“ムネリン”こと川崎宗則がメジャー入りを目指し、海を渡ってから3年が経つ。「イチローを追いかけて行った」と冗談交じりに言っていたものの、マイアミにいるイチローとトロントにいるムネリンの間には2,000km以上の距離があり、ここ最近のムネリンはあまり元気がなさそうだ。
そんなアメリカ滞在歴3年のムネリンだが、英語は依然として「微妙」だ。英語の文法はメチャクチャ、会話がかみ合わないこともしばしば。こんな英語が不得手なムネリンだが、アメリカでは「ヘンな外国人」として大人気だ。
ムネリンが人気である理由に関しては、様々なメディアがこれまで報じてきた。今回は、「英語が話せない」という切り口から、ムネリンのような人気者になる方法をご紹介しよう。
「英語出来ない!」ことをアピールするムネリン
ムネリンのインタビューを見ていると、ほぼ毎回「アイキャントスピークイングリッシュ!」「アイムジャパニーズ!」(カタカナ英語)と叫ぶ場面に遭遇する。ムネリンの全力で叫ぶ姿がニュースなどに取り上げられたこともあり、ムネリンの英語下手はアメリカ内でも非常に有名だ。
ムネリンから英語が苦手だということを受けたインタビュアーは、非常にゆっくりと丁寧にムネリンに対してインタビューを行うようになった。ムネリンは、強がらずに自分の弱点を表明することで、相手に譲歩してもらっているのだ。ムネリンの人気は、「苦手な英語」を全力で使っていることも一部関係しているだろう。
でもムネリンは英語の勉強は欠かさない!
そうは言っても、ムネリンはMLBで活躍するプロスポーツ選手。英語でコミュニケーションが取れないとムネリンが苦労するのは当たり前だ。ずっとムネリンが「英語が苦手だ!」なんて言っていたら、プレーに支障をきたし、相手にされなくなってしまうのは目に見える。
ムネリンがここまで英語下手を「許されている」のは、ムネリンが英語の勉強を欠かさず続けているからだ。ムネリンは、自分の現状に甘んじることなく、少しでも円滑に英語でコミュニケーションが取れるように努力を続けている。面白いことに、ムネリンはインタビューではほぼ毎回「今は英語勉強してるの?」と聞かれており、そのたびに「イエス!」と笑顔で答えている。
そのためか、3年前のインタビューと最近のインタビューでは、ムネリンの話す英語の質が全く違う。そんな努力が垣間見えることが、ムネリンがアメリカに飽きられない秘訣なのだ。
ムネリンはとにかく陽気で!積極的!
by Keith Allison 英語を話せないのに仕事で外国に行くことになると、大抵の人は「緊張」や「不安」から暗い顔になってしまう。異国の地に一人で旅立つのだから、ムネリンほどポジティブでなければ、これらのマイナスの感情に支配されそうになるのは仕方のないことだ。
しかし画面の中のムネリンは、常に明るく前向き、ポジティブシンキングの権化とも言えるような振る舞いを見せている。ムネリンの抱えている「コミュニケーション」における不安は、我々の前に一切顔を出さない(もしかしたら本当に全く不安がないのかも知れないが)。
ムネリンは、英語が話せないのは十分自覚している。だからこそムネリンは積極的に話しかけ、常に明るくいることで、「話が出来ない暗いヤツ」ではなく「話は通じないけど明るいヤツ」として人気を得ることが出来るのだ。
英語「以外」の部分で自らをアピールするムネリン!
ムネリンは、しばしば英語以外の方法でコミュニケーションを“無理やり”取ろうとする。ダンスを披露してその場しのぎのようにひと笑いを取ることがあれば、日本語を話して「ユーノー?」とボケることもあるムネリン。もちろん、ムネリンは、野球も一つのコミュニケーションとして用いている。
ムネリンはインタビュー時の「その場しのぎ」で用いることが多いが、英語「以外」の何かで自らをアピールすることは非常に重要だ。ムネリンのような陽気なしぐさ、行動を覚えることで、英語が話せなくても周囲を楽しませることが出来る。ムネリンがこれを続けていくうちに、周囲が持つ印象がプラスの方へと傾いていくだろう。
3年前のムネリンは、それはそれは英語力の低い「ただの日本人メジャーリーガー」だった。しかしこのスタンスを3年間続けることで、アメリカ全土で愛される存在へとムネリンは変わっていったのだ。「ムネリンは元からすごいから……」などと卑屈にならず、ムネリンのようにこれらのスタンスを試してみることを是非ともオススメする。
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