プレゼンの直前になって、急に緊張してしまう……そんな経験はないだろうか。緊張のせいか、レーザーポインターを持つ手はブレブレ、見てる方は、プレゼンターがどこを指しているのかも分からない。そんな光景を想像するだけでなんだか息がつまりそうだ。
緊張をほぐすために、ゲン担ぎやおまじない、ジンクスなどの「ココロ」に対するアプローチを説いた書籍は多く存在している。ココロの緊張を解けば、カラダは自然と緊張しなくなると考えられているからだ。しかし、現実はうまくはいかない。どう頑張っても、緊張はしてしまうのだ。
『「ここ一番に強い自分」は科学的に作り出せる - あがってしまう場面でも持てる力を100%発揮する技術』では、緊張というものがそもそも何なのか、そして本当にほぐすべき緊張とは。さらには、前述のような「迷信めいた」方法ではなく、科学的メソッドに基づいた緊張のほぐし方が紹介されている。今回は、本書の前半部分に関して紹介していこう。
緊張ってそもそもなに?
出典:theinvestorzone.com 緊張をなくすためには、まず緊張の実態について知る必要がある。理解してないものをなくせと言われても、無理な話だ。
緊張を理解するために一番大事なのが「ストレス」の存在だ。ストレスと言っても、「人間関係」や「休日出勤」などのことではない。心理学の世界では、これらはストレスを与える物質、すなわち「ストレッサー」であり、そこから発生する感情のことが「ストレス」となっている。これは同時に「ストレス反応」とも言われている。
そして、緊張というのは、この「ストレス反応」そのものなのだ。ストレッサーの影響を受けて、ココロとカラダが自然に反応を「起こしてしまう」というのが緊張の本質なのである。
緊張は「ゼロにはできない」
出典:indianapublicmedia.org 人には「トラウマ」が存在している。あるときの失敗体験がもととなって、同じようなシチュエーションになった時に突然、そのときの光景がフラッシュバックしてしまい、何もできなくなってしまうというような状態だ。このトラウマという存在も、緊張を構成する要因の一つとなっている。
トラウマの克服という話をよく聞くが、実際は非常に時間のかかることで、加えて難易度が非常に高い。なぜなら、トラウマのフラッシュバックは「無意識」に行ってしまっているからだ。
緊張も同じように「無意識」で発生してしまう。自ら意識的に緊張状態に持っていこうと考える人は、なかなか存在しない。緊張もトラウマと同様、ゼロにするというのは到底無理なのだ。
抑えるべきは「カラダ」の緊張
出典:www.livestrong.com 冒頭で述べた通り、一般的には「ココロ」の緊張を解くことこそが一番大事であるかのように思われている。しかし、ココロの緊張を抑えようにも、無意識でやっている以上は、抑えきれずに崩壊していくのは時間の問題である。
大切なのは、「ココロ」ではなく「カラダ」の緊張をほぐすことである。なぜなら、カラダの緊張を脳が認識して、そこから初めてココロが緊張をするからである。緊張をしているから心拍数が上がるのではなく、心拍数が上がっているから緊張するのだ。
具体的な緊張のほぐし方に関しては、本書を読んでマスターしてもらいたい。「ここ一番」がやってくる前に、自分の緊張と向き合う機会を作ることを強くオススメしておく。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう