カンボジアという国の現状をご存知だろうか。カンボジアでは未だに女性差別が横行しており、少女たちは学校に行くこともままならず、読み書きすらできないまま大人になっていく。
そんなカンボジアでも、女性たちは性差別に負けることなく、たくましく生きている。そして、「そんな彼女たちを少しでもサポートしたい」という一抹の想いから始まったひとつのプロジェクトがある。今回はカンボジアの現状と共に、このプロジェクトの全容に迫っていこう。
カンボジアの今と少女たち。
出典:www.safehavencambodia.org 後発発展途上国に位置付けられているカンボジア。1日2ドル未満で暮らす貧困層は828万人と推定されており、国民の半数を超えている。東京都で生活している総人口の半分強、大阪府で暮らすほとんどの人々が1日2ドルのお金で生活しているといった具合。
「カンボジア内戦」というものをご存知だろうか。1968年に始まったこの内戦は、16年という長い年月をかけてようやく終結した。確かに戦争は終結したものの、未だカンボジアの大地には深い傷が残ったままなのだ。
内戦は終われど、カンボジアは長い内戦のせいで、完全に世界各国から取り残されてしまった。その焦燥感が直接的な性差別の引き金となり、少女たちは教育の機会を奪われ、読み書きさえできぬまま大人になるのだ。
『ポレポレ』代表・高橋邦之が語る“想い”
出典:www.booster-parco.com 特定非営利活動法人『ポレポレ』の代表を務める・高橋邦之は、以前より新興国で活動を弱者のために活動を続けてきた人の一人であり、AERA(アエラ)の「アジアで勝つ日本人100人」に選定された経歴も持つ。
彼はこのプロジェクトのリーダーであり、そして誰よりもこのプロジェクトに熱意を込め、希望を願っている人物である。彼はカンボジアで『メコンブルー』と名付けられた、一つのブランドと出会った。
メコンブルーは、カンボジアで立ち上げられた絹編物製品を製造・販売するブランドであり、彼女たちが作り出す織物は日本の百貨店でも通用するような高い品質を実現している。
チャンタさんの想いに心打たれた高橋は、メコンブルーのシルク製品を日本国内で販売することを決意する。3年間の取り組みを通してわかったことは、彼女たちがまだまだ多くの商品を生み出せる可能性を持っているということだ。
それというのも、メコンブルーの工房で働いている女性たちは織物の基礎的な織り方こそ知ってはいれど、応用的な織り方はまだ知らないのだ。もっと応用的な技法を習得すれば、彼女たちがもともと持っている創造性やクメール織物の美しさを、より豊かに表現できるようになる。
そこで高橋は、彼女たちのさらなるスキルアップを助けるべく、日本で織物の技術を学んだ専門家を送り、サマースクールを開講するというプロジェクトを立ち上げたのだ。
確かにこのプロジェクトはカンボジア全土の少女たちを救える規模のものではない。しかし、その規模もあなたの協力次第かもしれない。
あなたから友達へ。友達から友達へと「協力の輪」が広がっていっていけば、カンボジアに笑顔があふれる日もそう遠くはないかもしれない。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう