仕事をしていれば、誰でも多かれ少なかれストレスを感じるものだ。業務に関するものであったり、人間関係であったり、人によって仕事からくるストレスの種類は様々だが、強いストレス下に長時間さらされていると深刻な病気を引き起こしかねない。
非常にタフで自信家の人が、仕事からくるストレスによって突然長期休養せざるを得なくなったというケースは往々にして起こりうる。ストレスとは闘うのでなく、上手く共存していくことが大切。このストレス社会を生き抜いていくためには、「強い心」よりも「しなやかな心」を持ち合わせておく方が有効なのだ。
いつあなたの身に降りかかるかわからない、仕事でのストレス症状。手遅れになる前に、対処法を知っておくべきだ。
ストレスのセルフチェックをしてみる
仕事のストレス下に長時間さられると、脳の機能が低下し、正常な判断を下しにくくなる。ストレスで正常な判断が下せなくなった結果、更なるストレスからくる重い症状を抱えていることに気付かず、知らぬ間に深刻な症状を引き起こすケースがある。仕事のストレスが深刻化する前に、自分はどの程度ストレスを抱えているのか把握しておくのが重要だ。
近年では会社でストレスのセルフチェックを行う場合もあるが、時折自分でもストレスのチェックをしておくとよい。ストレスからくる症状として、胃潰瘍や円形脱毛症といったはっきりした症状であれば治療方法もわかりやすいが、「体調が少し優れない」という漠然とした症状こそ、見えない分やっかいである。
単なる体の不調だと思っていた症状が、実はストレスからくる症状ということもある。下記のリストに含まれる症状に当てはまるなら、少し注意してもらいたい。
① 寝つきが非常に悪くなった
② 前にできていた仕事ができない、以前より仕事に時間がかかる
③ 映画を見たり音楽を聴いたりすることをやめてしまった
④ 家族などから最近自分が変わったと指摘される
このリストの中でも、③と④は特に有効な身体の危険サインである。この2つは、ストレスによる脳機能の低下を示している可能性が高いからだ。知らず知らずのうちにそれまで行っていたリラックス方法をやめていたり、奇妙な行動を取り始めたりしていると、ストレスのによる危機的な状況の一歩手前ということがあり得る。
リラックスする時間を取らなくなったり、家族から「最近身なりがだらしなくない?」などといった何気ない指摘を受けたりしたときは、少し立ち止まって自分のストレス状態を見直してみることをおすすめする。
ストレスの原因を探る
出典:www.dantes.doded.mil 仕事のストレスといっても、その原因には様々なものがある。業務の複雑さなのか、人間関係なのか、仕事環境なのか、原因を探らなければ対処はできない。
ストレスの原因を突き止める際に重要なのは、自分で把握できていないストレスの悪循環を捉えることである。例えば、複雑な業務がこなしきれず、同僚に迷惑ばかりかけている。そのことで人間関係が悪くなり、さらに仕事がやりづらくなる。こういった悪循環を一度整理し、大きな問題がどこにあるのか把握するのだ。
仕事にストレスを感じている場合でも、周囲の人に話すことに抵抗のある人もいるだろう。特に男性には、仕事のストレスを率直に話すことができないという人が多い。しかし、自分一人で仕事のストレスの原因を探ろうとしても、当事者である自分には事態が複雑すぎて把握しきれないことがある。冷静に状況を見てくれる第三者の存在が必要だ。
ストレスの相談相手には友人が良い存在だが、プロのカウンセラーなどに相談するのも有効な手段だと覚えておいてほしい。心療内科などと聞くと身構えてしまいがちであるが、近年では心療内科がより一般的になってきている。ストレスの相談に乗ってもらうために予約を入れたくても、利用者が多く予約が取れないほどだ。
ここで大切なのは、そのカウンセラーがどういったストレスの治療方法、もしくは相談をメインとしているかである。中には薬によるストレス症状の治療を主としているところもあり、そうした場所では会話を通じて症状の治療をしていくという対応は取られないことが多い。
ストレスと向き合う
仕事のストレスに耐え切れず、思い切り仕事環境を変えてしまうという人もいるが、これはあまりおすすめできない。一度仕事を休養するならともかく、新しい環境が更なるストレスをもたらす可能性の方が高いからだ。ストレスを感じたら仕事の環境を変えるのではなく、どんな環境下にあってもストレスと上手く付き合えるようになるのが大切である。
しかしながら、ストレスと真正面から向きあうことが、反ってストレスを生み出すことも考えられる。それならばストレスを上手く受け流し、どのようにリラックスした状態を作っていくのか考えよう。
ストレスの多くは自分の中から出てくるものだ。全く同じ仕事環境にいてもストレスを感じる人とそうでない人がいる。つまり、自分でストレスを生み出さないことも可能といえる。
そこで「~しなきゃいけない」「~じゃないといけない」といった脅迫的な考え方を無理矢理にでも切り替えて、「~したらおもしろい」「~して楽しもう」とポジティブに考えてみよう。例えば、「この仕事を2時までに仕上げないといけない」を「2時までこの仕事を楽しもう」と転換するのだ。そして、口に出してみる。実は自分の言葉は思っている以上に自分自身に大きな影響を与えており、口に出すことで、脅迫的なプレッシャーをプラス思考へ切り替えられるのだ。これを続けているうちに、自然とプラス思考で考えられるようになる。
おすすめのストレス解消法
出典:greatist.com 体を動かすことは、とても有効なストレス対処法である。ジョギングなどに出かける必要はなく、ちょっと遠くのコンビニまで歩いてみるといったことでも十分ストレスの解消になる。
仕事が忙しくて時間も取れない、運動も苦手という人には、簡単なヨガがおすすめだ。本格的にスクールなどで学ばなくとも、寝る前やテレビを見ているときなどにたった5分でもヨガをやるだけで、心を落ち着かせることができる。腹式呼吸を意識するだけでも心が落ち着くので、腹式呼吸を覚えれば時間や場所を問わずどこでもストレス対処ができる。
仕事からくるストレスの症状には、目に見えなくとも深刻な病気の種となるものがある。いつもしていたようなことをある日から突如やめてしまったり、普段との違いを周囲から指摘をされたときは、仕事でストレスを感じていないか振り返ってみよう。
もし仕事でストレスを感じている可能性があり、身体に症状があるならば、深刻化する前に必ず何らかの対処を取ってほしい。
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