ユニクロと言えば、言わずと知れた一大アパレルブランドである。大ヒットのフリースから始まり、ヒートテック、最近だとガウチョパンツのCMが記憶に新しく、日本人の中でユニクロ製品を買ったことがないなんて人は少ないんじゃなかろうか。
とかくユニクロが格安なブランドであるということは言うまでもない。しかし、ユニクロ以外にも安いブランドは多く存在している。人はなぜ、ユニクロというブランドをついつい買ってしまうのか。実はそこには、ある一つの「心理学的根拠」があった。
今回は、ユニクロが用いている「つい買ってしまう」戦略をもとに、日常で使える心理学のメソッドをひとつ、紹介しよう。
チラシを見るたび好感度アップ! 「単純接触効果」
出典:saimiru.com 週末の朝刊のチラシ類、ほぼ必ずと言っていいほどユニクロのチラシがそこにいる。正直「またかよ……」と思いつつも、一応は目を通すなんて人は多いだろう。
実はこの「毎週必ずチラシを届ける」ということが、消費者がユニクロへ足を運ぶことに一役買っているのだ。毎週チラシを目にすることで、人々は心なしか「安心感」を与えられるのである。これを心理学用語で「単純接触効果」という。
もちろんこの単純接触効果は、ユニクロと消費者のような「一対多」といったシチュエーション以外にも効果を発揮する。この単純接触効果は誰でも利用することができ、非常に簡単に安心感を与えることができるのだ。ここからは、単純接触効果を発揮するためになにを意識して行うべきか伝授しよう。
とにかく相手に会いまくる!そう、ユニクロのようなマインドシェアを取るために。
単純接触効果を改めて説明すると、人は同じものに繰り返し接すると無意識下でいい印象を受けるようになるということである。この単純接触効果はものだけではなく、人同士でも通用する効果である。
すなわち、気に入られたい人がいれば、とにかく会いまくるということが有効なのだ。廊下ですれ違う、たったそれだけを毎日繰り返すだけでいい。それだけで印象は大きくプラスに働くのである。
ただし重要なのは、相手に存在を認知されることだ。相手に認知されず、ただ風景の一部として捉えられていると、何の印象も持たれることはない。そのため、廊下ですれ違うときに会釈を欠かさないことが大事なのだ。相手に「この人と会った」という認識を持たせることで、単純接触効果の効力が一気に強くなる。
「チラシ」の代わりに「SNS」
とはいえ、毎日会うのはなかなか厳しい、と感じてしまう人も多いのでは。気に入られたい人が一人ならまだしも、それが複数人であった場合、毎日会うというハードルはグンと上がってしまう。
そういった人は、無理に毎日会う必要はない。ユニクロの安心感も、毎日ユニクロに通い詰めたから得られたものではないからだ。そう、我々にとって「チラシ」の役割を果たすものがあればそれでいい。
我々にとって「チラシ」の役割を果たすもの、それは「SNS」である。SNSを使って毎日自分の存在を相手に認知させればいいのだ。リプライやメッセージなどの機能を使って相手に直接会話しにいくのももちろんアリだが、実はあえて自分の存在を「認知させる」ことにとどめる方がいい。SNS上で会話をするのではなく、なるべく「オフライン」で会話をする方がいい印象を与えられるからである。オンラインでは「この人はどんな人なんだろう」と想像させておき、オフラインでの会話に期待を持たせることが重要だ。
単純接触効果は、簡単に利用できることに加え、非常に強力な効力を持っている。もし上司や先輩・後輩に気に入られたいと考えている人がいれば、ぜひともこの効果を使って「頼られる」人になってほしい。
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