人は失敗をする生きものだ。例えば、ドアの引き戸を押し戸を間違えたり、機械の操作を失敗してしまうなどの失敗は日常的に良く発生しているだろう。このような失敗はなぜ起きるのだろうか?
認知科学者であるドナルド・ノーマンの『誰のためのデザイン?』を読むことで、このような失敗の本質を掴むことができるかもしれない。今回は『誰のためのデザイン?』を通して、デザインとはどのようなものなのかを簡単に紹介していこう。
人間は失敗しながら使い方を学んでいる
by Nick J Webb あなたが失敗したとき、どこに原因があると考えるだろうか。多くの場合は自分自身に責任があると思うだろう。しかし、失敗の責任はおおよそユーザーではなく、モノのデザインにあると著者は主張する。
ユーザーは、エラーを繰り返していくなかで、望んでいる行動に近づくように試行錯誤している。エラーをしない努力ではなく、エラーから学んで行動することが大切なのだ。また、デザインをするときには、エラーをわかりやすく相手に伝えることが重要になるだろう。
デザインは独りよがりにしてはいけない
by thomaseagle 良いデザインを作るためには、デザイナーが自分の理想や理念を押し通すのではなく、ユーザーのことを考えてデザインしなければならない。
ユーザーが使いやすいデザインというのは、使っていることがわかり、フィードバックがキチンと返ってくるものである。これは、デザイナーだけでなく、多くの“デザイン”に共通することだと言えるだろう。
例えば仕事の仕方を考えるとき、ユーザーは仕事をする人だ。あなたが上司であれば、部下、つまりユーザーが快適に仕事をする環境を整えなければならないだろう。そういった意味で、『誰のためのデザイン?』はビジネス書としても読むことができる本だと言えるのではないだろうか?
近年、“デザイン思考”やクリエイティブな仕事に重きを置く人が増えてきている。デザインの原点とも言える本を読み、ビジネスの中にもデザインを取り入れる最初の一歩を踏み出してみてはどうだろうか。
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