会話において大事なのは「距離感」。これは多くの人が既に知っていることだろう。しかし、その距離感の取り方を知らない人は多い。距離感の取り方やリアクションが分からないため、会話がどんどん苦手になってしまう。あなたはどうだろうか?
今回紹介するのは、会話における距離の取り方やリアクションの仕方を様々なシチュエーションごとにまとめた『このひと言で「会話が苦手」がなくなる本』という一冊である。
本のハイライト
味方を増やす7つの法則
出典: Amazon.co.jp トーク番組などを見ていると出演者が楽しそうに会話をしている。普段、他人が会話してる姿を注意深く見ることもないだろうから、人によってはTVでのトークが楽しい会話の一例だと考えてしまうかもしれない。そのため、例えばMCがオチやネタで場を盛り上げるのを見て、気の利いたオチのある話が会話のコツだと思っている人も少なくないだろう。
実は、会話ではネタやオチよりも大事なことがある。それは相手との距離感である。距離感の取り方の上手い/下手は、相手の感情の変化を瞬時に察知し、気の利いた言葉や話し方を選択できるかどうかであると著者は述べる。距離感の取り方が下手な人ほど、相手の気持ちに添えず、相手から距離を置かれてしまうのだ。この距離感を掴むための方法として、以下の7つの方法が挙げられている。
1. サービス精神を常に持つ
2. プラスアルファを意識する
3. 相手が喜ぶことを優先する
4. 相手の感情を整理する
5. 相手に気分よく話してもらう
6. マイナス感情を出さない
4. 相手の感情を整理する
5. 相手に気分よく話してもらう
6. マイナス感情を出さない
7. 温めることを意識する
本書ではこれを「味方を増やす7つの法則」としている。次項では、7つの方法の中からストレスを軸に距離感を掴む方法を1つ紹介する。
「味方を増やす7つの法則」相手の感情を整理する
by Simon Zirkunow 「あの人と話すと疲れる」とか「あの人は話してると気が楽」といったことを感じたことがあるだろう。そこでキーワードになってくるのは、ストレスである。著者は、人は話していて{ストレスを減らしてくれる人>ストレスにならない人>ストレスを感じさせる人}の順番で好かれやすいと言う。では、なにがストレスを減らせる人とストレスを感じさせる人では違うのか。それは、相手の話を聞けるかどうかである。
1. ストレスを減らせる人
(相手が悩んでいることに対し、相手自身が感情の整理を出来るようにサポートできる)
2. ストレスを与える人
(一方的に話したり、相手が悩んでることに対しとやかく言ってしまう)
相手と話していて気になることがあった際に、「こうした方が良い」と意見を言うよりも「○○が気になるんですか?」と聞いてあげる。すると相手も「実は、○○で悩んでいて……」と話しやすくなる。また相手は話を聞いてもらう内に、自分は本当はどうしたいのかと自ずと方向性も決まってくる。これが相手に寄り添うことであり、ストレスを減らしてくれる人なのである。
これらを踏まえて、本書で挙げられている「こんな時は、どうする?」という、状況に応じた会話を選択肢から選べるかといったケーススタディを次項でやってみよう。
こんな時、人に好かれるリアクションはどっち?
無口な上司と二人きりになった時
1. 「最近、うちの会社って全般的にどうなんですかね?」
2. 「あの時は、○○さん大変だったみたいですね」
この場合、より良いのは(2)「あの時は、○○さん大変だったみたいですね」である。多少、お互いのことを知っている間柄であれば、抽象的で的を射ない質問をするより具体的な話をする方がいい。著者いわく「相手の苦労を理解することは、共感の基本」である。成功話よりも苦労話の方がネタは多く話も弾みやすい。また苦労を理解し共感してくれる人は、相手のストレスを軽減することにも繋がるのだ。
友人から相談を受けた時
1. 「◯◯で悩んでいるんですね」
2. 「解決策は、AかBじゃないですか?」
これは既にお分かりだろう。もちろん(1)「○○で悩んでいるんですね」である。人は相談する時、合理的な解決策より自分の考えの後押しや感情を整理する手伝いを求めていることが多い。そのため、相談者が「それが一番良いと私も分かっていた」となれば本人は悩みを消化させ、相談は終わる。ここで重要なのは、頭の良さや巧みな話術ではなく、相手の立場に立って考える想像力と共感力である。
この本には、「味方を増やす7つの法則」の残り6つの法則に加え、距離感を掴むための会話のケースワークがたくさん載っている。今日紹介した法則も含め、この本を読んで距離感の掴み方をマスターしてみては?
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう