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理系にしか出来ない転職を! 理系転職者だけが持てる武器:資格のススメ

中村麻人

2018/08/23(最終更新日:2018/08/23)


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出典:www.flickr.com

 能力や実力が目に見えにくい文系と比べると、理系は『技術』という形で企業が欲しがるものを持っているわけである。そのため基本的に、理系の方が労働市場で競争力は高くなることが考えられるだろう。

 また、不景気になり企業の業績が悪化してしまった場合、まず企業が採用人数を減らす際は、文系出身者の多く集まる営業・管理部門から減らしていく。もちろん、理系出身の営業や事務も少しはいるかもしれないが、その逆はありえないため、理系の転職者が転職した後も安心できるとは言える。

理系は転職してもリスクが少ない

 少し前の研究になるが、2010年8月24日、京大経済研究所の西村和彦 特任教授らが「理系学部出身者と文系学部出身者の平均年収の比較調査結果」を発表し、理系の方が文系より100万円近く高いという結果が出た。

 また、その際に西村教授はJ-CASTニュースに対し、「理系は専門知識を持っている分、つぶしが効く。そのため転職の時も給与が下がりにくいといったことも影響しているのでは」というコメントを残している。

 ネット上の20代から60代まで1,632人の回答を分析したうえでのこのコメントには、説得力があると言えるだろう。

理系転職者が陥る“結論の罠”

 理系の転職者が、大学生活や就職してからの研究過程で行う一連のプロセスは、非常に無駄がなくスマートだ。

 まず、「おそらくこうだろうという仮説」を立ててみて、それを実証するために「どういった実験を行えば良いかを計画」する。

 そのうえで理系の転職者は「実際に実験をしてみて」データを集計して、集計したデータを今度は「分析」をして、そのデータから「結論」を導き出す。

 こうしたこの一連の行動からもわかるように、理系の転職者は問題解決のプロセスに非常に慣れている。ビジネスのシーンにおいてもその案件に対応した問題解決プロセスをしっかりと組んで対応しやすいため、有利と言えるのだ。

課題解決に尽力できても“結論”を出すことができない

 しかしどんなに優秀で、問題解決プロセスをしっかりと組める理系の転職者でも陥ってしまう落とし穴がある。

 それは、課題を与えられたり見つけることはできて、解決に向けて尽力もするものの、いつまでたっても結論を出せないという落とし穴だ。

 どんな理系の転職者かと言い換えれば、結論が「現時点では結論を出すには早々」という結論になってしまっている理系の転職者のことである。

 これのどこが問題かというと、例外の事例や色々なデータ不足や複数の要因を考え過ぎて、分析は完結していない……というジャッジをし続けることで、ビジネスのゴールを読めなくなってしまうからだ。

 データを物事の真理として見てしまうがために、ビジネス上の判断材料としてデータを見れなくなってしまえば、ビジネスの世界で遅れをとってしまうのは明白である。

 そうならないためにも問題解決プロセスはしっかりと組んだうえで、自分なりの結論を出せる理系転職者である必要があるのだ。

【おすすめの武器】理系転職者が持つべき資格一覧

【理系転職者必見の資格】基本・応用情報技術者

 主にはクライアントの課題を解決したり、設計・開発を行いシステムを構築する仕事を担う、IT・情報処理に関する技能を証明する資格であるが、実はこの理系資格が無いとできないという業務はない。

 しかし、転職の際には有利になったり、働き始めてからも手当がついたりすることが多いようだ。ソフトウェア技術者、制御エンジニア、組み込みエンジニア、Web・ITエンジニアなどへ幅広く転職先があり、理系業務の応用が効くのも特徴である。

 また近年はIT系の企業の多くで、新入社員にこの基本情報技術者を取得するよう奨励するところも増えているようで、注目度も高まっている。

 そしてこの先には基本・応用情報技術者の上位理系資格群である、高度試験(情報処理技術者)があり、さらに分野ごとに細かく資格が分かれている。

【理系転職者必見の資格】電気主任技術者(電験)

 電気工作物の運用・監督を行うための理系資格で、第1種から第3種まであり、それぞれで扱える範囲が異なる。

 主にビルや工場の高圧電気の管理・保全をするための理系資格であり、高電圧を扱う設備や施設が存在すると必要になるだろう。

 そのため、電力会社、放送会社(設備)、鉄道会社、大規模工場、大型ビルなどの転職先において需要がある。

 また電験3種までとっていれば、その資格を活かして将来的には独立することも十分可能であるため、非常に夢がある理系資格であるとも言えるのだ。

【理系転職者必見の資格】無線技術士・無線通信士

 いわゆる無線設備(放送・通信設備)の操作、運用、監督を行う理系資格であり、総合・陸上・海上・航空無線通信士といったさまざまな種類が存在する。

 無線を扱うには必要なため、放送、通信、航空、警察、消防、タクシーなどなど、無線設備を持つ会社では必要な資格だ。

 気象庁などでも必要となるため、所持していれば幅広い転職先を視野に入れられる。

【理系転職者必見の資格】電気通信主任技術者

 電気通信設備の運用、監督を行う理系資格で、資格には「線路」と「伝送交換」の2種類がある。

 主には電話会社、情報通信会社、ガス会社や警備会社など電気通信回路を使用している転職先で必要とされる理系資格である。

 また企業によっては、電気通信主任技術者の理系資格を持っていることで、手当てがつくこともあるようだ。

【理系転職者必見の資格】技術士・技術士補

 研究者ならば博士、技術者ならば技術士と言われる、いわゆるエンジニアにおける最高理系資格だ。

 分野は、まるで大学の学科のように細かく分かれており、まずは技術士補を取得し、実務経験を積んだ後に技術士の試験を受けることができる。

 この理系資格の所持者は他の国家資格を取ろうとする場合、その試験の全部、又は一部が免除されるということからもわかるように、技術者倫理にも精通し、社会的な使命や責任を自覚した、社会から信頼される技術者であると言えるだろう。

 こうした様々な資格をとっておけば、もともと転職に有利な理系の中でもさらに頭ひとつ抜けることは間違いない。


 ここまで記事を読んでくれた理系転職者なら、もうなにをやるべきかわかっているはずだ。

 文系にはない武器を持っている理系転職者には、ぜひ自分だけにしか出来ない仕事を見つけてほしい。



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