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本の受け売りをドヤ顔で語ってるあなたに:『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」』

Shinpei Hayakawa

2015/07/10(最終更新日:2015/07/10)


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本の受け売りをドヤ顔で語ってるあなたに:『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」』 1番目の画像
by akira yamada

 自分の意見を言う時、よく他の人の意見を真似したり、本に書かれていた内容の受け売りで答えてしまったりする。「自分の意見」と思っていても、実はそういう思考の人がほとんどではないだろうか。そのような自分に、上司や同僚は「自分の頭で考えろ」と言ってくる。そして再度考えてみるが、結局誰かの意見を模倣して自分の意見としてまとめあげてしまう。「自分で考える」「自分の意見」とは一体何なのだろう。

 今回は、米・ハーバード大学の提唱する「意見のつくり方」や、アメリカの高校で教える「考える」授業をモチーフに、「世界で通用する考え方」を紹介する『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』という本を紹介する。

本のハイライト

 自分の意見は、①この事態について自分が理解していることは何か、確認する、②この事態をもっと理解するために調べなければならないことは何か、を把握する、③この事態をどう切り抜けるべきか、という「自分の意見」を持つ、の3ステップを踏む。

 的確な意見を言うためには、状況の理解を深め、根拠を重視し、視点を広め、未来を予測する力が求められる。

出典:「自分で考える力」の授業 | 本の要約サイト flier (フライヤー) - 1冊10分で ...

自分の意見を作る3ステップ

 本書は欧米の授業風景から始まる。生徒と先生が対話形式で互いの考えを出し合いながら授業を進めていく。これは欧米の学校では当たり前の「自分で考えて動けるようになる」ための訓練の一部である。

 著者は、ハーバード大学が提唱する「自分の意見の作り方」を以下のように説明している。

(1)この事態について自分が理解していることは何か、確認する
(2)この事態をもっと理解するために調べなければならないことは何か、を把握する
(3)この事態をどう切り抜けるべきか、という「自分の意見」を持つ

 例えば「理想の自分とは何か」というテーマに対し、(1)自分自身について何を知っているか確認し、(2)自分の長所や短所を知り、憧れの人など理想の人物像を調べ、(3)理想の自分とはどんな状態なのかという意見を持つといったことである。

 自分の意見を持つためには目の前の事柄に対し、どれだけ理解を持っているかが重要となってくるのだ。

物事に対する自分の理解を深める7つのチェック項目

本の受け売りをドヤ顔で語ってるあなたに:『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」』 2番目の画像
by Brady Withers

 理解力は養うことが出来る。著者は理解力を養う方法として、普段から出来る理解を深める7つのチェック項目を次のように紹介している。

(1)情報を5歳児でもわかるように平易な言葉で説明する
(2)「パラダイム」「コンプライアンス」といったカタカナ語は正しく理解しておく
(3)英語などの外国語に訳して納得感があるかチェックする
(4)理解できていないことを一覧化する理解度チェックシートを作成する
(5)情報に対し5W1Hで突っ込みを入れて曖昧な点がないか確認する
(6)不明確な点、理解できてない点を振り替えられるように文章を色分けする
(7)相手の話していることを理解するために「よい質問」を投げかけて理解を深める

 このチェックは、なんとなく理解したという状態をなくし、目の前の事柄に対して隅々まで理解できているかを確認するためのものだ。もし見落としがあれば、それだけ意見に欠陥があるということであり、せっかく意見を述べても周りの意見に弾かれてしまう。普段からこうしたチェックを行い、自然にできるようになることが理解力を深め、自分の意見を作ることに重要なのである。

自分の意見に未来のシナリオを作る

本の受け売りをドヤ顔で語ってるあなたに:『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」』 3番目の画像
by Wajahat Mahmood

 理解力も深まり、自分の意見も組み立てられるようになってきた。しかし、これで終わりではない。著者は「自分の意見が現実になったら、どうなるのか」を予測することが重要であるとする。これはどういうことだろうか。

 例えば、「その仕事はAの方法でやるべき」という意見を出したとする。その時、実際にAという方法は現状の予算や環境で可能なのかを考えるのである。もし誰かが意見を言って、それが通っても実際に出来ないものであれば意味がないのだ。この先を予測する方法は、以下のとおりである。

(1)「現実のものとなったら何が起きるか」のシナリオを作る
(2)そのシナリオが起きたときのために手を打つべきことはないか、考える
(3)その行動(打ち手)は実現可能なのか、考える
(4)その行動は今のうちにしておく必要があるのか、考える

 このように未来を予測することで、その意見が十分に機能するものになるということが本書で述べられている。


 ここに挙げた以外にも様々な方法が、この本の中には詰まっている。もし意見を出すことに苦手意識があるのであれば、ぜひこの本を読んでみてほしい。


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