デジタルテクノロジーの目醒しい発展によって、市場価値が騰貴し続けているエンジニア職。しかし、エンジニアとしてのキャリアプランを分明に描けているだろうか?
そこでこの度、LINE前社長でスマホ向け動画メディア「C Channel」を立ち上げた森川 亮氏、スクウェア・エニックスでCTOを務めたのち、ライフイズテック執行役員CTOに就任した橋本 善久氏、iPad予約台帳アプリのトレタ CTO 増井 雄一郎氏などをゲストに迎え、“あの”サービスを作ったエンジニアに会えるイベント「DODA Tech Live <IT・Webエンジニアmeetup>」が9月11日(金)、12日(土)の2日間にわたって開催される。彼らの語る技術、組織論を吸収するとともに、エンジニアとしての“自分らしい”キャリアを嘱目して欲しい。
コミュニケーションインフラ“LINE”を創った男が描く「未来予想図」
「未来を描き、今を創ってきた男」といえば、この人しかいないだろう。LINE株式会社のCEOを退任したのち、新著『シンプルに考える』(ダイヤモンド社)を上梓、そして女子のための動画ファッションマガジン『C CHANNEL』をリリースした森川 亮氏だ。スマートフォンの登場に可能性を感じ、未来を描き、今のコミュニケーションインフラを創ってきた。そして、スマートフォン時代の新たなメディアカンパニーという未来を描き、今なお挑戦を続けている。
森川氏というと、プロデューサー的なイメージが強く、なぜエンジニアの未来なぞ語れるのだと疑問を持つ方もいるだろう。しかしその実、森川氏のキャリアはエンジニアとして始まっており、大学でもコンピュータ工学を専攻していた。大学卒業後、入社した日本テレビでは、コンピュータシステム部門のエンジニアとして、開発要件の策定から運用に至るまでのプロセスに参加していたという。森川氏も、「コンピュータが世界を変える」を直感的に信じていた一人なのだ。
そして、森川氏の描く未来予想図と謳っておきながら恐縮だが、森川氏は「未来は読めない」と語っている。インターネットの世界は、ご存知の通りあまりにも変化が早い。数カ月先のことすらも予想することが困難だ。そのため、LINEでは計画というものを発表していなかったそうだ。インターネット業界では、市場環境の変化によって、頻繁な計画の変更が余儀なくされる。そのため、シンプルな解決法として、計画を発表することをやめたのだ。しかし、未来は不確実だからこそ、可能性が無限大にある。そう、この「不安を楽しむ」べきなのだ。
そして可能性は、キャリアについても同様である。森川氏は、著書で「新しいことしかやりたくない」と語っている。大人になったあなたは、本来持っている理想に蓋をしていないか。真のキャリアは、まず理想に向き合って見つけてみよ。若かりし頃に持っていた理想を追い求めることはやめたのか? 既にあなたは、理由を色々つけて、守りに入ってしまったのか? あなたの可能性を自分自身で削ぎ落とす前に、今の自分を大切に生きてほしい。
エンジニアからキャリアをスタートさせ、起業家として自らの理想を実現している森川氏のように、不確実性のある未来を見つめ、可能性を見出したければ、森川氏の講演と共に、あなたの理想が詰まった「未来予想図」を描いて欲しい。
プログラミングを「楽しくする」ことに心血を注ぐ男が語る、7つの大切なマインド
シリーズ全タイトルの世界累計出荷本数が1.1億本を超えており、日本を代表するゲームシリーズの一つである『ファイナルファンタジー』シリーズ。ファイナルファンタジー、通称FFのゲームエンジン開発のプロデューサー兼ディレクターを務めていたことで知られるのは、スクウェア・エニックス元CTOの橋本 善久氏だ。現在は、中高生向けプログラミング教育を行うライフイズテックのCTOを務めている。
Life is Tech !(ライフイズテック)は、中学生、高校生のためのプログラミング・ITキャンプ/スクールだ。リアルな場を通して、参加者に学ぶ楽しさや作る楽しさを感じてもらうことを目的としている。そして、次のフェーズとして、リアルな場では実現できない継続的な学習のサポートとしてオンラインでのプログラミング教育を目指しており、その推進の役割として「エンターテインメント×テクノロジー」に強い橋本氏が参画を決めた。
そんなプログラミング教育を通して「楽しい」を伝える橋本氏は、エンジニアとして働いていくにあたり視野の狭い「井の中の蛙」になるなと警鐘を鳴らしている。そこで、今年3月にLife is Tech !の主催で行われた教育とテクノロジーの祭典「Edu×Tech Fes 2015」内での橋本氏の講演から、働く上で「井の中の蛙」にならないために大切な7つマインドをお伝えしよう。
