ユニクロを運営するファーストリテイリングを始めとして多くの企業が週休3日制を導入しています。
本記事では、週休3日制というものが具体的にどういったものなのか、そして会社が週休3日制を導入するメリット・デメリットについてご紹介します。
週休3日制について知りたい人はぜひ参考にしてください。
- そもそも週休3日制とは?
- 週休3日制を導入するメリット
- 週休3日制を導入するデメリット
そもそも週休3日制とは?
衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング社が、2015年10月から一万人の一部社員を対象に週休3日制を導入することを決めました。
週休3日制とはその名の通り、週の休暇が3日になる制度のことです。日本では日本IBMが2004年1月に導入しているものの、まだまだ認知の薄い制度です。
週休3日制は週に3日の休みがありますが、それが固定された曜日なのか、変動するのか。また、何曜日にもらえるのかは、企業によって様々です。
たとえば、ファーストリテイリングは週休3日を「平日に」与える方針をとっています。
ユニクロはその性質上休日に店舗が混むため、休日には確実に出勤してもらいたい、というのが狙いです。実に「BtoC」の企業ならではの導入方法であるといえるのではないでしょうか。
一方で週休3日制を導入している日本IBMは、特に曜日の指定がなされていません。適用者の大半がエンジニア職なので、ファーストリテイリングほど曜日に対してこだわる必要がないためです。
総労働時間に関しても、企業ごとでわかれているのが週休3日制の特徴です。日本IBMは総労働時間も選べ、給与がその時間に反映して増減するシステムを導入しています。
一方で、ファーストリテイリングの場合は、4日ある就労日の勤務時間を8時間から10時間に拡張することで、週単位の労働時間を以前と同じように保っています。そのため、給料は週休2日制のときと変わらない額をもらえるのが特徴です。
このように、週休3日制は様々なカタチが存在しています。そしてその背景にある企業の思惑も、また同じように様々です。
週休3日制を導入するメリット
実施には踏み切らないまでも、週休3日制を導入したいと考えている企業は少なくないのではないでしょうか。また、週休3日制の会社で働きたいと思っている人もいるでしょう。
そこで、週休3日制を導入することで発生するメリットやデメリットについて考えてましょう。
労働者のメリット:単純に3日休める
労働者にとって、週休3日制を導入する最大のメリットは、単純に休みが週3日に増えることです。
休みが増えることによるメリットは、趣味の時間に当てられたり、子供と過ごす時間を増やしたりできます。また、勉強をして新しいキャリアを作ることも可能です。
空いた時間を好きなことに使えることが最大のメリットでしょう。
企業のメリット:クリーンな印象を与えられる
週休3日制を導入する企業のメリットとは、クリーンな印象を与えられることです。
週休2日制と週休3日制、どちらの方が労働環境がよさそうに聞こえるでしょうか。おそらく多くの人は週休3日制と答えるでしょう。
ファーストリテイリングのように、週の総労働時間を変えなくても、週休3日制によって印象をよくすることは可能です。
国全体のメリット:消費活動が活発になる
週休3日制を導入する国全体のメリットは、消費活動が活発になることです。
休日が3日になると、それだけ外に出る機会もおのずと多くなるのではないでしょうか。そのため、消費活動が社会全体で活発になります。週休3日制によって労働時間を減らすことが、かえって経済の回りをよくするのです。
週休3日制を導入するデメリット
上記でご紹介したように週休3日制のメリットが存在している一方で、週休3日制を導入することで生まれるデメリットも多くあります。
デメリットをしっかりと理解してから週休3日制を選ぶかどうかを決めることをおすすめします。
労働者のデメリット:実際に3日休めるかはわからない
週休3日制を導入する労働者のデメリットは、実際に3日休めるかはわからないことです。
今の日本社会で週休3日制を導入できていない最大の原因は、会社が回らなくなってしまうということにあります。
事実、週休3日制を導入したところでサービス残業や休日出勤が増えるだけなのでは、という声も多数上がっています。
週休3日制のメリットとやや矛盾しているように聞こえるものの、そんなに週休3日制はうまくはいっていないのが現状です。
また週休3日制によって3日休めたとしても、就労日の勤務時間が増え、労働としては厳しいものになるかもしれません。
企業のデメリット:他企業とのコミュニケーションが図りづらい
週休3日制を導入する企業のデメリットは、他企業とのコミュニケーションが図りづらいことです。
週休2日制は土日で固定されているため、企業間で共通認識が図れていました。事実、土日にメールをしても返ってこないのは当たり前、というような風潮が形成されています。
しかし週休3日制を導入すると、企業間の休日にズレが生じてしまい、コミュニケーションが円滑に図れなくなることがあります。そのため、仕事が進みにくくなって結果的に労働時間が増える可能性もあります。
国全体のデメリット:消費が滞る
週休3日制を導入する国全体のデメリットは、消費が滞る可能性があることです。
週休3日制による国全体のメリットで紹介したこととは真逆になりますが、休日が増えても消費は滞るのでは、という意見もあります。
総労働時間が減る企業の場合、それに比例して収入が減るのは当たり前です。
休日が増えたところで、使うお金がなければ消費のしようがなく、結果的に経済が回らなくなる危険性があります。
東京オリンピックに向け、週休3日制の導入企業が増える?
週休3日制がこれから導入されるのは、ファーストリテイリングに限った話ではなさそうです。週休3日制の導入を施策のひとつに掲げている理由は、「日本発の新たなライフスタイル、社会モデルを確立・発信」していくためです。
どこまで日本企業に浸透するかは不明ですが、成功すれば日本の「ブラックな」イメージを大きく転換させるきっかけとなるのではないでしょうか。
ファーストリテイリングの週休3日制導入は、そういった施策の「先駆け」となりました。
「日本発」とはいいつつも、既に週休3日制を「国単位で」導入している国はいくつか存在しています。オランダがその典型的な例です。
オランダでは「ワークシェアリング」という形を用いることで週休3日制を実現できています。ワークシェアリングとは文字通り、労働を分け合うことです。ひとつの雇用に対して複数人が入ることで、1人にかかる負担を減らしています。
もちろん1人当たりの収入も減ってしまいますが、その分の保障は政府が行っているため、企業は安心してワークシェアリングを行えるという仕組みです。
日本でのワークシェアリングの実現は現状難しいものの、週休3日制という制度のカタチにはこういったものもある、ということは覚えておいて損はないのではないでしょうか。
週休3日制の日本企業も増加、働き方を検討しよう
- 週休3日制は、何曜日に休みをもらえるのかが企業によって変わる
- 休める日数が多くなり、プライベートな時間が増えるのが利点
- 給料が安くなったり、実際には忙しくなってしまったりすることが欠点
本記事では、週休3日制というものが具体的にどういったものなのか、そして会社が週休3日制を導入するメリット・デメリットについてご紹介しました。
週休3日制で働きたいと思っていた人もいいことばかりではないことを知ってもらえたのではないでしょうか。週休3日制は企業によって異なる形を取っているので、自分の理想の働き方を追求してみてもいいかもしれません。
本記事を参考に、週休3日制の会社を選ぶのか決めてみてもいいのではないでしょうか。
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