デジタルテクノロジーの目醒しい発展によって、市場価値が騰貴し続けているエンジニア職。しかし、エンジニアとしてのキャリアプランを分明に描けているだろうか?
そこでこの度、LINE前社長でスマホ向け動画メディア「C Channel」を立ち上げた森川亮氏、iPad予約台帳アプリのトレタ CTO 増井 雄一郎氏、クラウド名刺管理サービスを運営するSansan事業部 開発部長 藤倉 成太氏、ファッションコーディネートアプリiQON(アイコン)のVASILY CTO 今村 雅幸氏などをゲストに迎え、“あの”サービスを作ったエンジニアに会えるイベント「DODA Tech Live IT・Webエンジニアmeetup」が9月11日(金)、12日(土)の2日間にわたって開催される。彼らの語る技術、組織論を吸収するとともに、エンジニアとしての“自分らしい”キャリアを嘱目して欲しい。
「エンジニア35歳定年説」を真に受けるな
エンジニア界隈でまことしやかに語られる「エンジニア35歳定年(限界)説」。これはエンジニアが35歳を超えてくると、単価が高くなることや管理職への移行が進みコードを書かなくなることにより、エンジニアとして活動している人が減っていくというものである。
しかし、それは真実なのだろうか。この「エンジニア35歳定年(限界)説」に待ったをかけるのが最近3.2億円の資金調達を実施し、3200店舗の導入店舗を集める予約台帳サービス トレタのCTO 増井 雄一郎氏だ。
増井氏は、大学生時代に就職活動を行わず、Web制作会社を起業し、その後、フリーランス、渡米し、アプリ開発会社の立ち上げを行うなど、20年以上エンジニアとしてコードを書き続けてきた生粋のギークだ。増井氏は、エンジニアとして技術を武器に戦っていくためには、常に勉強し続けることを啓蒙している。「エンジニア35歳定年(限界)説」は、学び続けるエンジニアこそが一蹴できる風説なのだ。
“コンピュータが3年や5年で色んなことが大きく変わったとしても、根本では変わらない部分が大きくあるため、やるべきことを着々やり、知識の蓄積があれば問題はない。やはり、人間の経験は年月を経なければ得られないものがたくさんあるため、年を取って一概にみんなの能力が衰えるわけでもない。”(増井氏)
よく新しい技術を追いかけ続けるエンジニアがいる。トレンドは、常にカッコいいものだ。しかし、「トレンド」は原則たり得ない。例えば、最近スタートアップでポピュラーとなってきたRuby on Railsも、非常に高いレイヤーにある知識であり、振れ幅が大きいだろう。あと数年もしたら、また違うフレームワークがトレンドになっているに違いない。ただ、Rubyやコンピュータサイエンス、アルゴリズムはどうだろうか。根本的な知識、原理原則、基礎的な業務知識は、あらゆる時代に対応ができ、全てのトレンドはその上に成り立っているものである。こうした根本を抑え、技術・知識を積み重ねていくことで、40代でも50代でもコードを書き続けられるエンジニアであれるだろう。
経済価値に直結するコードを書きたい
エンジニアであるあなたは、エンジニアとしてなにをしたいのか。あなたは、間髪いれず、この問いに答えられるだろうか。コードを書き続けたい、自由を獲得したい、最新の技術を追い続けたい。――様々な答えがあるなかで、自らの身を置く場を考えるだろう。
エンジニアは、「ビジネスに貢献し、世の中を良い方向に変えていくべき」と語るのが、TVCMでもお馴染みのクラウド名刺管理サービス Sansan 開発部長の藤倉 成太氏だ。そして、シリコンバレーでの勤務経験もある藤倉氏は教えてくれた。エンジニアという職業は、シリコンバレーでは非常に地位が高く、「偉い」ものだと。そして、それは「エンジニアが世界を変える力を持っているから」である。決して、面白いゲームを作れるからではない。確かに、FacebookやTwitterは、「繋がり」という意味で人類の歴史の新たな1ページを創ったサービスと言えるだろう。
“日本のエンジニアの地位は、もっともっと高くていい。ただ、そのためには、一人ひとりが世の中を変える気概を持っていること。
”(藤倉氏) 真顔で「世の中を変える仕事をしませんか?」と言えるエンジニアが果たして何人いるだろうか? 既にアメリカにあるサービスを日本に展開することも、ソーシャルゲームを作ることもいいが、エンジニアの存在意義をその胸に問うて欲しい。少なくとも藤倉氏は、コードによって確実に世界を一歩前に進めている。
何を軸にして、エンジニアとして働くのか。それがなにであっても、あなたの自由だ。自由を求めることが多いエンジニアにとって、なんのためにコードを書くか、指図されたくないだろう。しかし、コードをただ書いている人間と人類の歴史の新たな1ページを創っている人間の成長角度は同じではない。こんな青臭いことを、本気で考えてみて、自らの身を置く場所を考えてみてもいいのではないだろうか。そんなエンジニア、いや人間に、U-NOTEはエールを送り続けたい。
