リーダーの仕事はプロジェクトを成功に導くこと。しかし、その過程において、「部下を成長させる」ことは不可欠だ。あなたはリーダーとして、部下の持つ可能性を最大限活かしてあげているだろうか。
部下の成長は、あなたが部下に行う「評価の仕方」で変わってしまうかもしれない。
注目される「yet」の力
近年、話題になっているTEDの動画がある。それが、スタンフォード大学の心理学教授 キャロル・ドゥエック氏が行った「the power of believing that you can improve」だ。
キャロル・ドゥエック氏はこの動画の中で、シカゴのある高校の生徒たちが試験に合格できない場合「不合格」ではなく「未合格」という評価を受けるということを例に挙げながら、「『まだ』〜ない」という言葉が持つ力を説いた。
今現在評価できない人に対して「できない」と切り捨てるのではなく「『まだ』できていない」という評価をすることで、評価された人が前向きに努力することができるのである。
この「power of yet」、つまり『まだ』という言葉が持つ力は注目を集めており、日本でもプレジデント誌(2015.6.1号)で取り上げられている。
「yet」の力で部下を育てるリーダーになろう
教育の現場だけでなく、ビジネスでのリーダーシップにおいても、「the power of yet」のエッセンスは、部下の成長を促す上で有効なヒントになるはずだ。
「現在地点」だけの評価をしない
現在地点だけを切り取って「目標に達している」「達していない」と評価するのは簡単だ。しかし、それでは「まだ」の力を活用できておらず、本来伸ばすことができる可能性を潰すことにもなりかねない。
「まだ」の力を有効活用するならば、未来を見据えた評価をすべきである。例えば、「まだここはできていない」「ここがまだ努力できる部分だ」と伝えることで、部下は未来の結果の過程にいることを意識し、前向きに努力することができるだろう。
プロセスの重要性を伝え、「折れない」姿勢を作る
「まだ」から結果が出るまでのプロセスの重要性を伝えることも重要だ。
難しい課題に取り組むことが自分の成長になること、難しいことをクリアしようとすることが自分のアタマを鍛えていくこと。そしてそれが仕事において重要だということを伝えることは、部下が簡単に諦めることなく積極的に仕事に取り組む姿勢を育むことになるはず。
未来の「できる」に向けて走らせてこそリーダーだ。
部下を成長させるリーダーとしての仕事はつまり、できない部下に、未来の「できる」に向けて努力させることではないだろうか。
その過程において、未来への可能性を示す「yetの力」は部下の原動力になるはずだ。
「yet」という言葉が持つパワーや「yet」の考え方を活用して、人が持つ可能性を最大化できる優秀なリーダーになってほしい。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう