最近、「何をやってもダメだ」、と感じることが多くなってきた。五月病も終わったのに、まだネガティブ思考から立ち直れない、と感じている人は多い。
ネガティブ思考がよくないということはわかっているものの、どうやったら克服できるのか、なにから手を付ければいいのかがわからない。ネガティブ思考を脱却できないことすらも、自らのネガティブ思考を加速させてしまっている。
そんな人たちのために、今回は脳科学者・茂木健一郎が述べている、ネガティブ思考にハマる理由、そしてネガティブ思考を「絶対に」克服できるメソッドを紹介しよう。このメソッド、聴くだけで実行に移さないようでは何の意味も持たないので、是非実行に移せるようになろう。
ネガティブ思考は「自然の摂理」
今でこそ、食物連鎖の極めて上層部に位置している人間だが、太古の昔はそうではなかった。ネガティブ思考は、そんな昔の先祖たちからの「名残り」なのだとか。
生死に関わることの多かった時代に、「最悪のケースを常に想定しておく」という行為が今に生きる人たちのネガティブ思考の先駆けなのだ。すなわち、生理的な現象なのである。
ネガティブ思考を克服できないということは、それだけ「自然なこと」なのだ。
ネガティブ思考を克服できないことにさらにネガティブになるのではなく、ネガティブ思考を克服できない原因を探ることが大切だ。
不満ではなく、満足に目を向ける「ソリューション・フォーカス」
ネガティブ思考が克服できない理由の一つに、「問題点に目を向けすぎる」ということがある。問題点を改善するということはもちろんいいのだが、誰しも問題ばかりを見ていては心苦しくなるものだ。
ネガティブ思考を克服するメソッドとして、「ソリューション・フォーカス」が有効だと茂木健一郎は述べている。
もともとは問題解決のテクニックとして用いられているものだが、ネガティブ思考を克服することにも使えるのだ。
この「ソリューション・フォーカス」では、不満に思っていることやネガティブ思考の原因に目を向けるのではなく、ネガティブ思考でありながらも「何とか生きてこられている」という状態にフォーカスするのだ。
やり方はいたって単純。自分が不満に思っていることを一つ挙げ、最もよくない状態を1点、最もいい状態を10点の10点満点で点数化する。恐らく、ほぼすべての人が「2点以上」の点数をつけているだろう。そこが重要なのだ。
なぜ、1点という最低点をつけなかったのか、その理由を文章化する。すると、自分を取り巻く環境の「うまくいっている部分」に目を向けることが出来る。
この部分を洗い出すことで、自分の心の拠り所、安息の場所をハッキリと見つけることが出来る。
更に、自分のネガティブ思考の原因を「うまくいっている部分」を用いて改善していく方法を考えることが出来るのだ。
1分間、「小さな苦手」に向き合う
ネガティブ思考を克服するために、脳の「強化学習」という機能を用いることも有効だと茂木健一郎は語る。
要するに、とても小さな成功を体験することで、自信を持って別のことにもチャレンジできるようになる、ということだ。
また、ネガティブ思考の人は大抵、自分の持っている能力を卑下しがちである。自分が持っている以上に低く見積もり、やる前から「ダメだ」と決めつけてしまうのだ。
もし「自分はそんなことない」と感じている人がいたら、試しに「自分ではできなさそうなこと」をやってみるといい。
英語が苦手だと感じている人は、誰かと英語で一分間話してみる。苦手な人に話しかけることが出来ないと感じている人は、その人に思い切って世間話を振ってみる。すると、意外とできてしまうものなのだ。
というように、とても小さなことから「試してみる」ということがネガティブ思考を克服するために非常に大きな役割を果たす。自分の思っている以上に、自分はできる人なのだ。
今回は3つ、具体的な考え方や方法を紹介してきたが、実はこれらには一つ、共通点が存在する。
それは「ポジティブシンキング」ではなく、「ネガティブ思考の克服」だということだ。無理にポジティブシンキングをするのではなく、まずはネガティブ思考を克服することが重要である。
もし自分のネガティブ思考をどうにか克服したいと感じている人がいれば、是非これらのことを考え、実践してほしい。
ネガティブでも活躍できる! 自分が活躍できる環境を探そう
「ネガティブ思考=悪いこと」ではない
先にネガティブ思考が生理的な現象という話をしたように、そもそも「ネガティブ思考=悪いこと」という考え方が間違っているかもしれない。
世の中にはネガティブ思考ができない人もいる。あなたのネガティブ思考を“一つの個性”として、重宝してくれる職場は必ずしもあるはずだ。
もしも今の会社でネガティブ思考が活かせないのであれば、自分の性格を仕事に活かせる環境へ転職することを検討してみるのもいいだろう。
ネガティブ思考で「自分には他社で活躍できるスキルも、人脈も、ノウハウもない……」などと考え込んでしまう前に、まずは転職エージェントに自分のキャリアについて相談してみよう。
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