメモを取るのではなく、ある工夫をしているそうだ。

仕事ができる人は簡潔なメモを書かない

 多くの人が勘違いしているメモの取り方が、「要点を押さえて簡潔に」というものである。しかし、メモを取る場合は、相手が言ったことを全て網羅する必要がある。なぜなら人間は「書く」と「理解する」を同時にできないからだ。簡略的なメモは脳内で編集されてしまうので、内容が歪曲される恐れがある。モレなく全ての内容をメモするのは、自分と相手に誤った理解を与えないための防止策と言える。

 仕事ではあまり書く習慣がないという人にも、面倒くさがらず内容を全て盛り込むことから意識して欲しい。たとえ内容が重複したところで、マイナスになることはないのでご安心を。

 最後に応用的な話だが、書くことはパワーポイントなどで資料をまとめる仕事にも取り入れると良いらしい。やり方は簡単で、スライドを作る前に自分が伝えたい内容を接続詞も用いたしっかりとした文章にすること。先に文章を作ることで、自分がプレゼンしたい内容がイメージしやすいらしいので、取り入れてみてはいかがだろうか。
 
 
 『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか―――論理思考のシンプルな本質』の中で、終止強調されていた「考える(書く)」。ビジネス界の巨匠・大前研一氏もメモ魔であり、自身の著書『企業参謀』は大前氏が普段から取っていたメモに基づき執筆したとのことから、その重要性は一目瞭然である。あなたも考える(書く)作業を日常から行い、周囲から「あの人はなぜ、東大卒に勝ってるのか」と羨ましがれる仕事ができる人間を目指そう


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