あなたの周囲には、「陰口」や「嫌がらせ」、「しつこい」などの理不尽な攻撃をしてくる面倒な人間はいないだろうか。
友人関係であれば、容易に縁を切ることも出来るが、職場となればまた話は別。面倒な同僚に対しても、上手く付き合い良好な関係性を保つのが社会人の常識だからだ。しかし、面倒な人と真っ正面から向き合っていると、自分の精神がやられて病気になりかねない。
今回は、精神科医であり、ベストセラー作品『他人を攻撃せずにはいられない人』を執筆した片田珠美氏の著書『賢く「言い返す」技術: 人に強くなるコミュニケーション』の中から、面倒な人から自分の身を守る護身術をご紹介する。
受け身な人は気をつけろ! 「ターゲットにならない」
まずは、自分自身が面倒な人に攻撃されるような「ターゲットにならないこと」が大事である。面倒な人は、この人は攻撃しやすいかどうかを判断してから迷惑行為を働いてくるからだ。攻撃されやすい人の特徴は、「周囲と上手くやっていきたいので、自己主張をあまりせず、常に受け身な人」である。つまり、一般的に「人がいい」と言われる人はターゲットになりやすい。
周囲と良好な関係を築くために、つい自分の意見をグッと飲み込んでしまうこともあるだろう。しかし、そればかりだと面倒な相手に自分を攻撃してくれとアピールしている。ときには、自己主張や理不尽な意見にNOを示す姿勢を表して、私は自分の意思を持っている人間だ、とアピールすることで事前防止ができる。ただし、自己主張のしすぎは自分が面倒な人に見られる可能性があるので要注意。
あの人は可哀想な人間なんだと考えろ! 「相手をスルーする」
細心の注意を払ったのにも関わらず、面倒な人のターゲットになってしまった場合は、迷惑行為が深刻化しないように、「相手をスルー」しよう。しかし、ここでのスルーとは無視を意味していない。仕事上で必要な言葉だけを受け止め、攻撃的で面倒な言葉は受け流そうという意味である。
また面倒な言葉をスルーするコツは、自分の感情を見せないように冷静に振る舞うこと。しかし中には、あまりに攻撃的な言葉にはらわたが煮えくり返ってしまい、冷静に対応できない人がいるかもしれない。そういったときは、「なんて可哀想な人間なのだろう」と思ってあげると良い。現に無意味に相手につっかかったり、傷つけようとしてくる人間は不幸な人なのだ。不幸な人を念頭に置きながら相手を見てみると、「何でこの人は攻撃をしてくるのだろうか」と一歩引いた冷静な分析・対応ができるようになる。
事態を表面化してしまえ! 「周囲を味方につける」
面倒な相手をスルーしているのに、攻撃がやまない。そうなったら、「周囲を味方につける」のが良い。重度の面倒な人間に対しては、無理に自分で対応しようとせずに、周囲に頼り、それにより気持ちが楽になり、かつ攻撃がやむ可能性が高い。大体の場合、面倒な人は相手を選んでいるので、こっそりとターゲットに攻撃をしかけている。そういった陰湿な攻撃を、周囲に分かるように表面化するのだ。具体的には、実際に受けている陰湿な嫌がらせを陰口はなく、相談という形で周囲に伝えるなどである。
周囲を味方につけるのは、面倒な人を孤独にしようとするいじめなようで気がひける人もいるかもしれない。しかし周囲を味方につけるのは、いじめという弱者への攻撃ではなく、自分の身を守る護身術なのである。自分が精神的に病んでしまう前に、周囲にSOSのサインを出していこう。
繰り返しになるが、「攻撃する人間は不幸な人」である。そんな不幸な人間に対して、頭を抱えて心を病んでしまうのは時間の無駄以外の何でもない。そんなことに時間を割くよりは、自分の好きな趣味や好きな人とのお話に時間を費やしていくべきだ。何より、自分が好きなことをして幸福になる。この幸福こそ最大の復讐なのだ。
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