ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。「堀江貴文のQ&A vol.545〜シナジーは危険!?〜」では、ビジネスで話題になることの多い「シナジー」のデメリットをホリエモンが語った。
今回取り上げた質問は、「これからの飲食業のあり方についてご意見お願いします。近年の飲食店は3~5年で店を閉めたり、地方に至っては寿命の長い店はあるものの、生活していくためにとりあえずやってる感がかなりあります。
最近は、ITの会社が車を作ったり、違う業界と違う業界が経営統合しています。コンビニの味と品揃えのレベルもかなり上がり「ちょい呑みスペース」や「宅配」、「ファミレス呑み」もあり、競争が熾烈化しています。凄いスピードで業界間の境がなくなり、買収や統合が盛んになりコングロマリット(複合企業)化しているように思います。
私が運営する飲食店は私自身も調理が出来るわけではなく専門店でもなければ、バリバリの職人を雇うのではなく、どこにでもありそうなダイニングバーです。飲食業がシナジーを起こせるような別の業界はなんだと思われますか? そしてこれからの飲食業に必要なものはなんだと思われますか?」という質問。
シナジーは言い訳になってしまう!?
ホリエモンは、「なんで本業の飲食で勝負しないのか……。普通にクックパッドとか見たらおいしい料理をたくさん作れそうな気がするけど。今の時代、食べログのようなオンライン飲食店ガイドがあるし、個人経営の店は自分の裁量で労働時間を選べるのでチェーン店より有利なはず。
美味しい店は見つけやすくなっているので。なのに、他の業界とのシナジーとか考えている時点で終わっている……」と回答。
今回のゲストでLiNK-UP株式会社などの創業者 小田吉男氏は、「コングロマリットで成功している大企業は、そもそもシナジーなんて考えていない!」と断言する。ビジネス誌などで成功の法則として取り上げられやすいシナジーだが、小田氏はシナジーという概念の危険性を指摘する。
それは、シナジーがしばしば事業失敗の言い訳になってしまうことだ。例えば、肝心の売り上げが上がらなくても「片方の要素では改善しているから」などと細部を見て自分を慰めてしまう。
本業とは別の要素を取り入れるシナジーは、確固とした目的意識がなければ余計な要素のせいで本質を見落としてしまうことになる。成功している企業は、シナジーを目的にしていたのではなく、本質を突き詰めた結果として他分野を取り入れたのだ。
ホリエモン「そもそも『どこにでもありそうな飲食店』なんてなぜやるんだろう?」
ホリエモンは、「そもそも、『どこにでもありそうな飲食店』をなんでやっているんだろう」と質問者の姿勢を批判。大したことないと自覚している事業をやり続けること自体、ホリエモンからすれば理解不能のようだ。
飲食店ならば、異業種の取り入れを考える前にただ美味しい料理を提供すべき。「今ならクックパッドを見ればいくらでも良い料理が出せるのに」と簡単な努力すらしないことを疑問視している。
今回の質問者は、シナジーという流行りに気を取られて飲食店の基本である美味しい料理を提供するための努力をしていないように見える。最近は食べログなどもあるので、料理が良いだけで話題になる可能性だって十分にあるだろう。
ホリエモンが、「やる気のない店を見るたびに、『この人たちは、なんでこんなことを続けられるんだろう』と思うんだよね」と言うように、自分でもやる気が出ないようなことならやらないほうがまし。
まずは、とにかく自分がやりたいことをやるのが大前提。シナジーさせるネタを探すのではなく、自分の理想を実現させる道を考えるのが、結局は成功への最短ルートということなのだろう。
ホリエモンが事業成功の大原則を語った「堀江貴文のQ&A vol.545〜シナジーは危険!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
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