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女優であり、主婦であり、経営者。1000億円企業を生んだジェシカ・アルバの“スタートアップ学”

大倉怜士

2015/10/07(最終更新日:2015/10/07)


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女優であり、主婦であり、経営者。1000億円企業を生んだジェシカ・アルバの“スタートアップ学” 1番目の画像
出典:www.huffingtonpost.com

 2007年のFHM誌で「世界一セクシーな女性」の第1位に選ばれた女優・Jessica Alba(ジェシカ・アルバ)をご存知だろうか。世界的女優として栄華を極めた彼女も、結婚し、今では2人の子供を抱える主婦となっている。

 そんな彼女の今の肩書きはというと、実は推定時価総額10億ドル(約1,237億円)の会社を経営する女社長となっていたのだ。経済誌・フォーブスの2015年6月号でも表紙を飾るなど、経営者としてもその才覚を発揮。「才色兼備」とはまさに彼女のためにある言葉かもしれない。

 そこで今回はそんなジェシカ・アルバに注目し、1000億円企業を生み出したジェシカ・アルバならではの“スタートアップ学”をご紹介していこうと思う。

女優であり、主婦であり、経営者「ジェシカ・アルバ」

女優であり、主婦であり、経営者。1000億円企業を生んだジェシカ・アルバの“スタートアップ学” 2番目の画像
出典:picturesofastar.blogspot.com

 12歳の頃から女優としてのキャリアを始めたジェシカ・アルバは、その後も『ダークエンジェル』や『ファンタスティック・フォー』など、ハリウッド女優としても輝かしい経歴を辿ってきた世界的女優の一人だ。

 2008年には撮影技師のキャッシュ・ウォーレンと結婚し、2児の子供を持つママに。良き家庭人として、世界中の女性たちから人気を博している。

 女優と主婦。この二足のわらじを履きながら、彼女は1000億円企業を生み出したのだ。ブランド名を『The Honest Company』としたこのブランドは、4年前に立ち上げられ、主に家庭用品を扱っているブランドとなっている。

女優であり、主婦であり、経営者。1000億円企業を生んだジェシカ・アルバの“スタートアップ学” 3番目の画像
出典:connect.powertofly.com

 彼女が築き上げた純資産は、約3億4000ドル(約423億円)にものぼるといわれ、フォーブス誌が選ぶ「自力で財産を築いた、アメリカの最も裕福な女性」というランキングの39位にもランクインするなど、ビジネスウーマン界のカリスマ的存在になりつつある女性。それがジェシカ・アルバなのだ。

 女優として成功し、良き主婦であり、1000億円企業の経営者でもあるジェシカ・アルバ。謎の多い彼女は、如何にしてブランドを立ち上げ、ここまで急成長させることができたのか。そこにあるのは、ノウハウでもコネでもない、彼女の持つスタートアップ学だった。 

ジェシカのスタートアップ学「自分より賢い人を探せ」

 自社ブランド立ち上げの際、彼女がまず取り組んだこと。それは、自分より賢い人の意見を聞くことだった。自分よりも優れた経営者にプライドを捨て、助言を求めること。それが彼女の必勝法だった。

 Forbes(フォーブス)のインタービュー中、彼女はこのように語っている。

どこへ行っても、必ず自分よりも賢い人がいます。その人から学べることがあります。ビジネスウーマンにとって、助けを求めること、そして批判を恐れないことは必須です。

出典:1000億円企業を生んだ女優ジェシカ・アルバの経営哲学 | Forbes ...

 そして、人の話を聞くときは「その場で一番賢い人にならないこと」を心がけていたという。これは驕ってはいけないということだ。誰かの意見に対して高みの見物を決め込むようなことでは、柔軟な思考は生まれないのだ。賢い人の意見を高慢にならずに有り難く頂戴するその姿勢こそが、経営者の第一歩なのだ。

ジェシカのスタートアップ学「NoをNoで受け取るな」

女優であり、主婦であり、経営者。1000億円企業を生んだジェシカ・アルバの“スタートアップ学” 4番目の画像
by Gage Skidmore

 日本でも芸能人による飲食業界やファッション業界への進出は多い。しかし酷評するとすれば、それらの大半は「その人の」ブランドであって、当人の人気にあやかって売り上げを上げている場合が多いように感じられる。

 ジェシカによるブランドの立ち上げも、当初はそういった感覚で人々に考えられていて、反対の声も大きかった。事業計画書を見た人々からは、ジェシカの意に反し、主力商品をひとつに絞るべきだとも指摘されたという。 

自分がやっていることを信じなさい。何故なら多くの人はそうしないから。

出典:Founder's Stories With Jessica Alba and Brian Lee of The Honest Company

 ここで、彼女のスタートアップ学は発揮される。アドバイスを頂戴した上で、彼女は進んだ。アドバイスに耳を傾けながらも、「これは売れる!」という自分の直感を信じたのだ。実際のところ、ジェシカはこういった意見を受けて、主力商品を少なめに絞ったという。

 他人の意見を尊重し取り入れつつ、自分の直感だけはブラさずに持つ。それが自分のスタートアップ学であり、成功の秘訣だとジェシカは語る。

ジェシカのスタートアップ学「自分のため。それがニーズ」

 とはいえ、どれだけ良い商品を展開しても、それに対するニーズがなくてはビジネスにはならない。では、人々のニーズというものを、彼女はどのようにして判断したのだろうか。それに対して、女性誌『MORE』のインタビューでジェシカはこのように語っている。

I was creating a brand for me. I was the consumer.
私がブランドを立ち上げたのは自分のためよ。私はお客さんだったの。

出典:Jessica Alba: Billion-Dollar Baby | MORE Magazine

 二児の母として、子供のための生活用品を探していたジェシカ。しかし、そこには確実な安全性が表記された透明性の高い商品がなかったという。そう、彼女のブランド『The Honest Company』誕生の根底には、彼女の求めるブランド像があったのだ。

 それは同時に、アメリカ国中の主婦が求めるものだと考える。これには彼女のスタートアップ学が大いに役立っているのだろう。自分の信じたものを信じ、他人の意見も素直に吸収する姿勢。それが経営者としてのジェシカを成功に導いたのだ。
 

 女優・主婦・経営者として成功してきたジェシカ・アルバ。そこにある彼女のスタートアップ学については、男性であっても学ぶところが多いかっただろう。

 経営者に限った話ではない。仕事においても、自分の直感を信じること、そして他人の意見も素直に聞くこと。奢らずに、あくまで知識を頂く身分として。この三点を抑えておくことは、新しく何かを始める際、スタートアップにおいて欠かせないことなのではないだろうか。

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