サッカー日本代表MF遠藤保仁。今年5月に日本代表国際Aマッチ150試合出場を達成し、自身の持つ日本内での記録をさらに塗り替えた。この他にも、10年連続Jリーグベストイレブンに選出されたり、2009年にはアジア最優秀選手賞を受賞したりと、その経歴はとても輝かしいようにみえる。
しかし、そんな遠藤保仁もたくさんの挫折を経てここまで至った、いわゆる遅咲きの選手であった。黄金世代と呼ばれる同期には、小野伸二や稲本潤一などがおり、2002年日韓共催W杯では彼らの活躍をベンチの外から見守っていた。
始めて日本代表メンバーとして迎えた2006年のドイツW杯では、あの中田英寿選手が同じポジションであるボランチに移されたことも影響し、召集されたメンバーの内、唯一出場機会を与えられないという悔しさを味わった。
そして、2010年の南アフリカW杯。30歳というサッカー選手としては決して若いとは言えない年齢で、初めてW杯のピッチを踏むこととなった遠藤保仁。この大会で日本代表は、グループリーグを突破してベスト16に入るという素晴らしい結果を残し、遠藤もFK等でこの結果に大きく貢献した。
去年は日本代表としてブラジルW杯に出場すると共に、キャプテンとして所属するガンバ大阪を国内3大タイトル獲得の三冠に導く等、35歳になった今も遠藤保仁の躍進は止まらない。そんな前人未到の領域で今もなお進化を続ける遠藤保仁は、一体何を感じ、何を大切に生きているのだろうか。ここからは、サッカーの実力はさることながら、人間としても独特のオーラを放つ遠藤保仁の内面の魅力とその思考法に迫っていく。
“マイペースすぎる”性格の遠藤保仁が日本代表に欠かせない理由
遠藤は、自他共に認めるマイペースすぎる性格の持ち主として有名である。過去の発言にて遠藤の性格がよく出ている3つの言葉があったためご紹介しよう。
これらは一見すると、辛いことから逃げてしまっているだけにみえるかもしれないが、決してそうではない。遠藤保仁は、びっくりするぐらい自分に正直なのである。自分というものを、過小評価することも過大評価することもなく、ありのままにみつめる。そして、その度に力んだり一喜一憂したりすることなく自分を受け入れ、気の向くままに次のステップへ進んでいくのである。
遠藤保仁の価値観は「仕事」にも応用できる
出典:www2.gamba-osaka.net この遠藤保仁の考え方をまとめると、以下の3点にまとめられるのではないだろうか。
①自分の実力のあるがままの姿を認め、現在の自分を肯定した上で努力をする。
②やりたくないことを無理してやらない。モチベーションをわざわざ損なうような努力をしない。
③ 誰が自分の評価をしているのかを意識し、第三者目線を失わない。
「結婚や出産をしても、仕事は家庭と両立させながら、長く、ゆるく続けたい」と考える女性は多いのではないだろうか。また、「仕事にはある程度のやりがいはほしいけど、自分のプライベートな時間も同じくらい大切にしたい」と考えている人もいるだろう。
このように、遠藤の「ありのままの自分を受け入れ、ゆるく、長く、自分らしく働く」という考え方は、誰もが実践することのできる働き方ともいえるのである。
とはいっても、「一度会社をやめたけど、やっぱり戻ってきました」というだけで、やりがいのある仕事に復帰できるほど会社も甘くはない。自分のために自由な時間を使うことができ、そのためのエネルギーも兼ね備えている20代のうちに、どれだけ自分と向き合い目標に向けての行動を移せるかが、30代以降の自分の生き方を左右する大きな分かれ道となるのである。
伸びしろがある20代のうちにやるべきこと
ここからは、伸びしろたっぷりな20代のうちに身につけておきたいことを具体的に紹介していこう。
まず始めに大切なのは、とことん自分と向き合うことである。「ずっと今のままでいいのか」「自分が本当にやりたいことはなんなのか」、自分の中にいる素直な自分の声を聞くことで、「将来はこんな人間になりたい」という目標像ができるだろう。
そして、目標像決まったら、それに向けてやるべきことを少しずつ始めてみよう。就寝前の5分間、通勤電車の中、余ったランチタイム……。この少しずつの積み重ねも続ければ、大きな成長になってあなたに戻ってくるだろう。
また、20代のうちはまだ失敗も許される時期。思い切ったことをして、たとえそれが失敗したとしても、周りは挑戦したという事実であなたを評価してくれるだろう。そしてその挫折や失敗の経験は、必ずあなたの次のステップアップへの手助けとなるであろう。
20代のうちに悔しい思いをしながらも、焦らず、腐らず、自然体で自分と向き合った結果、30歳でW杯初出場初ゴールを決め、現在も日本代表として活躍する遠藤保仁。彼のように、自分の本当の想いを大切に、失敗や試行錯誤を繰り返しながらも努力を続けることが、本当になりたい自分への一番の近道なのかもしれない。
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