最近、「パワハラ」という言葉もあるように、上司の「理不尽な」怒りが原因で職場の雰囲気が悪化してしまう事例が多い。2013年度、全国の労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談内容は、「パワハラ」が59,197件と、次点の「解雇」を前年度に追い越してから未だに増加傾向にある。
そんな「理不尽な」社会に『アンガーマネジメント入門』を紹介しよう。この本では、パワハラの主原因とも言われる「イライラ」をマネジメントする「アンガーマネジメント」を実践する方法が載っている。今回はその中のいくつかを見ていこう。
「怒る」人間は「信頼」を無くす
人を怒るということがよくないということは大体の人が共通の認識として持っているものである。しかし、それでも怒ってしまうことの理由に「怒ることで本当に信頼が無くなってしまう」ということを知らないというものが挙げられる。まずは、「怒る」という行為がどれほど信頼を失ってしなうものなのか知る必要がある。
自分が怒ることで、周りの雰囲気を壊してしまうのではないか。自分の怒りで周りからの評価が下がってしまうのではないか。そういう「リスクマネジメント」をすることこそ、「アンガーマネジメント」の第一歩なのである。
怒った時にはまず「深呼吸」
怒りを感じたとき、人はその感情に任せて「突発的に」行動をとることが多い。怒りに任せて暴挙に出た後、ふと我に返った時には取り返しのつかない状況になっている、そんな経験がある人も少なくないはず。
本書で、怒りへの「緊急的な」対応策として「深呼吸」で気持ちを落ち着けることが大事だと述べている。怒りを感じ、爆発しそうになったときには、深呼吸をして自らをクールダウンする。最初は中々難しいが、慣れると自然に深呼吸ができるようになり、文字通り「アンガーマネジメント」ができる状態になる。是非とも押さえておきたいコツの一つだ。
「怒り」を「記録」する
ストレス社会と言われる今日、大変多くの場所で「怒り」を感じる。喜怒哀楽の一つにもなるくらいなのだから、怒りを多く感じるというのは仕方のないことだ。
本書では、「怒り」を人にぶつけないようにするために「記録」をとることを推奨している。怒りを感じたらその場でメモを取るのである。そうすることで、メモを書き終えた後には気持ちが落ち着いているというだけでなく、怒りを感じる傾向に関しても読み取ることができるようになる。記録を取ることで、自分が怒りやすいことすらも「マネジメント」してしまえるのだ。怒りを感じたときは、その矛先を人ではなくメモ帳にぶつけてみよう。
自分の感情を制御することは、慣れないうちは中々難しい。しかし、これを覚えることで得られる「信頼」を逃してしまうのはもったいない。怒りをマネジメントしたい方は、一度この本をチェックしていみては。
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