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福利厚生が自由に選べる!使える! 話題の制度「カフェテリアプラン」って……なに?

U-NOTE編集部

2018/04/02(最終更新日:2018/04/02)


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by Ben124.
 日本には、様々な福利厚生制度がある。育児休暇や人間ドックの補助、会社によってはスポーツクラブの加入補助なんてサービスまである。

 しかし、人によっては正直「いらない」と思える補助もある。一生独身を貫くという意思の人にとって、育児休暇などは完全に必要ない。この「いらない」部分をどこか別のものに置き換えられないものか、などと考えたことがある人は多いだろう。

 実は、それを現実にした制度がもうすでに存在している。それが「カフェテリアプラン」という制度である。今回はその「カフェテリアプラン」がどのようなものかをお伝えしていく。

「ポイント」を使って自由にカスタマイズ!

カフェテリアプランとは、企業があらかじめ用意した多彩な福利厚生メニューのなかから、従業員が自分に必要なものを選んで利用する制度です。従業員は企業から“福利厚生ポイント”を付与されて、ポイントを消化する形で制度を利用するのが一般的です。

出典:カフェテリアプランって何?|おさえておきたい福利厚生の意味・解説 ...
 カフェテリアプランを導入している会社に入ると、勤続年数などに応じて「ポイント」が付与される。そのポイントを用いて、社員は企業が提供している福利厚生の中から自分が受けたいものを選んで利用することが出来るのだ。

 また企業にとっては、支給したポイント=福利厚生費となるので、細かい計算をする必要がなく、また財源ありきで福利厚生費をあらかじめ設定できてしまうという大きなメリットがある。

 企業から与えられたものを否応なく受け取る従来のシステムに対し、自分に必要のないものをもっと必要なところに変換することが出来るカフェテリアプランは、今や多くの企業に導入され、支持されている。

日本初のカフェテリアプランは「ベネッセ」

 もともと1980年代にアメリカで導入されたシステムであったが、労働者のニーズの多様化に伴い、日本にも導入されるようになった。

 そのきっかけを作ったのが「ベネッセ」だ。1995年にカフェテリアプランを導入したベネッセは、現在まで長く運用を続けている。ワーク・ライフ・バランスの観点から見ても、大変有効な制度なのだとか。

 そのためカフェテリアプラン、ベネッセだけでなく、NTTやアサヒビールなど数多くの企業に導入されている。最近では、逆にカフェテリアプランを「運営する」というビジネスも出始めているから驚きだ。

カフェテリアプランに潜む「デメリット」

 一見して、メリットばかりあるように思われるカフェテリアプランだが、実はまだまだ多くの問題を抱えている。

「本当に」必要な時、ポイント残ってる?

 たとえば、付与されたポイントを使い切った状態で大病を患ってしまったとする。通常の場合、有給や入院費補助などが大幅についてくるはずが、ポイントを使い切ってしまったがために補助を一切受けられないことがあるのだ。このように、カフェテリアプランは本当に必要な時に補助が受けられない可能性を孕んでいる。

 そのため、人によっては「何かあった時用に取っておかねば」と考え、「使いたいけど使えない」状態に陥ってしまう。こうなると、カフェテリアプランが機能しなくなるどころか、本来の福利厚生すら得られない。

「課税」と「非課税」、どっち?

従業員に付与されるポイントに係る経済的利益については、原則として従業員がそのポイントを利用してサービスを受けたときに、そのサービスの内容によって課税・非課税を判断することになります。

出典:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/36.htm

 従来の福利厚生の場合、「サービス」による支給なのでもちろん「非課税」である。しかし、ポイントという形での支給になるとそれが「課税」の対象になることがある。たとえば、ポイントを換金できる場合がそれに該当する。間接的とはいえ、企業からお金を支給されているも同然なので、実際に換金するかしないかに関わらず全てのポイントが課税対象になるのだそう。


 そうなると、企業が本来払うべき税金以上の税金を払わなくてはならず、企業にとっても社員にとっても不幸な結末を迎えることになる。


 ここ十数年、日本で広がりを見せているカフェテリアプラン。社員のニーズに福利厚生を合わせられる大きなメリットがある半面で、まだまだ解決する必要がある問題も多い。自分の会社に照らし合わせ、カフェテリアプランの是非を考えてみると面白いだろう。

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