「井の中の蛙」にならないために大切な7つマインド
1.終わらせる勇気を持つ
この図は、完成度曲線というもの。横軸が時間で、完成度が縦軸、緑の線は実際の進捗の物量となっている。オレンジの線がアウトプットとしてどう見えるかというところで、比較的慣れている案件は大体すぐに垂直に上がり、あとは調整だけで完成する。しかし、挑戦がやたら多い案件は、一生懸命頑張っていても傍から見ると全然できているように見えない。
上記の理由から、慣れている案件だと比較的安全で、慣れていない案件だと危険となるのだ。
また、終わらせる勇気を持つというのも大事で、終わらせてしまうということは自分の能力そのものと向き合うことになり、それが怖くて課題をあげられないということもあるが、やはりしっかりと終わらせるという勇気を持たなければいけないのだ。
2.ちょっとしたことで信頼を積み重ねる
例えば、「あんぱんを買ってきてくれ」というお願いがあった際に、「あんぱんを買ってくることで役に立ててうれしいな」と思えるのかというのが大事である。ちょっとした期待に対して、いかに大きくして返せるのか。ここで「あんぱんを買う」ということすらちゃんと返せないと、例えば次に「コピー取ってきてくれ」ということすら頼んでもらえないかもしれないのだ。
「僕はそういう仕事をしに来たんじゃない」と思うかもしれないが、そういう人はもったいない。あんぱんを買うことすらスムーズにこなせない人に、もっと大きな仕事は頼めない。こういった小さな期待をちゃんと積み上げていると、人は自分が思っている以上にあなたのことを見てくれている。誠実に物事を進めて、信頼を積み重ねることが大事である。
3.言葉から行動まで、全てポジティブに
次は、ポジティブなスパイラル、ネガティブなスパイラルという話。挨拶をした時に、自分が相手と気まずいから挨拶をするというネガティブな理由と、挨拶をすることで相手が気持ち良くなってくれることがうれしくて、自分もうれしいから挨拶をするというポジティブな理由のどちらなのか。表面上は同じでも実はかなり違う動機、行動原理で動いていることがあり、これは仕事でも一緒である。
エンジニアが有名になっていくケースで見ると、「何かおもしろいものを世の中に出したい」と無邪気な気持ちでやっていった際に、結果もついてくるということが、過去のいろいろな活躍されている方々を見て感じている。
上記のマザー・テレサの言葉にもあるように、思考や言葉に気をつけていくことが、結局自分自身の人生も決めていく。何を得られるかの前に、何を与えられるかを考えていくべきであるのだ。
4.好きなことにがむしゃらに
何かをその分野でやり遂げるという意味では、好きなことに対してとにかくがむしゃらになるということが大事。どんな仕事もクリエイティブでおもしろいと思うが、もし仕事がつまらないと感じているのであれば、もしかしたら自分自身の視点を変えたほうがいいかもしれない。
Tehuくんの「盲信して、猛進する」という言葉がいいと思っている。おもしろさに気付くというのは、想像力を磨き、目の前のおもしろさに気付くこと。とにかく自分を信じて、その結果も信じてガンガン行く。
5.ゴールを明らかにし、計画をする
あとは、段取り。あまりにも当たり前のことだが、できない人が多い。例えば、犬小屋と超高層ビルを作る際、絶対に同じ作り方はしないだろう。しかし、小さいソフトウェアと大きいソフトウェアを作る時では、同じ作り方をすることがすごく多いのだ。
無計画に歩き、順調と思い続けるために調査もしないでいくと、順調に見えていても最後はゴールに到達できなかったというケースがよくある。しかし、ゴールを明らかにし、調査をあらかじめしておくことで手を抜かず、遠回りもせずに済むみたいなこともあるので、気をつけるべき。
6.相手の心を想像し、おもてなす
あとは、「おもてなし」が大事である。例えば、ベイマックスがすごくいい例で、ベイマックスが飛ぶ際に、主人公のヒロ君が背中に乗っかるシーンがある。そのときに磁石でペタペタと、手と足がくっつくというシーンをわざわざ見せてあげるというおもてなしをしている。普通は飛び乗ってビューンと飛び上がっていくが、振り切れて落ちちゃうのではないかと見てる側が心配してしまい、外国人はそういったことを気にする人が多いようだ。
相手の心の中における作用を想像して、一個一個のアクションをしていくことが重要である。
