ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。「堀江貴文のQ&A vol.495〜日本の航空界事情!?〜」では、ホリエモンが意外と知られていない航空業界の仕組みを紹介した。
今回取り上げたのは、「航空業界のあるべき姿についての質問です。『航空運賃が高止まりしていてLCC(格安航空会社)が全然日本は普及していない』というコメントがありましたが、私は大手の企業方針のせいだと感じています。スカイマークへの出資が推測されているANA HDについて堀江さんが厳しくコメントされているとおり、大手のLCC潰し等(競合路線の運賃を安くして、企業体力で勝負し、競合相手を潰してから正常運賃にする手法)はエグイものです。
利用者が満足し、LCCも活躍できるような日本の空にするためには、大手2社はどのような企業方針を持ち、どのような姿を目指すべきなのでしょうか。所謂、航空憲法のなごりがある日本の航空会社がグローバル化で生き残れるか心配です」という質問。
ホリエモン「大手がLCCに協力することは、ないだろうね」
ホリエモンは、「大手2社は自分たちを守るから、LCCを活躍させない方向に動くんじゃないかな」と回答。
近年、日本でもかなり浸透したLCCだが、大手航空会社はLCCをはっきり意識した戦略を進めている。その例が、2014年のANA(全日空)の最低運賃値下げや、Peach Aviation(ピーチエア)、バニラ・エアといったLCCの株式保有だ。
こうした現状を受けて、今回の質問はLCCが活躍するために大手航空会社がどうするべきかだが、ホリエモンは「大手航空会社がLCCも活躍できるような活動をすることはない」と予想している。
その理由はいたって単純で、大手航空会社にとってLCCは強力な競合企業だから。自分たちから消費者を奪うLCCに塩を送るようなまねを、大手航空会社がするはずはないと考えるのが自然だろう。
航空業界は、機材が高いタクシー業界みたいなもの!
今回のような、一般の企業ならすぐ分かる疑問が浮かんでしまうのは、そもそも航空業界がどんな業界なのかイメージしづらいことが原因だろう。そこでホリエモンは、「航空業界って特別なものだと思ってしまいがちだけど、要はタクシー業界と同じだよ」と解説。
タクシー業界が車を使った旅客サービスなら、航空業界は飛行機を使った旅客サービス。当然会社同士で客の奪い合いは起こるし、利益が出ない会社はつぶれることになる。
しかし、「航空業界には特殊な点もある」と続けるホリエモン。それは、中型機以上の航空機を製造する会社は世界に2社(ボーイングとエアバス)しかないことだ。
2社による寡占状態のため、航空機材の値段はなかなか下がることがない。なので、航空業界では自動車業界のような価格競争が起こりづらく、新規参入も難しくなる。
そうしたこともあって、一昔前に参入したスカイマークも現在は経営が困難な状態になっている。航空業界は構造上参入が難しく、また参入しても強力な会社と戦わなければならない。
LCCが今後どうなるかは、航空業界の仕組みを知ると予想しやすくなるかもしれない。新しいサービスがこれから普及するか知りたいのなら、まずはその業界の仕組みや大手の思惑を知ることが大切なのではないだろうか?
ホリエモンが航空業界の構造を語った「堀江貴文のQ&A vol.495〜日本の航空界事情!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
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