人生を振り返ってみて、「あの時、別の道を選択すれば良かった」と後悔した場面はないだろうか。
私たちは、私生活のお店選びから仕事の商談取り決めなど、数多くの場面で決断をしている。「今日のデート服は黒にしようか、ピンクか、それとも白か」と悩みぬいてピンクを選んだ結果、相手から「実は、明るいピンクより落ち着いた色の服装が好きなんだよね」と言われてしまったなど、選択ミスによる失敗談はよく耳にする。確かに多くの選択肢の中から正しい1つを選ぶのは難しいものだ。
しかし世の中には、超簡単に誰でも身に付けられる“決断の技術”があるらしい。
ここでは、世界的な大ヒットを記録した『チーズはどこへ消えた?』の著者であるスペンサー・ジョンソン氏の『1分間意思決定[新装版]――決断力が身につくたった1つのルール』の中から、今日から実践できる“決断の技術”について紹介していきたい。
スペンサー氏は、正しい意思決定をする上で3つのステップが必要だと話す。
「頭」を働かせるための3つの問い
1つ目は、理性に基づく「実質的な問い」である。さらに、実質的な問いは以下の3つで構成されている。
①本当に必要なことに応えているか
次のような言葉がある。
「ジャムは望むものだが、パンは必要なものだ。ジャムはおいしいけれど、私たちを養うものではない」
私たちは、ついジャムのような甘くておいしそうな目標に飛びつきがちだ。しかし、正しい選択をする上でその目標は雑念になりかねない。まずは、自分の養分となる第一に必要な行動をとっていくべきだ。
②選択肢が分かっているか
例えば、友達の誕生日をお祝いするためにレストランを予約する。単に身近なお店に決めるのではなく、まずは「サプライズあり」や「持ち込み可」など、判断をするための選択肢を洗い出すことから始めてみよう。
③考え抜いているか
山に登るのに軽装で行く人間は居ないだろう。蚊がいるかもしれないし、日差しが強いかもしれない、と想定した上で、動きやすい衣服に身を包むはずだ。このように、日常の些細な出来事にも想像力を働かせて、物事の少し先を想定した行動が正確な思考決定に結びつくとされる。
「心を見つめる」ための3つの問い
2つ目は、感性に基づく「内面的な問い」である。意思決定は潜在的に自分の意思が大きく影響していて、以下の3つを貫くことが大事だという。
①「自分に正直になっているか」
人は自分の欠点や苦手なことを受け入れたがらない。しかし、嘘は正しい判断の邪魔をしてしまう。自分に正直になり、ありのままの中身を表に出していこう。
②「直感を信じているか」
直感は自分の信念の表れである。本当は何がしたいのかを問うためには、人間的な直感に頼ることで分かる。迷ったときこそ、直感に従ってみよう。
③「自分の価値を信じているか」
成功者は自分自身を信じているので、決断した選択に自信を持っている。決断が鈍るというのは、自分の価値を信じていない現れで、決断した後も後悔を引き続けることになる。世界で一番信用できるのは自分であると胸を張って選択してほしい。
良い決断が、充実した毎日をもたらす
3つ目は、「実質的な問い」と「内面的な問い」の両面を意識した上での、最終決断である。
ここで大事なのは、失敗を恐れずにスッパリと決めること。「イエス」ならば即行動に移し、「ノー」ならばあきらめ考え直していく。躊躇して決定が遅れると、せっかくのチャンスを逃しかねない。まずは、今日のコーディネートといった小さな選択から練習を積み重ねていけば、1ヶ月後には1分間で最良な判断がくだせるようになるだろう。
ここまで、スペンサー氏が提唱する“決断の技術”を紹介してきた。この決断の技術は一朝一夕で身に付くものではなく、日常的に練習することが大事である。是非とも今日から、この意思決定方法を実践して取り入れて欲しい。この決断の技術が身に付けば、選択ミスに後悔することのない充実した毎日が送れるようになるだろう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう