世の中には、実に多くの本で溢れている。小説や漫画、エッセイなど実に様々な種類が存在している。中でもビジネスのハウツー本や、人生観についてを説いた本などのいわゆる「新書」が、最近では「就職氷河期」や「ブラック企業」などの社会問題が台頭してきた影響もあり、特に読まれるようになってきた。
今回紹介する『新書がベスト』には、なぜ新書を読む必要があるのかということから、新書をどのようにして読めばいいのかなど、新書への接し方に関して非常に細かく記載がされている。以下で詳しく紹介していく。
「1冊の本」を出すためには「3000冊の本」を読む
会社で報告書やプレゼン資料を作るとき、「自分のアウトプットに納得がいかない」と思った経験はないだろうか。自分が想像していたものと実際に出来上がったものと乖離があり、それに満足できないときに起こる感情である。
著者曰く、3000冊の本を読めば1冊の本が書ける程度のアウトプットが出せるという。本は出さないにしても、会社に勤めれば大抵の人は何らかの「アウトプット」を出さなければならないシーンが出てくることは明白だ。そうなった際、新書を幾つか読んでいるのと全く読んでいないのとでは、出てくるものに雲泥の差がある。自分で満足するアウトプットを出すためには、新書を読む習慣がついていることが必須だ。
新書を読むには「初め」が肝心
新書を読む習慣の大切さについては先に触れたが、一方で「本を読む習慣」というのはなかなかつかないのが現実だ。とりあえず最初に1冊だけ買って、それを読もうと思ったら読み切れずに断念してしまう、そんな経験を持つ人もいるだろう。本書でも、新書を読む習慣を持たない「初心者」に対する対応策が載っている。そこで、本書に載っている「新書を読む習慣の付け方」について詳しく紹介していこう。
「本」より先に「本棚」を買え
新書は薄く、また安いので、ついつい加えて購入してしまいがち。新書を読む習慣がつき始めた頃には、家の中にある新書が邪魔になってしまい、結果としてせっかくついた習慣を捨てるきっかけにつながってしまう。そのため、「本」を買うよりも先に「本棚」を買うことで、増えていく新書に対応する必要がある。
それだけでなく、先に本棚を買ってしまうことで、後に引けなくさせるという効果もある。本棚を買っておきながら、本がなにも入っていないのでは、あまりにも不格好になってしまうからだ。
「無作為」に数十冊の本を買え
本棚を購入したら、次は本を購入する。このときに考えて欲しいのが、好き嫌いなく「無作為に」数十冊の本を大人買いするということだ。新書コーナーのある書店に足を運び、そのコーナーの棚の一部をまとめ買いする。金額はせいぜい2~3万円というところなので、少し節約をすれば出せない金額でもない。
新書を大人買いすることで、自分の興味以外の分野の新書も家に置かれることとなり、一点集中するのではなく、視野の広い状態を最初から保つことができる。著者曰く、最終的には300冊の新書がバランスよくある状態が望ましいという。
最低でも10冊は読みきれ
本を数十冊買ったはいいものの、やはりいきなりすべて読む気でいては、習慣は長続きしない。無作為に選んだ数十冊のなかから、自分が「これなら読めそうだ」というものを最低10冊、読破することが求められる。10冊程度読めば、大体の人は「本を読む感覚」というのが掴めてくるのだ。
10冊を読み終わる頃には、新書に対する抵抗というものはなくなっており、「習慣」まではいかないにしろ、難なく新書を読めるようになっているだろう。
ここに紹介した「読書術」の他に、新書を「活かす」読書法など、まだまだ多くのポイントが本書には載っている。新書を読む習慣、活かす習慣をつけたい方は、まずこの本を足がかりとしてみてはいかがだろうか。
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