今年7月に、経済誌・フォーブスから発表された番付「世界で最も稼ぐ作家ランキング」では、そんな数多いる作家たちの中でも、とりわけ年収の高い作家トップ10人を明かしている。
まさに(広義な意味での)現代文学を代表する彼らの年収は、どれほどのものなのだろうか。「作家=生活すらままならない職業」という固定観念は、彼らには通用しないだろう。作家は、「アメリカン・ドリーム」が詰まりに詰まった職業でもあるのだ。(日本円換算は10/5日現在、1$=120円で計算)。
世界の作家・年収ランキングトップ10人
第1位 ジェイムズ・パターソン(68歳):年収約107億円
by books_authors 経済誌・フォーブスによる世界の作家・年収ランキングで、二年連続の第1位を獲得したのは、アメリカのサスペンス作家・James Patterson(ジェイムズ・パターソン)となった。代表作に『犯罪心理学者アレックス・クロス』や『ウィメンズ・マーダー・クラブ』などがあり、売り上げ発行部数は3億部を超えている。
その年収は約8900万ドル(約107億円)で、年収ランキング第2位の作家との差は約70億円と、ダントツ1位の年収をマークした。
第2位 ジョン・グリーン(38歳):年収約31億円
若干38歳にして、年収2600万ドル(約31億円)を稼ぎ、世界の作家・年収ランキングベスト10人の仲間入りを果たしたJohn Green(ジョン・グリーン)。YouTuber、歴史家、オンライン教育ビデオのクリエーターなど、多岐に渡って活躍している若手作家だ。
代表作のひとつである『さよならを待つふたりのために』は、全米だけで年間350万部を達成している。
第3位 ヴェロニカ・ロス(26歳):年収約30億円
by RedCarpetReport 年収2500万ドル(約30億円)で、作家・年収ランキングの第3位となったアメリカ人女性作家・Veronica Roth(ヴェロニカ・ロス)は、まだ26歳になったばかりの美人作家。2011年に発売され、瞬く間にベストセラーとなった『ダイバージェントシリーズ』の作者で、同作は2014年に通算340万部を突破した。新進気鋭の作家として、国内外問わず、高い注目を集めている作家だ。
第3位 ダニエル・スティール(67歳):年収約30億円
出典:www.lustaday.com ヴェロニカ・ロスと同じ年収2500万ドル(約30億円)で、同率の第3位となった作家・Danielle Steel(ダニエル・スティール)は、ロスとは対照的に67歳の高齢作家。9人の子供を産んだ敬虔なカトリック教徒で、彼女もアメリカ人作家。
当作家はロマンス作品で有名で、73年のデビュー以降94冊もの作品が発表され、その多くはベストセラーになっているものの、映画化されたことは一度もない。作家らしい作家の稼ぎ方をしている人物だ。
第5位 ジェフ・キニー(44歳):年収約28億円
by Politics and Prose Bookstore 児童向け書籍『グレッグのダメ日記』で知られるアメリカ人作家・Jeff Kinney(ジェフ・キニー)。彼の著作は世界で45の言語に翻訳されるなど、世界の児童文学を代表する作家のひとり。彼はゲームデザイナーとしての側面も持ち合わせている。
第6位 ジャネット・イヴァノヴィッチ(72歳):年収約25億円
出典:bookwormsreadmorebooks.com 多彩な文学ジャンルを操るアメリカ人作家・Janet Evanovich(ジャネット・イヴァノヴィッチ)。彼女の年収は2100万ドル(約25億円)で、年収ランキングの第6位。代表作には、『ステッフィー・ホール』シリーズや『ステファニー・プラム』シリーズなどがある。72歳という高齢作家でありながら、本年度も3冊の著作を発表している。
第7位 J・K・ローリング(49歳):年収約23億円
筆者も小説は好きだが、いささか趣味が偏っているためか、かの有名な『ハリー・ポッター』シリーズの作者・J.K. Rowling(J・K・ローリング)氏が、女性であることを恥ずかしながら知らなかった。ましてや、こんな胸元のザックリ空いたドレスを着るようなセクシーな女性だとは……。
子供向け児童向け文学に分類される『ハリー・ポッター』シリーズだが、子供だろうと大人だろうと、誰でも知っている作品であることは間違いないだろう。本ランキング唯一のイギリス人作家である彼女の年収は、1900万ドル(約23億円)で、年収ランキングの第7位となっている。
子供向け児童向け文学に分類される『ハリー・ポッター』シリーズだが、子供だろうと大人だろうと、誰でも知っている作品であることは間違いないだろう。本ランキング唯一のイギリス人作家である彼女の年収は、1900万ドル(約23億円)で、年収ランキングの第7位となっている。
第7位 スティーヴン・キング(67歳):年収約23億円
by Chatham House, London第9位 ノーラ・ロバーツ(64歳):年収約22億円
出典:www.babelio.com 200作品を超えるロマンス小説を世に送り出してきたアメリカ人作家・Nora Roberts(ノーラ・ロバーツ)も、今では64歳となっている。ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラー作家リストに、通算861週ランクイン。アメリカロマンス作家協会に殿堂入りした初めての作家でもある。
第10位 ジョン・グリシャム(68歳):年収約17億円
出典:efemeridesliterariasmajo.blogspot.com 以上が世界の作家・年収ランキングベスト10人だが、表題のように第7位のJ・K・ローリングを除いて、その内の9人がアメリカ人作家という結果になっている。なぜこういった結果になったかという点は判然としないが、おそらくアメリカという国の持つ脚本家文化に起因しているのだろう。根強い脚本家文化は、優秀な作家の登場にも一役買っていると推察される。
また個人的には、10人中5人が女性だという点も新鮮であった。確かに文学に性差は関係ないのだが、ここまで男女の差異のないエンタメ業界も少ないだろう。
これからは、年収ランキングの2位・3位にランクインしたヤング・アメリカ人作家たちの活躍からも目が離せないだろう。年齢の差も、性別の差もない作家の世界は、まさに「アメリカン・ドリーム」が詰まっている世界だといえるだろう。
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