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2017年の冬ボーナス増える? 減る? 夏のボーナス平均支給額を規模・年代・業界別に徹底比較!

椿龍之介

2017/11/15(最終更新日:2017/11/15)


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 社会人の醍醐味でもある「ボーナス」。日本経済新聞社の調べによると、2017年の夏ボーナス平均支給額は5年ぶりに減少とのこと。

 他の人のボーナス額は? 自分のボーナス額は平均より下? 会社規模別や年代別、業界別のボーナスの平均支給額を見てみよう。

ボーナスってそもそも何?

ボーナスは基本給とは異なる給与

 ボーナスとは、民間企業の場合は基本給と別に支払われる「賞与」と呼ばれる特別手当のことを指す。

 公務員は期末・勤勉手当という名目でボーナスが支給されている。

 ボーナスの言葉の定義は以下の通り。日本と欧米とではボーナスの考え方が異なるようだ。

欧米諸国では能率賃金の一形態として,あるいは業績に対して与えられる報奨金,またはエージェントやセールスマンに対する基本手数料,基本報酬以外に支給される歩合手数料をいう。日本では夏期,年末,決算期に支給される賞与をいい,通常は年に2回夏と冬に支給される。日本の賃金制度下では,臨時収入的意味合いは薄く,年収の不可欠な一部をなしている。
〈ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典の解説〉

出典:ボーナス(ボーナス)とは - コトバンク

日本のボーナスの特徴

  • ボーナスは年に2回支給されることが多い
  • 基本給をもとに計算されるボーナスと業績によって変化するボーナスがある

日本のボーナスは夏と冬の年2回支給が多い

 日本では6月に「夏のボーナス」、12月に「冬のボーナス」と、1年に2回支給する企業が多い。

 ただ、ボーナスの支給は法によって定められているわけではないため、ボーナス支給の有無や支給時期は会社によって異なる。

 また、ボーナスは基本給と同じく課税対象になっている。支給額から課税分を引いた金額がボーナスの手取り額になることを覚えておこう。

ボーナス額の決め方は企業ごとに異なる

 ボーナス額は「基本給×○ヶ月分」で算出する企業が多い。

基本給25万円、ボーナス2.5ヶ月分の場合

  • 25万×2.5ヶ月=62.5万円

 「基本給×○ヶ月分」でボーナス額を決める場合、基本給に指定期間かけた金額がボーナスとして一度に支給される。

 基本給で×指定期間ではなく、個人や会社の業績でボーナスの金額が左右するパターンもある。

 成果主義の会社や景気の煽りを受けやすい業種はボーナスの金額が変動したり、あるいはボーナスがなかったりするケースがあるのだ。

 ボーナスの査定期間や査定基準についての詳細は、こちらの記事を参考にしてほしい。ボーナスの査定期間と査定基準を知っておくだけで、ボーナスに対するモチベーションが大きく変わるはずだ。

夏冬のボーナスとは異なる「決算賞与」

 夏冬のボーナスの概要とボーナスの計算方法について紹介したが、それとは別に「決算賞与」と呼ばれるボーナスも存在する。

 決算賞与は、会社の決算前後に業績に応じて支払われるボーナスのことをいう。

 会社の業績がいいと、その利益分だけ税金を払わないといけなくなってしまう……という会社側の事情がある。

 「利益分を税金として払うよりも、社員に還元しよう!」という意図のもと支払われるのが決算賞与なのだ。

 夏冬のボーナスとは別に決算賞与がつく企業、夏冬ボーナスなしで決算賞与がつくという企業があるので、気になる場合はぜひ雇用契約時の書類を確認してみてほしい。

【規模別の平均】ボーナス金額と会社規模は比例する

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 ボーナスの平均支給額は、大企業と中小企業とでは大きく異なる。企業規模によってボーナスの平均支給額にどれほど違いが出るのかを比較してみよう。

大企業と中小企業のボーナス平均支給額

  • 大企業のボーナス平均:基本給の約2.5ヶ月分
  • 中小企業のボーナス平均:基本給の約1ヶ月分
  • 「従業員数」と「ボーナスの支給額」は比例する傾向が見られる

