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欧米流交渉術に学べ。最善の代替案「BATNA」が決める交渉決定力

ryoka

2015/07/22(最終更新日:2015/07/22)


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by bark

 仕事にはうまくいかないことがつきもの。失敗は、どんなにできるビジネスマンでも一度は通る道なのである。

 だからこそ、「失敗しない方法」とは別に、「失敗した時の対処法」をたくさん考えておくことが大切。今回は、交渉で用いられる失敗の対処法、「BATNA」の考え方を紹介する。

交渉術「BATNA」を仕事で利用するメリット

 BATNAとは、「Best Alternative To Non-Agreement」の略称で、「交渉がうまく行かなかった時の代替案」のこと。交渉術の基本として知られている知識である。

例えば、友人に古着を売る交渉を考える。この古着が、ある古着屋では1000円で売れるという担保があれば、友人との交渉は1000円以上から始められる。このように、友人に売る以外の最良の代替案がBATNAである。

出典:BATNAとは | ビジネススクールならグロービス・マネジメント・スクール


 交渉において「BATNA」をしっかりと組み立てるメリットは、大きく分けて3つ。そのメリットは、そのまま仕事にも活かされそうだ。

1:仕事力があがる

 この場合の「仕事力」とは、「成果を出す力」のこと。「BATNA」では、自分が出す結果のマイナス値を最小化するはたらきを持っている。「BATNA」を仕事で使いこなせるようになれば、「失敗を失敗で終わらせない力」がつき、成果を出す力が高まるに違いない。 

2:心の余裕が生まれる

 当然、「この話がうまくいかなくても手はある」と考えられている方が、交渉において余裕が生まれる。そして、その余裕は交渉術において多くは有利に働くのだ。これはビジネスも同じであるはず。

 失敗しても手はあると考え、様々なことにおもいっきり挑戦できる環境を創りあげることは大きな強みになるはずだ。

3:自分の想定外の結果にはならない

 交渉や仕事において「失敗した場合を考えない」ということは、大きなリスクである。

 「BATNA」を考える際には、それぞれの仕事や交渉において起こり得ることをひたすらに考える。そのため、自分の想定外の事態となり、焦ることは少なくなるだろう。


交渉では、自分の要求がそのまま通ることの方が少ないもの。だからこそ、代替案であるBATNAが強い方が交渉においては有利となるのである。

「BATNA」を組み立てるために必要なこと

 では、有効なBATNAを練るためにはどのようなことが必要なのだろうか。

周辺知識をとにかく集めること

 まず、前提としてビジネスや交渉の対象となるものの知識を深く持っていることは重要だ。情報の格差が交渉において差を生むことは多々あるが、ビジネスも同様である。当然のこととして、知識を蓄えておくことを大事にして欲しい。

目的を明確にすること

 「この交渉で得たいものはなにか」をしっかりと明確にすること。仕事で言うならば、「この仕事で得たい成果はなにか」ということである。

 欲張りすぎず、「本当に必要なものは何なのか」を見極めることが大切である。そしてまた、逆に「失ってもいいもの」も同時に考えて欲しい。

最低ラインを決めること

 さらに目的に対して、「どれくらいまで妥協できるか」ということを考えることが大切。自分が、交渉や仕事においてどこまで引き下がれるかを考え、仲間に共有しておくことが大切だ。


3つのポイントを押さえたら、「周辺知識」を味方にし、「目的の確実な達成」を目指すために、「最低ライン」を壊さない程度に「失ってもいいもの」を犠牲にした代替案を考えていくのだ。

「不確実性」に対応する力を身につけよ

 仕事において、確実なものなどほとんどないだろう。だからこそ必要なのは「目的に辿り着くプロセスの数」なのかもしれない。

 「BATNA」を常に意識することは、仕事で前進するための本質を見極めて行動する訓練にもなる。ぜひとも、普段の仕事から「BATNA」を意識することで、仕事で確実に成果を出し、そのために頭をひねる習慣をつけてほしい。


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