ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。「堀江貴文のQ&A vol.514〜個人店には敵わない!?〜」では、ホリエモンがチェーン飲食店の厳しい現状を語った。
今回取り上げた質問は、「マクドナルド、スターバックスの飲食業、無印用品などの小売業は都心から地方まで至るところにありますが、家賃や人件費の高い都心でも、田舎でも販売価格が同じです。少なくとも銀座のスタバと八王子のスタバの値段がかなり違うことはないし、人の少ない時間帯でも混んでいる時間帯でも同じです。スーパーなどと異なり、このような小売業の企業が販売価格を店舗・地域ごとに変えない理由はなんでしょう?
家賃が高い地域は需要も大きいので利益がでるという考え方でしょうか……。また、堀江さんが上記のような全国展開している小売企業の経営者だった場合、店長にある程度の裁量を持たせるなどして、地域や時間帯によって販売価格の差をもたせるでしょうか?」という質問。
食べログのせいでFC店がピンチ!?
ホリエモンは、「オペレーションが面倒くさいこと(共通のメニュー表の値段変更など)が理由かな。時間帯や地域によって価格を変えるというのが手間もコストもかからずにできるのなら、面白いかもしれないね。うまくいくかはやってみないと分からないけどね」と回答。
たしかにマクドナルドやスターバックスといったFC(フランチャイズ)店は、スーパーの特売などを除いて地域や時間によって値段を変更することがほとんどない。ホリエモンもそこに工夫を加える有用性を認めるが、「そもそも最近はFC店自体危ないからね」指摘した。
その原因になっているのは、食べログなどの情報サイトだ。以前は、入ったことのない個人店舗にはなかなか入りづらく、品質に保証のあるFC店を選択する人が多かった。
しかし、食べログがあれば入ったことのない店の評価が一瞬でわかる。そこでFC店より良さそうな店を見つけることができれば、多くの人は個人店舗を訪れるだろう。
「昔は『とりあえずFC店』という選択が普通だったけど、今なら条件に合った店がすぐに見つけられるんだよね」とホリエモン。店のクオリティをすぐに調べられる現代では、「全国どこでも同じクオリティ」というFC店のメリットが力を失ってきているようだ。
ホリエモン「飲食店って、どうしてもブラックになりがちだよね」
さらにホリエモンは、FC店がこれから不利になる点を挙げる。
「すき家のワンオペが問題になったけど、そもそも飲食店ってブラックになりやすいんだよね」
ラーメン屋でのスープの仕込みが何時間もかかってしまうように、美味しい料理を提供しようとするとどうしても業務時間内には収まらない作業が発生する。個人経営の場合は夫婦が住み込みに近い形で作業を行うため、傍から見ればブラックと言われるような業務も自分のリスクでこなせるのだ。
しかし、FC店ではそうはいかない。労働基準法を守らなければならないFC店では、業務時間に縛られた単調になりがちな作業しか行えない。結果、味にこだわる個人経営店以上のクオリティを提供することがなかなかできないなのだ。
昔だったら「隠れた名店」として多くの人には注目されなかった個人経営店も、ネットですぐに見つけることができる。また、従業員の維持費用など、FC店の場合は様々な経費が必要になってしまう。味でも値段でも、FC店が個人経営店に対抗するのは簡単ではないのだ。
様々な要素から向かい風にさらされている現在のFC店。これまで以上に柔軟な対応をして、個人経営店にない強みを打ち出さなければ、以前のような盛況を取り戻すのは難しそうだ。
ホリエモンが飲食業界の現状を語った「堀江貴文のQ&A vol.514〜個人店には敵わない!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
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