上司が苦手だ。というかもはや嫌いだ。そんな思いを抱えているビジネスマンが世の中に溢れている。人間関係における悩みは、本当に尽きることがない。
上司の嫌いなところ、できれば今すぐにでも本人にぶちまけてやりたいところであるが、やはりここで何を言っても無駄だと感じてしまう。それよりも、逆ギレされ、嫌われ、昇格のチャンスを失うのでは、と考えてしまう。
そこで今回は、「上司に文句を言いたいけれど、どうすればいいのかわからない」という人に、人間関係を説いたものとして根強い人気を誇る「アドラー心理学」に基づいた伝え方をお教えしよう。
「嫌われないようにする」ではなく、「最小限嫌われる」
アドラー心理学というのは、その名の通りアドラーという学者が提唱した心理学のことである。有名な本として『嫌われる勇気』などがある。
本書を読んだことのある方ならなんとなくわかると思うが、アドラー心理学の中で大事にされているのは「人がどう思っているか」ではなく「自分がどう思うか」である。すなわち、相手がどのように思っていても、自分が幸せに感じていないと意味がないということだ。その幸せを得るためには、他者に嫌われることは厭わないという考えである。
上司に文句を言うのだから、ある程度嫌われるということは覚悟しなければならない。逆に考えると、その覚悟なくして中途半端に上司に文句を言っても、少し眉間にしわが寄っただけで「いえ、なんでもないです…」と肩をすくめるだけだ。嫌われないようにするのではなく、嫌われる度合いを最小限に抑えることが大事である。
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「ユーメッセージ」ではなく「アイメッセージ」
文句を言うときに一番大事なのが、「自分の言いたいことが相手に伝わるように話す」ということだ。これが出来なければ、ただ単に嫌われるだけで相手自身は何の改善もされないだろう。ここで気を付けてほしいのが、「ユーメッセージ」と「アイメッセージ」である。
ユー(you)とはあなた、すなわち「相手」のことを指している。ユーメッセージというのは、「あなたは○○ですね」や「あなたに××をやめてほしい」というように、相手が主語となっているメッセージのことだ。これらのメッセージで相手が言動を改善してくれるということはなかなかない。なぜなら、これらのメッセージは相手の中で完結している内容であり、改善をすることで何があるのかがわからないからである。
対してアイメッセージであるが、これはユーの逆、アイ(I)すなわち「自分」のことである。「私はあなたが○○で悲しい」や「私はあなたが××をやめてくれると嬉しい」というように、自分が主語になっているのだ。こう言うことで、相手はなぜ自分が改善を求められているのかというのが理解しやすくなる。結果、相手に何をわかってほしいのかがすんなりと伝えられるのだ。
上司に対して自分の不満を伝えるのは気が引けるものだ。しかしそれを伝えないことには、上司も変わることがない。勇気を持って、でもしっかり伝わるように、物申せる男になろう。
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