7.武器としてプログラミングを学ぶ
最後は、プログラミングを学ぶということ。プログラミングを身に付けておくと幅が広がり、どんな職種であっても、プログラミングを知っておくことでいろんな幅が広がり得る。
またプログラミングは、若くても、年を取っていてもできる。そうした意味でプログラミングをちゃんとやるということが人生の分岐点にもなり得るのだ。
社会の仕組みを知る手がかりとして、働く際の武器として、あとは人生の彩りとしてプログラミングを学ぶというのがおすすめである。
これらの橋本氏が語る、「井の中の蛙」にならないために大切な7つマインドをまとめると、下記である。
1.終わらせる勇気を持つ
2.ちょっとしたことで信頼を積み重ねる
3.言葉から行動まで、全てポジティブに
4.好きなことにがむしゃらに
5.ゴールを明らかにし、計画をする
6.相手の心を想像し、おもてなす
7.武器としてプログラミングを学ぶ
数々のエンジニアと開発現場を見てきた橋本氏だからこそ語れる至言の数々だろう。プログラミングを、そしてエンジニアの仕事を「楽しくする」ことに心血を注ぐ橋本 善久氏の言葉を、是非直接聞いてみて欲しい。
「未来を描き、今を創ってきた男」・森川 亮氏
プログラミングを「楽しくする」ことに心血を注ぐ男・橋本 善久氏
当日は、この二人の講演を聞き、これからのエンジニアはどうあるべきか、そして、自らはどうあるべきかを再考して欲しい。また森川氏の講演には、モデレーターとして特別に橋本氏も参加するとU-NOTE編集部は耳にしている。この二人のそれぞれの講演だけでなく、二人で起こす化学反応も、楽しみにしていただきたい。
その他にも、iPad予約台帳アプリのトレタ CTO増井 雄一郎氏、クラウド名刺管理サービスを運営するSansan事業部 開発部長 藤倉 成太氏、ファッションコーディネートアプリiQON(アイコン)のVASILY CTO今村 雅幸氏の3名によるセッション「CTOが語る!ヒットサービスを支える技術選びと強いチームの作り方」、ビットコイン決済を提供するCoinPass 仲津 正朗氏による講演「非中央集権型クラウドコンピューティングプラットフォーム『Orb』が目指す未来のIT社会」、ビッグデータ分析のクラウドサービスを提供するトレジャーデータ 田籠 聡氏による講演「これからのビジネスの主役はエンジニア」など、業界を代表する著名エンジニアが集う。最新の技術とキャリアが交わり、未来を創りだすこのイベント、是非ご参加いただきたい。
エンジニアの“自分らしいキャリア”が見つかるイベント「DODA Tech Live」
日時:2015年9月11日(金) 14:00~21:00・12日(土) 11:00~18:00
会場:渋谷ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷2丁目21-1)
会費:無料
同時開催:IT・Webエンジニアmeetup/モノづくりエンジニアLab
IT・Webエンジニアmeetupプログラム
“あの”サービスを作ったエンジニアに会える!
「未来予想図 ~IT/Web業界とエンジニアのこれからとは?」
C Channel 代表取締役社長 森川 亮氏
「非中央集権型クラウドコンピューティングプラットフォーム『Orb』が目指す未来のIT社会」
CoinPass 共同創業者 兼 CEO 仲津 正朗氏
「これからのエンジニアの働き方 ~職場・キャリア・スキル・やりがいを考える~」
ライフイズテック CTO 橋本 善久氏
「CTOが語る!ヒットサービスを支える技術選びと強いチームの作り方」
トレタ CTO 増井 雄一郎氏
Sansan事業部 開発部長 藤倉 成太氏
VASILY CTO 今村 雅幸氏
「これからのビジネスの主役はエンジニア」
トレジャーデータ ソフトウェアエンジニア 田籠 聡氏
「テクノロジが金融をより身近にする ‒ ZUUが目指す世界」
ZUU 開発本部 Senior Manager 浅野 隆文氏
「話題のマッチングサービスの裏側」
ネットマーケティング システム開発本部 執行役員 兼 システム開発本部長(CTO) 柿田明彦氏
DeNA・レコチョク・日本マイクロソフト・Cygames・COMPASS・富士フイルムメディカル・UNCOVER TRUTH・Retty・プライスウォーターハウスクーパース・セーフィーなどの企業のエンジニアも参加
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