21世紀がインターネットの世紀となっていることは疑いようのない事実であろう。ブロードバンドインターネット接続による高速通信は、伝達可能な情報量を爆発的に増大させ、それは新しいエンターテインメントの出現をも促した。
その代表例にYouTubeがある。動画共有サイトとして名高いYouTube。YouTubeのホームページによると、その利用者数は全インターネット人口の約3分の1を占める10億人以上であり、世界最大級の動画サイトになっている。
そんな中、経済誌・フォーブスから「The World's Highest-Paid YouTube Stars 2015(世界で最も稼ぐユーチューバー)」という興味深い番付が発表された。これはつまるところ、「ユーチューバーの年収ランキング」ということになる。
ユーチューバーという職業、皆様の大半は小耳に挟んだことがあるだろう。今回はそんなYouTuber(ユーチューバー)という職業にフィーチャーして、彼らの年収を明かしていこう。まずはユーチューバーという職業について簡単にご紹介しておこう。
YouTuber(ユーチューバー)とは?
YouTuber(ユーチューバー)とは、動画共有サイト「YouTube」上で独自に制作した動画を継続して公開している人物を指す名称。噛み砕いて言えば、「YouTubeで動画をアップすることが仕事の人」ということになる。
無論、「YouTubeに動画を投稿する=お金になる」という単純な仕組みではない。ここで重要になってくるのが、「広告モデル」としてのYouTubeの在り方だ。
YouTubeを一度でも利用したことのある人は、動画再生の前に(途中で入る場合もあるが)長ったらしい広告(CM)が流れることをご存知だろう。あのような動画広告がYouTubeという動画サイト、そしてユーチューバーという職業の成立を可能にしているのだ。
ユーチューバーの収入モデルの在り方に関する細かい言及はいささか骨が折れるが、大別すると以下の3種類となるだろう。
① YouTubeから商品やサービスを販売する他サイトへ誘導し、アフィリエイトで売上をあげる
② 企業から受注して、広告目的の動画を制作し、YouTubeにアップロードする
③ YouTubeの動画広告(TrueView)を利用して再生回数に応じた収益を得る
以上3種類の方法で、ユーチューバーの年収の大半は形作られているといっても過言ではないだろう。アフィリエイト・広告動画のアップ・アドセンス広告という3本の柱なのだ。さて、ここからは世界のユーチューバー・年収ランキングトップ10人を順にご紹介していこう。
年収3億越え! ユーチューバー年収ランキング2015
年収14億円 / PewDiePie(ピューディパイ)
ユーチューバーの年収ランキングで第1位を獲得したのが、スウェーデン人ユーチューバー・PewDiePie(ピューディパイ)だ。その年収は1200万ドル(約14億円)で、主にゲームの実況動画を配信している。彼のチャンネルの登録者数は約4000万人で、2013年8月以来、YouTube内の最も登録者数の多いチャンネルとなっている。
年収10億円 / Smosh(スモッシュ)
by Gage Skidmore アメリカ出身の二人組ユーチューバー・Smosh(スモッシュ)は、少年時代からの友人であるアンソニー・ペディラとイアン・ヒコックスによるコンビ。28歳とはいえ、2007年頃から活動しているベテラン・ユーチューバーでもある。第1位のピューディパイと同じくゲーム実況動画やアニメのパロディ動画などを主に配信しており、コミカルなポケモンの実況動画で大きな注目を集めた。
年収10億円 / Fine Brothers(ファイン・ブラザーズ)
by The Bui Brothers インターネットの普及・発展によって、コメディアンの在り方も変化してきた。その代表例に、オンラインを主な拠点とするコメディアン・Fine Brothers(ファイン・ブラザーズ)がいる。年収ランキング同率2位となる彼らの年収は850万ドル(約10億円)となっている。世界中の有名人のパロディショーを得意とする。
年収7億1000万円 / Lindsey Stirling(リンジー・スターリング)
by berkeleyhomes-dot-com 1986年生まれのアメリカ人ユーチューバー・Lindsey Stirling(リンジー・スターリング)は、「踊るバイオリニスト」という異名を取るユーチューバーだ。彼女の年収は600万ドル(約7億1000万円)となっている。バレエを踊りながら、バイオリンを弾くという動画をYouTube上にアップしたところ、これが世界中でヒット。ユーチューバーとしての活動はもちろん、バイオリンアーティストとしても高い注目を集めている。
年収5億3000万円 / Rhett & Link(レット・アンド・リンク)
