株式上場。株式会社の経営者たちにとって、誰しもが憧れる一つの「ステータス」だ。日本にある400万あまりもの企業のうち、上場を果たしている企業は全部合わせても3500社に満たない(2015年7月24日時点)。株式上場の夢を掴む企業は、0.1%に満たないのだ。
逆に言うと、最近株式上場を果たした企業というのは、事業が順調に進んでいるということを示す。2015年に上場した企業のビジネスモデルを見ていくと、そこに成功のカギが見えるのではないだろうか。
というわけで今回は、2015年7月26日放送のTBS『がっちりマンデー!!』に合わせ、2015年に上場したばかりの企業たちを紹介していこう。
上場って……なに?
そもそも株式上場というものは何なのか。上場することは本当に良いことなのか。これらを理解しないことには、株式上場した企業のすばらしさを完全に理解することはできないだろう。
上場とは、取引所を通じて株を「公開する」
株式を上場するということを簡単に説明すると、証券取引所を通じて株式を公開するということである。一般人でも売り買いが出来るようになるためには、単に株式を発行するだけではなく、それを「公開」する必要があるのだ。
株式を上場することはいいことだけじゃない?
株式を上場させることは、必ずしもメリットばかりというわけではない。株を買い占められて、実質上の“乗っ取り”が発生したり、大量に増えた株主たちのチェックが厳しく、思い通りの経営が出来なかったりと、全てがプラスではないのだ。そのため、JTBや佐川急便、竹中工務店などといった大企業の中にも、未だに上場をしていない企業は多い。
しかし、株式上場をすることによるメリットは、上記のデメリットよりも大きいと判断する会社も多いだろう。認知度が上がり営業力、採用力が向上するだけでなく、社会の公器として“箔”がつくことや、社員が「上場企業に勤める社員」となり社内の士気が上がるなど、効能は様々だ。
株式上場の持つ意味、株式上場をする理由がわかったところで、本題の2015年に上場した企業たちをみていこう。
卵に印字? 驚きの「トレーサビリティ能力」 ~ホクリヨウ~
by cursedthing ホクリヨウは、2015年2月20日に東証二部へと上場した。この会社は、主に卵の製造・販売を行っている会社である。
ホクリヨウの持つ強み、それは独特な「トレーサビリティ」である。通常の鶏卵販売業者は、卵を収納する「パック」にトレーサビリティ番号や賞味期限を印字し、その番号を入力することで製造元がわかるという仕組みになっている。それに対し、ホクリヨウのトレーサビリティ番号と賞味期限は、パックではなく「卵そのもの」に直接印字されている。そのため、卵を使う直前まで賞味期限や番号を取得することが出来ている。
単なるトレーサビリティ番号の印字であれば、他の鶏卵販売業者との差別化を図ることはできない。少し変わった内容をそこに組み込むことで、ホクリヨウは「稼げる」企業へと成長したのだ。
街コン運営会社が一部上場! ~IBJ~
Rushという合コン・街コンサービスをご存知だろうか。このサービスはIBJという会社が運営を行っており、16年以上の合コン・街コンサービスの運営実績を持つ。
このサービスの特長として挙げられているのが、「東証一部上場だから安心!」という点である。東証一部への上場を成し遂げているということで、利用者からの信頼度が他社と比べて非常に高い。
このように、上場することを売りにして、他社と差別化を図ろうとする企業も多い。街コンサービスという、“悪徳業者”が絡んでいるのではないかという不安が付き纏いかねないコンテンツだからこそ、こういった「外部からの保証」があると強いのだ。
上場を成し遂げる企業には、それ相応の戦略・施策が存在する。自分の企業にさらなる成長を与えたいと考えたとき、上場企業の戦略を覗いてみると、そこにヒントがあるかもしれない。
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