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コンサルタントに転職するにはタイミングが命。コンサル業界に転職する人に送るアレコレ

中村麻人

2015/10/13(最終更新日:2015/10/13)


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出典:www.flickr.com

 まず、職業としてのコンサルタントという言葉には大きな幅があり、コンサルタントの内包する仕事の内容も多岐に渡る。そのため広い意味では、実戦の中で企業の力を維持しながら、より良い状態へと伸ばしていくのがコンサルタントの仕事と言えるだろう。

 しかし、コンサルタントという仕事はそこから絞り込まれ、それぞれの分野に細分化されていく。その結果、マーケティングのコンサルタント、金融機関相手のコンサルタント、会社整理のコンサルタント、IT系のシステムのコンサルタント……という様に、得意な専門分野へと分かれていくことがコンサルタントは多い。この専門分野がはっきりしている人ほど、コンサルタントとしての実力があるとも言え、そこをピンポイントに改善していきたい企業からの依頼も集まるのだ。

転職にはオープンなコンサルタント業界

 もちろん、新卒の若者にノウハウを教え、ケーススタディをたくさん行い、イチからコンサルタントを育てることを得意とするファームもあるが……いわゆるコンサルティング業界の採用は、中途採用が主力だ。どの会社も新卒採用以上に中途採用を行っており、転職というアクションに対してはとてもオープンな業界である。

 そのため、もともとは他業界で働いていたコンサルティング業務未経験者であっても、コンサルタントの転職に成功する転職者も多く、言い換えれば様々な転職者にチャンスが開かれている業界であると言える。例えば、新卒で入った大手企業で働くうちに、社内の状況を個人的には「ぬるく」感じてきてしまった時。どんどん仕事を覚えて成長スピードを上げていきたいのに、自分で意思決定ができるのは10年くらい先だとわかってきてしまった時。こうした現状に満足できない転職者にこそ、コンサルタントに転職する価値はあると思われる。

タイミング命のコンサルタント転職

 コンサルに転職して成功するには、コンサルタントに転職するタイミングが重要だ。多くの転職者は、大学受験や資格試験などにおける発想の延長で「努力をした自分の能力や経験さえあれば採用される」という考えになりがちだが、中途採用の場合最も大切なのは「市況」と「相手のニーズ」がマッチングすることである。これはコンサルタントという職業に関わらず、転職というアクションにおける一般的な要点であるが、ただそうなるといつがそのマッチンするタイミングなのかということになってくる。通常、通年で採用があるのが中途採用なので、基本的には明確なわかりやすい指針はない。しかし、このコンサルタントの転職に有利なタイミングを推測することは可能なのだ。

 中途採用の場合、大まかな時期が決まっている新卒採用と違って、実施される時期に何らかの理由があることが多い。例えば「IT系周りのプロジェクトが多く受注できた」「企業組織のシステム組みの方面にコンサル分野を拡大したい」といった、中途採用を行う背景となる事情が生じていることが多いのだ。この場合、こうした背景と関連した能力や経験を持つ転職者を集中して採用することになるのは、至極当然のこと。もし同じ能力や経験を持った転職者でも、採用企業側がそれに当てはまる分野の強化を考えている時期に応募するのと……そうでない時期に応募した場合では、採用の確率には大きな開きが出てくる。

 そしてこのベストなタイミングでコンサルタントに応募するためには、採用情報の収集の時点から重要になる。まずは自分の能力や経験で「売り」になるものが何なのかを明確に把握して、次にはその「売りの能力や経験」を買ってくれる会社が現れないか、日々の採用情報の収集が必要だ。例えば表面的には同じ内容の募集でも、企業側の感覚で「なんとしても一定数を確保する」場合と「とても優秀な転職者がいたら採用しよう」という場合では採用率に天と地ほどの差があるので、募集をかけている期間や頻度などからも研究し見極めつつ、時には裏事情を知っていそうなエージェントなどにもコンタクトをとろう。コンサルタントに転職するためにはタイミングを逸せずに応募することが、最重要なのだ。

コンサルタント転職者の必須スキルは英語

 若くして転職する場合、経験はまだそこまで積み重ねていないとなると……問われるのはやはりスキルなのだ。もちろん転職者のコンサルタント適正もみられるが、それまで身に付けてきた具体的なスキルを一番問われるのである。では、その具体的なスキルの中でも、何が必要なのだろうか。

 例えば、最もコンサルタントへ転職しやすいと言われているのはSEの転職者であるが、それはIT自体やプロジェクトマネジメントに強ければ、IT系のコンサルタントとしての道が開けるからだ。また、システム構築やERPの導入を経て、クライアントの財務会計・人事・販売管理などの業務を遂行することによって、それらの特定業務に精通することができるのもSE転職者の利点である。強みのある業務領域を活かして、上流の業務改革コンサルタントへ転進が可能なのだ。しかし、これはIT系の分野からのコンサルタントに転職という狭い視点である。では広い、多くの分野を総合的に考えた場合にコンサルタントに必要な転職者のスキルとは一体何なのだろうか。

 それは転職者の英語力である。少子高齢化が加速し、内需縮小が避けられない我が国日本にあって、企業は今後の成長エンジンを海外に見出さざるを得なくなっている。それはイコール、企業を支援するコンサルタント自身がグローバルに活動できなければそれこそ話にならない、ということに他ならない。


 転職者は職務経験は日々積み重ねつつ、コンサルタントに転職するために自分の職務における専門的なスキルと英語力を身に付ける。そして、その自分の強みを理解した上で、然るべきタイミングでコンサルタントへの転職というアクションを起こせば、自ずと成功の道は開けるだろう。

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