CTOは最も尊敬されるエンジニアであるべき
プロダクトを技術面から支える砦、CTO(最高技術責任者)。CEOの描くビジョンをどんな技術を用いて、どんなチームを構成し、どれくらいのスピード感で具現化していくのかを実践する役割を持つ。急成長するスタートアップという組織のなかで、いかにエンジニアチームを創っていくのか。プロダクトドリブンのスタートアップでは、ここに成否がかかっているといっても過言ではない。
“重要なのはやはり、トップに立つ人間が技術的な面で尊敬される、信頼されること。”(今村氏)
CTOのあり方として、こう語るのはファッションコーディネートアプリiQONで急成長中のVASILY CTOの今村 雅幸氏。今村氏は、CTOのやるべきことを「エンジニアたちがモチベーション高く働ける環境を整え、用意すること」と定義し、マネジメントだけでなく、一人のエンジニアとしてもCTOの書くコードによってエンジニアの心を掴むことがエンジニアのモチベーションを高めることに繋がると語っている。
そして、コードによって生まれた信頼関係は、組織が急速に拡大したとしても、簡単には崩潰することがない。例え、フラットだった組織が階層化したとしても、エンジニアがリーダーを信頼し、リーダーはエンジニアから信頼されるよう努め、リーダーがCTOを信頼し、CTOは信頼されるよう全力を尽くす、という形が生み出せれば、いつまでも“世界を変える”プロダクトを創る技術組織を構築できるだろう。
「エンジニア35歳定年説なんてクソ食らえ」
「エンジニアの存在意義は、世の中を前に進めること」
「CTOは最も尊敬されるエンジニアであるべき」
紹介した3人のCTOたちは、それぞれCTOたる信念と技術を持ち合わせている。そんな3人がイベントで語る「ヒットサービスを支える技術選びと強いチームの作り方」は、あなたのエンジニアとしてのキャリアを大きく変えることとなるかもしれない。
その他にも、C Channel森川 亮氏による講演「未来予想図 ~IT/Web業界とエンジニアのこれからとは?」やビットコイン決済を提供するCoinPass 仲津 正朗氏による講演「非中央集権型クラウドコンピューティングプラットフォーム『Orb』が目指す未来のIT社会」、ビッグデータ分析のクラウドサービスを提供するトレジャーデータ 田籠 聡氏による講演「これからのビジネスの主役はエンジニア」など、業界を代表する著名エンジニアが集う。
最新の技術とキャリアが交わり、未来を創りだすこのイベント、是非ご参加いただきたい。
エンジニアの“自分らしいキャリア”が見つかるイベント「DODA Tech Live IT・Webエンジニアmeetup」
日時:2015年9月11日(金) 14:00~21:00・12日(土) 11:00~18:00
会場:渋谷ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷2丁目21-1)
会費:無料
同時開催:IT・Webエンジニアmeetup / モノづくりエンジニアLab
IT・Webエンジニアmeetup プログラム
「“あの”サービスを作ったエンジニアに会える!」
「未来予想図 ~IT/Web業界とエンジニアのこれからとは?」
C Channel 代表取締役社長 森川 亮氏
「非中央集権型クラウドコンピューティングプラットフォーム『Orb』が目指す未来のIT社会」
CoinPass 共同創業者 兼 CEO 仲津 正朗氏
「これからのエンジニアの働き方 ~職場・キャリア・スキル・やりがいを考える~」
ライフイズテック CTO 橋本 善久氏
「CTOが語る!ヒットサービスを支える技術選びと強いチームの作り方」
トレタ CTO 増井 雄一郎氏
Sansan 開発部長 藤倉 成太氏
VASILY CTO 今村 雅幸氏
「これからのビジネスの主役はエンジニア」
トレジャーデータ ソフトウェアエンジニア田籠 聡氏
「テクノロジが金融をより身近にする ‒ ZUUが目指す世界」
ZUU 開発本部 Senior Manager 浅野 隆文氏
「話題のマッチングサービスの裏側」
ネットマーケティング システム開発本部 執行役員 兼 システム開発本部長(CTO)柿田明彦氏
DeNA・レコチョク・日本マイクロソフト・Cygames・COMPASS・富士フイルムメディカル・UNCOVER TRUTH・Retty・プライスウォーターハウスクーパース・セーフィーなどの企業のエンジニアも参加
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