人が幸せを感じることが出来るのは、幸せが訪れる前に苦痛を味わったからである。もし、苦痛さえも楽しむドMになることが出来たら、その人は人生においてずっと幸福を味わうことが出来るだろう。
本書『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』では、そんな幸せなドⅯになるための不幸の楽しみ方が紹介されている。本書のアドバイザー、ブラックガネーシャは、苦痛を楽しむことで筋骨隆々の体を手に入れた。ここで紹介することは、苦痛を楽しみながら物事をマスターするための「手順」だ。
エゴにまみれた本音の欲求を知る
by illusionwaltz ガネーシャによれば、自分の心の奥底にある本音の欲求に従うことで、自分の能力を最大限に発揮できるという。逆に、本音では望んでいない外から押し付けられたものには、頑張ろうとしてもやる気が出ないのだ。だから、なにかをマスターするときは、その動機を明確にすることが不可欠で一番重要だ。
そして、この欲求はエゴに近ければ近いほど本音の欲求に近く、最大限の能力を発揮することが出来るのである。例えば、「親がうるさいから勉強する」という他の人から強制された理由で勉強したときと、「おこづかいの金額が増える」「他人を見下したい」などのエゴに近い欲求に従い勉強したときの成績の伸びは全く違うのだ。
もし、この欲求が見つからないときは今までやったことがないことをやる、会ったことのない人に会う、欲しいものを探す、などのことをガネーシャは勧めている。そうすることで「ああ、自分はこういう風になりたい」「これを手に入れたい」と強く思うようになり、欲求を高めることができる。
「自分」を捨てて「プロフェッショナル」になる
なにか新しい物事をはじめるとき、人はまず一番最初に「自分のやり方」を試すことが多い。だがこのことが原因で、物事を成し遂げられないことが多いとガネーシャは指摘する。まず大事なのは、「成功している人のやり方を調べる」ことだ。
歴史は繰り返すという言葉があるように、人は皆同じようなものを手に入れようとして、同じようなところで躓いて、同じような方法で乗り越えていくのだ。だから、まず最初にうまくいった人がどうやったのかを知らなければいけない。世界最大のスーパーマーケットチェーン、ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンはこう語っている。
上手くいってる人のやり方を知っても、実行に移さない人がほとんどだ。その理由は、「この考えは自分に当てはまらない」「そんなやりかたでうまくいくはずがない」と自分で勝手に判断してしまうことが原因だとガネーシャは指摘する。まず前提として、自分のやり方を捨てることが何かをマスターするためには不可欠だ。
マイケル・ジャクソンはどうしてプロフェッショナルになれたか?
ダンス界のスーパースターであるマイケル・ジャクソンは、まだ劇場で前座をやっていたころ埃まみれのカーテン袖から、ファンクの帝王であるジェームス・ブラウンのステージをよく観察していた。ジェームスのステップやターン、腕の組み方やマイクの持ち方、なにからなにまで脳裏に焼き付けてそれを完璧に真似したのだ。天才でさえも、まずは「自分」を捨てて「プロフェッショナル」の真似をすることからはじめているのだ。
「中途半端」から「極端」に
出典:www.wpr.org 適度に休憩を取った方が作業効率はあがるということは、一般的に誰もが理解していることだ。だがガネーシャは、適度な休憩をとることが「中途半端」だと指摘している。なにかをマスターしたいと思ったら、空いた時間はすべてその時間に使う勢いでいかなければいけない。極端な意見だが、むしろその「極端さ」が必要だとガネーシャは主張する。
『魔笛』を作曲したモーツァルトは、6歳のころから宮廷演奏家としてヨーロッパ中を回っていた。その移動中の馬車でずっと作曲をしていたのだ。後世に残る名曲は、この馬車の上で構想が練られたものがほとんどであると言われている。「極端」にすることは難しく見えるかもしれない。だがガネーシャによれば、慣れることさえ出来れば、その作業をしないと落ち着けない状態を作りだすことが出来るらしい。
ここで紹介されたことを実行し、なにかをマスターすることが出来れば、成功するドMに近づくことが出来るだろう。今回紹介したこと以外にも、様々な苦痛の楽しみ方が本書では紹介されている。成功するドMを目指すならば必要不可欠な一冊だ。
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