コミュニケーションの基礎となる「傾聴力」。その力を高める方法として「聞く姿勢」や「聴くときの心構え」が多く取り上げられるが、あなたに本当に必要なのは「情報処理力」かもしれない。
自分に必要な「傾聴力」を見極めよう
勿論、「聴く」という行為において適切な「姿勢」や「心構え」はとても大事。話し相手を気持よくさせる聞き方を身につけることは必ず役に立つだろう。
しかし、全ての場合でそれらが重要視されるわけではない。自分が必要な「傾聴力」とは何なのかを一度見直してみる必要がある。
例えば、集中して聞いていても、上司から指示された内容をうまく行動にできない時、本当に身につけなければならないのは「聴く姿勢」ではなく、「情報処理力」ではないだろうか。
「傾聴力」を高める『ペイオフ・マトリクス』とは?
あなたが必要な傾聴力が「情報処理力」にまつわるものなら、「ペイオフ・マトリクス」が、あなたの傾聴力を高めてくれるかもしれない。
「ペイオフ・マトリクス」とは、ビジネスで使われるフレームワークで、要望や問題点を整理する際に使われている。具体的には、2×2のマスを作り、縦軸に「効果」横軸に「コスト(費用・手間)」をおいたマトリクスである。
この図を用い、様々な要望や問題点をマトリクスの中にマッピングし、どれから取り組むべきかを整理する。例えば、お客さんから聞いたサイトの改善案を「効果」と「手間」を軸に整理し、取り組むべき課題を決める、などといった場合に用いる。
「ペイオフ・マトリクス」を利用した傾聴を身につけよう
この「ペイオフ・マトリクス」を意識することは、情報処理力に課題を持っている人が傾聴する際、非常に役に立つ。
例えば、先程述べた「上司の話に対してうまく行動に移せないパターン」。上司からのインプットを「ペイオフ・マトリクス」にマッピングし、その「効果」と「コスト」から、自分がまずやるべきこと・できることを考えよう。何も意識せずに話を聞いていた時よりも情報が整理され、上司の話を自分に活かしやすくなるだろう。
また、友達の悩み相談を聞いている時にも、問題点をマッピングしながら聞いていれば、その「効果」と「コスト」の比較から、適切なアドバイスが出来るかもしれない。
聴いたことを活かすには「情報処理力」が不可欠。
「聴いたことを行動に移す」「聴いたことについて考える」という行為において、「聴いたことを情報処理する」ということは避けては通れない。
上司からの指示でも、友達からのアドバイスでも、効果的に行動に移すにはまず適切に聴いたことを情報処理することが必要だ。
だからこそ、一見、普段の生活からは縁遠いように思える問題解決フレームワークだが、その考え方を日常に活かしてみてほしい。「ペイオフ・マトリクス」を意識し、行動を最大化する「傾聴力」を高めよう。
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