大企業のボーナス平均支給額は基本給の2.5ヶ月分

 大企業のボーナスの平均支給額は、基本給の2.5ヶ月分程度

 2017年5月時点での日本経済新聞「夏のボーナス調査」を見ると、ボーナス支給額上位にはソニーやトヨタ自動車、カルビーなど、大企業の名前が連なる。
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日経新聞「夏のボーナス調査」(5月9日)をもとに作成
 ボーナスの支給額が基本給に2.5ヶ月分である場合、基本給が30万円だと夏のボーナスは75万円程度が目安になる。

 ちなみに、表に記載されている額面すべてが手元に入ってくるわけではない。先述の通り、基本給と同じく、ボーナスも課税分が引かれた上での手取り金額になるので注意しておこう。

中小企業のボーナス平均支給額は基本給の1ヶ月分

 中小企業でのボーナスの平均支給額は、基本給の1ヶ月分程度

 中小企業でも、会社によってボーナスの平均支給額や計算方法は異なる。

 効率重視のベンチャー企業やIT企業などでは、会社への貢献度がボーナスの支給額に影響する傾向があるようだ。

 ボーナスを支給しない会社が多いといわれる中小企業。小額でもボーナスが支給されているなら好待遇といえるのかもしれない。

企業規模別にみると、ボーナス平均支給額の差は歴然だった!

 価格.com「夏のボーナス2016 -知りたい! みんなの懐事情-」では、企業模別の夏のボーナス推定平均支給額が取り上げられている。

 企業規模別に見たボーナスの平均支給額は以下の通り。

 従業員数の多い会社ほどボーナスの平均支給額は高くなるのが一目瞭然だ。

【勤務先規模別】夏のボーナス推定平均支給額

  • 従業員が50人未満の会社:38.9万円
  • 従業員が100人未満の会社:45.0万円
  • 従業員が300人未満の会社:51.3万円
  • 従業員が500人未満の会社:61.1万円
  • 従業員が1,000人未満の会社:64.5万円
  • 従業員が5,000人未満の会社:77.1万円
  • 従業員が5,000人以上の会社:86.0万円

【年代別の平均】20代のボーナスはおよそ41万円!

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 同世代の会社員は平均でいくらほどのボーナスをもらっているのだろうか? 

 誰もが気になる年代別のボーナスの支給額の差を見てみよう。

20代~50代までのボーナス平均支給額一覧

 「夏のボーナス2016 -知りたい! みんなの懐事情-」から、20代〜50代のボーナス平均支給額を確認してみよう。

夏のボーナス推定平均支給額【年代別】

  • 20代:41.4万円
  • 30代:48.0万円
  • 40代:61.5万円
  • 50代:70.6万円
 同データによれば、20代を除いた世代で2016年の夏のボーナス支給額は、前年支給額を下回った。

 2017年夏のボーナスも減少傾向。2018年の夏のボーナスが早くも心配になる。

新卒1年目はボーナスではなく「寸志」

 新入社員が夏のボーナスとして受け取る金額の平均は5~10万円程度が相場。

 新卒1年目ではボーナスを満額もらえる可能性は低く、新入社員にはボーナスを支給していない会社が多いのが現実だ。
  
 新入社員には、ボーナスの時期に5万円程度が「寸志」として支給されることが多い。寸志は「心ばかりの贈り物」という意味だ。

 ボーナスの満額支給は初年度の冬とする会社や、入社して3年を経過してから支給すると定めている会社もある。

 少なくとも最初のボーナスについては「満額支給する企業は多くない」ということを知っておこう。

【業種別の平均】ボーナス平均の圧倒的1位は金融業だった

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 ボーナスの平均支給額は、業界・業種によっても大きく異なる。

 価格.comの「夏のボーナス2016 -知りたい! みんなの懐事情-」の業種ごとに比較したデータを見ると、最もボーナスの平均支給額が大きかったのは金融業だった。

夏のボーナス推定平均支給額【業種別】

  • 金融業:79.8万円
  • 製造業:69.3万円
  • 国家・地方公務員:69.2万円
  • 医療業:60.7万円
  • ソフトウェア・情報サービス業:59.7万
  • 公益法人・財団法人:58.6万円
  • 卸売・小売業:60.7万円
  • サービス業:42.7万円

ボーナスの平均支給額TOP3は金融業、製造業、公務員

 ボーナスの平均支給額の首位は金融業。

 2位の製造業とも圧倒的な差がある金融業だが、2015年夏の平均支給額(99.3万円)と比べると、比率にして19.6%、支給額にして約20万円ボーナスが減少している。

 ちなみに、2014年夏のボーナス平均支給額は86.1万円だった。金融業はボーナスの平均支給額は高いが、年によって支給額の変動が激しいということが窺える。

ボーナスの平均支給額が最も低い業種「サービス業」

 ボーナスの平均支給額が最も低い業種はサービス業。

 2016年夏のボーナスは平均42.7万円で、最もボーナスが高い金融業とは25万円以上の差がある。

2017年の夏のボーナスの平均支給額

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 夏のボーナス支給日は、民間企業と公務員で少し異なる。

 民間企業は7月上旬、公務員はそれよりも少し早い6月30日に夏のボーナスが支給される。

【第一集計】2017年夏のボーナス:大企業の平均支給額

  • 上場企業:91万7,900円程度(前年比減少)
  • 製造業:92万,6,561円程度(前年比減少)
  • 非製造業:63万8,119円程度(前年比減少)

中小企業を含めた民間企業全体ではボーナス支給額が増加するが、上場企業では減少する見通し

 経団連が発表した、「2017年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」の一次集計によると、社員500人以上の上場企業82社の平均妥結額は「91万7,906円」だという。

 前年に比べると、5%近くの減少を示している。90万円を切ることはなかったものの、5年ぶりにボーナスが減少することになった。

 製造業と非製造業を区分してみても、どちらの業界も前年比からボーナスの額は減少。

 終身雇用制が崩れ、働き方が多様化すれば、より成果を重視する時代が訪れるだろう。

 一部の企業では、年功序列の賃金制度が見直され始めている。能率重視の賃金システムが注目されるに伴って、ボーナスでもらえる金額の相場も変わってくるかもしれない。

2017年の冬のボーナスはどうなる?

3年ぶりに1人当たりの支給額が増加する可能性大!

 例年、ボーナス予想を発表しているシンクタンク4社、日本総研第一生命経済研三菱UFJリサーチ&コンサルティングみずほ総研が発表した冬のボーナス予想を見ると、4社中3社が「3年ぶりに増加する見込み」と言及している。

今冬の賞与を展望すると、民間企業の一人当たり支給額は前年比+0.8%と年末賞与としては3年ぶりのプラスとなる見込み

出典:2017年末賞与の見通し

冬のボーナス支給額増加の背景には“雇用者数増加”があり

 今回の冬のボーナス支給額増加の予想は、もちろん“1人あたりの支給額”が増加するという予想だ。

 しかし、その背景にはボーナス支給労働者数自体が増えた、というのは確かである。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、冬のボーナス支給労働者数は前年比+2.4%の4,288万人という数字になっている。

 パートタイマーの正社員化が進み、ボーナス支給を受ける労働者の母数が増えたことによって、冬のボーナス支給総額が底上げされたと考えてよいだろう。

中小企業のボーナス額は堅調。一方で大手企業は不調

 一方で、大手企業における冬のボーナスの雲行きは怪しい

 2016年の不透明な海外経済状況や円高の影響が、今回の冬のボーナスに影響しているのでは?と考えられており、経団連の大手企業の冬のボーナス妥協状況(第1回集計)では、前年比1.19%減という数字見込みになっている。

 大手企業であれば安定したボーナス額が支給されると思うかもしれないが、その時々の社会情勢や経済状況によってボーナス支給額が変動するのは、企業規模問わずに起こりうることなのだ。


 企業規模や業種によって平均支給額が大きく異なるボーナス。

 ボーナスは働く上でのモチベーションとしても、キャリア設計をしていく上での要素としても重要なもの。

 転職などで自分のキャリアを改めて考える際は、「ボーナス」のことも考慮しておきたいところだ。


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