2015年8月21日から30日までの10日間、芝公園にて、「オクトーバーフェスト2015」が開催される。今年もドイツのビールや食事、民族衣装などが集まり、芝公園をこれでもかというくらいに盛り上げる。オクトーバーフェストは、夏を締めくくるイベントとして今大人気だ。
言わずもがな、元々はドイツのお祭りで、日本では1977年に大阪で行なわれたのが初めてである。しかし、ここ最近で人気が急増し、2013年には来場者数が50万人を突破した。なぜ、ここ最近になってオクトーバーフェストがここまで人気になってきたのだろうか。
実はそんなに「ビール」が好きじゃない人もいる
オクトーバーフェストの大きな特徴として、ビールをメインに取り扱っているイベントだということが挙げられる。内容も、ドイツのいわゆる「本場」ビールを、そこそこのお値段でいただくようなものだ。これが人気の最大の理由であることに間違いはない。
しかし、オクトーバーフェストにいる人たちの一部は、ビールがそんなに好きではないという。サワーとか日本酒とかが好きだったり、正直アルコール全般あまり好きではないなんて人もちらほら。オクトーバーフェストの面白いところは、こういった人たちにも人気があるということだ。
では、そういった人たちはなぜ、オクトーバーフェストにわざわざやってきているのだろうか。好きでもないビールに対してだけに、4~5,000円もかけてオクトーバーフェストに参加しているというわけではなさそうだ。
オクトーバーフェスト特有の「お祭」感がウケている
出典:ja.wikipedia.org オクトーバーフェストの人気の理由は、もちろんビールだけにとどまらない。様々な民族衣装を着たウェイトレスや、広場で奏でられている音楽など、会場全体がまるで「お祭」のような空気感を醸している。
ビールがあまり好きではない人にもオクトーバーフェストが人気な理由、それはこのような「お祭」感が好きだからである。周りの雰囲気に合わせて騒ぐことで、日ごろのストレスから解放されたいのだ。実にストレス社会の日本らしい。よくよく考えてみると、オクトーバーフェスト以外に大の大人がお酒を飲み踊り騒げる場所など、あまりないのかもしれない。
加えて、オクトーバーフェストには様々な国籍の人が訪れるため、どことなく「異文化」に触れ合えている感じがする。実際に外人と話すかどうかはともかく、異国情緒が感じられることで、うまい具合に現実逃避を実現しているのだ。一体、日本人はどれほど日常から解放されたいのだろう。あまり考えたくはないが、とにかくそういうことだ。
どことなく「文化祭」に似ている……?
メインの目的は正直ないけど、楽しそうだから行く……オクトーバーフェスト以外にも、こういった体験を「学生時代」に経験している人は多いのではないだろうか。そう、文化祭である。
別にその学校の文化を学びに行くわけでもなければ、全力でナンパをしに行くわけでもない。大体の人は、祭好きだしとりあえず行ってみるか、そんなノリで文化祭に足を運んだ経験があるだろう。そして同じノリで、オクトーバーフェストにも足を運んでいることだろう。文化祭とオクトーバーフェストが誇る人気の本質は、ただワイワイやりたい、なんて部分で共通しているのかもしれない。
友達に連れられて……という人が大半
とはいえ、オクトーバーフェストに参加する人たちの中で一番多いのは「本場の味を体感してみたいから」という人たちだ。そして、その人たちは大抵、友達を連れてくることが多い。その中には、ビールが好きなわけでもなければ、そこまで現実逃避をしたいわけでもない、なのに連れていかれた……という人もいる。
オクトーバーフェストに一人で参加できる人は強い。これだけの「お祭」感があるオクトーバーフェスト、一人での参加者からすれば「排他的」とすら感じてしまう。そのため、「行きたい」と感じている多くの人は誰かを誘いたくなってしまう。こうして連れてこられた人は、あまり深く知らないままオクトーバーフェストへと迎え入れられるのだ。
このあたりも先の「文化祭」と同じような現象だが、要はオクトーバーフェストに来ている人というのは、本心から参加したい人ばかりではないのだ。オクトーバーフェストの人気は全てが本心で構成されているわけではない。ちなみにそういう人に限って、金額を知らないまま会場に入り愕然とするパターンが多いので、オクトーバーフェストに人を誘う時にはしっかりと金額を伝えることをオススメする。
少しオクトーバーフェストを斜に構えるような形になってしまったが、大前提としてオクトーバーフェストは楽しい。楽しくなければ人気など出るはずがないのだ。まずは一度オクトーバーフェストに足を運び、本場のビール、本場の賑わいを体感するのがいいだろう。今年のオクトーバーフェストも、人気が途絶えることはなさそうだ。
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