2001年にメジャーリーグに挑戦してから現在まで、衰えることなく活躍を続ける日本人選手、イチロー。男なら誰しも一度は彼に憧れたことだろう。
今回は、そんなイチローがどうして成功をつかむことが出来たのか、イチローの考える「目標を達成する技術」に基づいて説明されている『イチロー頭脳』を紹介する。本書では、イチローのインタビューを収集し、70のポイントに分けて細かく分析されている。
「人に勝つ」ではなく「自分を育てる」
目標を立てるとき、よく「同期に勝つ」や「周りの中でトップになる」といった内容にする人がいる。他人と競り合い、自分が勝つことを目標するやり方だ。
本書では、そのような目標設定は推奨されていない。なぜなら、他人と比較した目標になると、「自分をどうやって勝たせるか」だけでなく、「相手をどうやって負かすか」という考えを持ってしまうことがあるからだ。
自分を周りと比較して勝たせようとするのではなく、あくまで自分と向き合い、自分の成長に正直な目標を立てよう。
「小さな挑戦」を続け、それを着実にこなす
上のセリフは、メジャーリーグのシーズン通算安打記録を更新したときの、イチローが実際に放った言葉だ。
当たり前の話であるが、このシーズン安打記録は一朝一夕で更新できるものではない。しかしながら、イチローはこれを達成することが出来た。これは、イチローが少年時代から続けてきた努力、そしてメジャーリーグに挑戦してからも継続させていた「小さな挑戦」の産物である。
イチローにとってこのシーズン安打記録は、あくまで結果でしかない。イチローが立てている目標、それは「1ヵ月に30本ヒットを打つ」というような細かいものだった。いきなり大きな目標を掲げるのではなく、小さく実現できる目標を掲げ、それを着実に達成することこそ、結果的に大きな目標を達成する近道になるのだ。
「気持ちを込めて」道具を扱う
by Andrei! ファンの間では、イチローは「道具を大事に扱う」ということで有名だ。勝っても負けても、試合後には必ずグローブの手入れをする。実に道具に対してこだわりを持っているかがわかる。
この「道具に対する気持ち」も目標達成に密接な関わりを持つ。仕事道具をぞんざいに扱う人と丁寧に扱う人では、大きな差があるのだ。
その違いは、「自分の思い通りにならなかった時」に顕著に表れる。仕事道具をぞんざいに扱っている人は、思い通りにならなかった原因を「道具のせい」にする。道具の状態が悪いからだ。しかし、丁寧に扱っている人は原因を「自分のせい」にする。道具のコンディションは最高で、自分に原因がなければ思い通りにならないはずがないからだ。
「気持ちを込めて」道具を扱うことで、自分の不完全な部分に目が届くようになり、改善すべき点を明らかにすることができる。道具とは、自分を映す鏡なのだ。
イチローの考え方は、なにも野球だけに通じていることではない。もちろん、ビジネスパーソンにとっても非常に大切な価値観が多く存在している。イチローを通して成功の理論を学びたいと感じている人は、本書をチェックすることをオススメする。
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