by rhettandlink 38歳・37歳というユーチューバーとしては比較的高齢ながら、年収450万ドル(約5億3500万円)を稼ぐユーチューバー・Rhett & Link(レット・アンド・リンク)。収入のほぼ半分を広告収入が占めている。日々の出来事をコミカルに紹介するニュース番組Good Mythical Morningで人気を博している。
年収5億3000万円 / KSI(ケー・エス・アイ)
出典:theultimatesidemen.wikia.com イギリス人ユーチューバーとして最も稼いでいるのがKSI(ケー・エス・アイ)だ。その年収は450万ドル(約5億3000万円)で、年収ランキング6位タイとなっている。主にゲーム実況動画を配信しており、最近は音楽業界への進出も企てている。
年収3億円 / Michelle Phan(ミシェル・ファン)
by Gage Skidmore 年収にして250万ドル(約3億円)をマークし、年収ランキングの第8位となったカナダ人ユーチューバー・Michelle Phan(ミシェル・ファン)。メイクアップ動画で一躍有名になった彼女は、レディー・ガガやアンジェリーナ・ジョリー等のセレブに変身するメイク術を自身のページ上でアップしている。
年収約3億円 / Lilly Singh(リリー・シン)
by Gage Skidmore 女性コメディアンとして、人種ネタを多く扱うユーチューバー・Lilly Singh(リリー・シン)。カナダのYouTubeシーンを代表するユーチューバーのひとりで、その年収は250万ドル(約3億円)となっている。歌手としての挑戦も企てている。
年収約3億円 / Roman Atwood(ローマン・アトウッド)
過激なプランク(イタズラ)動画で人気のユーチューバー・Roman Atwood(ローマン・アトウッド)。32歳という、ユーチューバーとしては少々高齢ながら、北米日産のスーパーボウルの広告CMに起用されるなど、幅広い活躍をみせている。
年収3億円 / Rosanna Pansino(ロザンナ・パニシノ)
出典:www.fanpop.com 独学で身につけた料理レシピをコミカルに紹介していくユーチューバー・Rosanna Pansino(ロザンナ・パニシノ)。1985年生まれの彼女の年収は250万ドル(約3億円)で、年収ランキングの第8位タイとなっている。オリジナルのレシピ本を出版しており、キッチン家具の大手メーカー・WILTON社とも契約を結んでいる。
以上が世界のユーチューバー・年収ランキングトップ10人だったが、その年収は全員が3億円を超えるという結果となった。さて、21世紀の職業として名高いユーチューバーだが、日本人ユーチューバーの年収はどのようになっているのだろうか? ここからはそんな日本人ユーチューバーの年収を見ていこう。
日本人ユーチューバーの年収は?
ヒカキン(Hikakin)
日本人ユーチューバーとして絶大な知名度を誇るヒカキン(Hikakin)。2013年には世界的なロックバンドであるAerosumith(エアロ・スミス)との共演も果たした彼だが、その年収に関する実態は推し量る他ないのが実情。
動画チャンネルのチャンネル登録者数や推定収入などを自動計算してくれるサイト・Social Bradeを使って、ヒカキンの年収を推定すると、おおよそ1億円程度の年収を得ていると推測できる。
しかし、これは前半でご紹介した収入モデルの③番「YouTubeの動画広告(TrueView)を利用して再生回数に応じた収益を得る」だけの年収なため、実際はテレビ出演料や純広告、自身が最高顧問を務めるYouTuberのマネジメント会社「UUUM(ウーム)」からの顧問料などがこれに上乗せされると思われる。
はじめしゃちょー
大学生ユーチューバーとして、身体を張った実験などを主にアップするユーチューバー・はじめしゃちょー。ティーン層から絶大な人気を集める彼は、200万人を超えるチャネンル登録者数を誇るカリスマ・ユーチューバーのひとり。
これも推定の域を出ないが、その年収は5000万〜1億円の間と予想されている。世界トップクラスのユーチューバーに比べると低い年収だが、若干21歳にして(しかも、なんの変哲もない一般人が)これだけの年収を稼げるのはユーチューバーならではと言えるだろう。
世界のユーチューバーの年収ランキングは、やはり比較的年齢の浅い20代が多くランクインする結果となった。性差という点でも関係性がなく、トップ10人中4人が女性だったという点もまた新鮮であった。
今では小学生の中にも「大人になったらユーチューバーになりたい」という子供も少なくないという。インターネットの出現・普及が生み出した新たな職業であるユーチューバー。彼らはこれからのエンタメ業界を考えていく上で、キーマンとなってくるだろう。
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