- 目次
- +1.『私たち崖っぷち』(原書“Then We Came to the End” by Joshua Ferris)
- +2.“How to Get Filthy Rich in Rising Asia” by Mohsin Hamid
- +3.『白鯨』(原書“Moby Dick” by Herman Melville)
- +4.『崩れゆく絆』(原書“Things Fall Apart” by Chinua Achebe)
- +5.“A Hologram for the King” by Dave Eggers
- +6.『ドン・キホーテ』(原書“Don Quixote” by Miguel de Cervantes)
- +7.『なにかが起こった』(原書“Something Happened” by Joseph Heller)
- +8.『グローバリズム出づる処の殺人者より』(原書“The White Tiger” by Aravind Adiga)
- +9.『プラダを着た悪魔』(原書“The Devil Wears Prada” by Lauren Weisberger)
- +10.『蝿の王』(原書“Lord of the Flies” by William Golding)
あなたは「ビジネス書」というと、どのような作品を思い浮かべるだろうか。
ビジネスマンによく読まれているビジネス書の著者で、日本でも馴染みのある名前といえば、ドラッカー、マイケル・ポーター、ジム・コリンズ、クレイトン・クリステンセンなどが挙げられる。一方、小説ではどうだろうか?
小説、つまりフィクションでは、ビジネスについて学べることが少ないように思える。だが、リーダーシップや起業家精神、キャリア設計について学ぼうとしているとき、フィクションにこそ教えられることがあるのだ。
ここでは、リーダーシップや起業家精神が学べる海外の小説を紹介する。いくつかは翻訳版がないが、これを機に原書を手に取ってみるのもいいかもしれない。
1.『私たち崖っぷち』(原書“Then We Came to the End” by Joshua Ferris)
出典: Amazon.co.jp 不景気のシカゴの広告代理店で、リストラの危機にさらされる従業員たちの群像劇。全くそりの合わない同僚とでさえ親友になる方法を、鋭い洞察から教えてくれる。そして、困難な仕事の成し遂げ方も指し示してくれる。
2.“How to Get Filthy Rich in Rising Asia” by Mohsin Hamid
出典: Amazon.co.jp 億万長者の投資家クリス・サッカは、シリコンバレーにいるなら誰もがこの小説を読まなければならないという。東南アジアのスラムで育った男性が、逆境をはねのけてビジネスで大成功するまでの物語だ。
無一文から大金持ちになったという実話よりも、現実的に成功するために必要な野心を描いている。
3.『白鯨』(原書“Moby Dick” by Herman Melville)
出典: Amazon.co.jp 日本でもよく知られている古典作品。捕鯨船の船長のエイハブが、モビィ・ディックと呼ばれるクジラに執心し、身をほろぼしていく様子を船員のイシュメイルの視点から語る。
ちなみに、コーヒーチェーン「スターバックス」の名前の由来は、本作の一等航海士・スターバックであることは有名な話だ。
4.『崩れゆく絆』(原書“Things Fall Apart” by Chinua Achebe)
出典: Amazon.co.jp イギリスの植民地主義が広がるなかで、ナイジェリアのとある村の村長が、キリスト教宣教師の影響からコミュニティを守ろうと戦う物語だ。
強い指導者の在り方や、指導者の野心とグループの利益が対立したとき起こる問題を提起してくれる。
5.“A Hologram for the King” by Dave Eggers
出典: Amazon.co.jp 近年、アメリカで最も注目されている作家の一人といわれるデイブ・エガーズが著した、2012年出版の小説。不況のなか、自営のコンサルタントのアラン・クレイは、生活のためにサウジアラビアの王族に新技術を売り込む旅に出る。
6.『ドン・キホーテ』(原書“Don Quixote” by Miguel de Cervantes)
出典: Amazon.co.jp 16世紀のスペインの郷士であるドン・キホーテは、騎士道の物語に熱中しすぎた末に、自身を騎士だと思い込み世直しの旅に出てしまう。物語を通してドン・キホーテは起業家精神を体現し、障害が立ちはだかろうとも社会を良い方向へと導けることを示してくれる。
7.『なにかが起こった』(原書“Something Happened” by Joseph Heller)
出典: Amazon.co.jp 1974年出版の、米作家ジョゼフ・ヘラーによる小説。ビジネスマンのボブ・スローカムに“なにか”が起こり、彼の幸福に対する感覚がむしばまれていく。仕事上の成功が、必ずしも個人の充足につながるわけではないということを指南してくれるような物語だ。
あるハーバード・ビジネススクールの教授は、講義をとる前に学生にこの小説を読むように勧めているのだとか。
8.『グローバリズム出づる処の殺人者より』(原書“The White Tiger” by Aravind Adiga)
出典: Amazon.co.jp バルラムというインドの起業家が、インドを訪問予定の中国の首相宛ての手紙として、自らの人生を綴る形で物語が語られる。仕事と経済的な成功に対する欲求がどれほど強力なものであるかを、そして成功までの道のりがいかに長いものかを示してくれる。
9.『プラダを着た悪魔』(原書“The Devil Wears Prada” by Lauren Weisberger)
出典: Amazon.co.jp ジャーナリスト志望の新人が、悪魔のような上司のもとで奮闘する姿を描いた小説。
この小説の主人公のように、情熱や尊厳と魅力的な経歴、どちらを取るかの葛藤に悩まされたことのある人もいるだろう。読み終わる頃には、どんな困難な問題でも乗り越えられるような気になってくる。
10.『蝿の王』(原書“Lord of the Flies” by William Golding)
出典: Amazon.co.jp 1954年出版の、英作家ウィリアム・ゴールディングによる小説。飛行が機墜落し無人島に取り残された少年たちは、初めは生き残るために協力して過ごすものの、徐々に集団に亀裂が生じていき……。
リーダーとフォロワーの関係性、チームワークと個性のバランスのなかで生じる問題をありありと示してくれる。
「ビジネス書」というと堅苦しい本を思い浮かべがちだが、親近感を持って読める小説こそ真の「ビジネス書」だったりする。リーダーシップや起業家精神を学びたいのなら、身近なフィクションを手に取ってみてはいかがだろうか。
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