HOMEスターバックス元CEO岩田松雄が教える『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』

スターバックス元CEO岩田松雄が教える『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』

Shinpei Hayakawa

2015/07/21(最終更新日:2015/07/21)


このエントリーをはてなブックマークに追加

スターバックス元CEO岩田松雄が教える『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』 1番目の画像
by rudolf_schuba

 「私は、ただ普通のおじさんです」。そう語るのは、スターバックス コーヒー ジャパン・元CEOである岩田松雄だ。岩田松雄は、ザ・ボディショップの社長をはじめ、コカ・コーラ、アトラス、タカラといった企業で経営陣を務めてきた華々しい経歴の持ち主である。きっと多くの人が、岩田松雄という人は素晴らしい才能の持ち主だと思うだろう。しかし岩田松雄は「自分は普通の人である」と否定する。

 才気に溢れた人だけがリーダーになれるのではない。「リーダーになろうとするのではなく、まわりに推されてリーダーになる。私はこれが、理想のリーダーの姿だと思っています。私自身、まわりに推されてリーダーになってきました」と岩田松雄は言う。

 今日紹介するのは、岩田松雄が周りに推されるリーダーになる方法をまとめた『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』という一冊。

才能よりもリーダーが持つべき大切なもの

 企業に勤め、先輩になるつれ、誰もが何らかの形でリーダーというポジションを経験するようになる。リーダーと聞いて、スーパーマンのような人を想像する人は多いだろう。確かに、ビジネス書やテレビなどメディアで書かれるリーダー像は人並み以上の熱血さや才能を持っていたりする。しかし岩田松雄は、リーダーを務めるには必ずしも「すごい人」である必要は無いと語る。では、どのようにリーダーを務めればいいのか? 

 以下の7つの項目は、岩田松雄が教えるリーダーにとって必要な意識である。

1. リーダーは、かっこいいとは限らない
2. リーダーは、饒舌でなくてもかまわない
3. リーダーは、部下と飲みに行かない
4. リーダーは、人のすることは信じてはいけない
5. リーダーは、立ち止まらなければいけない
6. リーダーは、多読家である必要はない
7. リーダーは、弱くてもかまわない

 岩田松雄は、リーダーにとって大切なのは周りから推されているかどうかであると言う。どんなにすごい才能があって仕事がこなせたとしても、周囲から推されないということは、誰もついてこないということである。それでは結局のところリーダーとして「みんなをまとめ、導いていく」という役割を果たせない。

 推されるリーダーになるためには、どうしたら良いのか? 次項で先述した7つの項目の中から2つ取り上げて紹介していく。

リーダーは、かっこいいとは限らない

 誰もが「かっこいいリーダー」に憧れを持つだろう。では実際、この「かっこいい」とはどういう姿だろうか? 多くの人は仕事をてきぱきとこなし、誰よりも成果を出すことだと考える。しかし岩田松雄は、そうしたかっこよさは必ずしも推されるリーダーの要素ではないと言う。ただ、もちろん仕事もろくに出来ないようでいては推されることはない。

 推されるリーダーの仕事のこなし方は以下の通りである。

誰よりもまず自分が動く

 リーダーだからと言って周りを指揮するのではなく、指示を出しながらも率先して自分が行動を起こすことで、仕事に対する真剣さや真摯さを見せる。

現場に立つ

 高い所から眺めるのではなく、周りを俯瞰しながらも部下と一緒に行動する。リーダー自らが同じラインに立って仕事をすることで、信頼感や安心感を部下に持たせる。

常に周りに見られている意識で行動する

 決して虚勢や見栄を張る必要は無い。しかしリーダーがいい加減な姿や怠惰な姿を見せると、それは周りのモチベーションにも影響してしまう。

 極端な言い方にはなるが、リーダーが成果や実績を出し続ける必要は無い。けれどもリーダー自身が誰よりも一生懸命に仕事に向き合わなければならないと岩田松雄は述べる。結果が出ずともひたむきに仕事をこなす姿を見せることは、周りの気持ちや活動を目標に向けてリードすることに繋がるのである。

リーダーは、弱くてかまわない

 前項と似たような質問だが、リーダーの「強い」「弱い」とは何を指すのだろうか? あなたは、絶対的な権威があるとか徹底した仕事の管理ができるといったことを思い浮かべるかもしれない。しかし岩田松雄は、こうしたものは気にしなくてよいと言う。

 リーダーとして強い必要はない。しかし、人として強い必要はあると岩田松雄は教える。人として強いとは「人間力」があることを指し、人としてどうなのかといった人間性のことだ。

 人間力とは以下のようなものであり、ごく当たり前のことではあるが、それを当然のこととして出来ている人は少ない。

他人の悪口や自慢話は控える

 これこそ当たり前のことではあるが、おおっぴらに他人を傷つけることは人間性を疑われる行為である。

自分に甘く、他人に厳しくしない

 自分のことは棚に上げ、自らが出来ていないことを他人に求めるのではなく、まずは自分が手本となるようにする。そして周りには行動で示す。

むやみに権力を使わない

 権力は保身や欲のためではなく、やむを得ない事態や周りを守るために行使するものだという認識を持つ。

 リーダーとして推されるためには、まず人として信頼され推される必要がある。まわりから「この人の下でなら……」と思われるには人は共通して、基礎としての人間性が十分にあるのだ。岩田松雄は、まずは自分を人として育て高めることから始めるべきだと言う。


 推されるリーダーになるためには特別なことは必要なく、当然のことを当然のようにこなせているかが重要である。あなた自身はどうなのか? この本は、自分に足りない部分を見つめ直すきっかけになるはずだ。



hatenaはてブ


この記事の関連キーワード