革新的なアイデアは、考え方を少し変えるだけで思いつく可能性があります。
本記事では、これまでにない発想をするための手段、「新結合」についてご紹介します。
- そもそも「新結合」とは?
- 「新結合」から生まれたイノベーション事例
- 「新結合」を行うための3つのポイント
そもそも「新結合」とは?
「新結合」から生まれたイノベーション事例
寿司といえば、かつては職人が客の注文を聞いてその場で握るものでした。このとき、寿司はどちらかといえば高級な料理屋の部類に入っていたのです。
そんな握り寿司は、ベルトコンベアと組み合わされることによって「回転寿司」という新たな形態、シュンペーターの言葉を借りれば新しい生産物へと変化しました。
この「新結合」によって、寿司を注文されてから作るのではなく、先に機械も利用しつつ作っておくこと(新しい生産方法の導入)が可能になりました。これによって、必要な職人の数は減り、寿司職人という仕事は変わったのです。これがシュンペーターのいう「産業の新しい組織の創出」です。
回転寿司は通常の寿司屋に比べ低価格で提供されるため、庶民でも利用できるようになりました。これは新たな買い付け先の開拓とも捉えられます。一度「新結合」が行われれば「新結合」の連鎖が起きるといってもいいでしょう。
回転寿司以外でも、苺と大福を組み合わせた苺大福、うなぎとお茶漬けのひつまぶし、インターネットと携帯電話とiPodを組み合わせたiPhoneなども「新結合」の結果生まれたものです。
「新結合」を行うための3つのポイント
これまで見てきた回転寿司の例からもわかるように、革命は何もないところから始まるのではなく、既にあるものを組み合わせるところから始まっています。
以下では、「新結合」を行うための3つのポイントをご紹介します。新しいものを作り出したい人は、ぜひ参考にしてください。
ポイント1.固定観念を捨てる
「新結合」を行うための1つ目ののポイントは、固定観念を捨てることです。
寿司の例でいうと、「寿司は客が頼んだときに握るものだから」という固定観念を持っていると、回転寿司のアイデアは思い浮かぶことはできません。
だからといっても、固定観念を捨てるのは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。固定観念を持っていることに気づかないからこそ、難しく感じるのでしょう。
固定観念を持っていることに気づくためには、物事に対して深く考える癖をつけることが大切です。疑問に思ったことは何でも調べたり、考えたりしてみましょう。
ポイント2.過去の成功体験にとらわれない
「新結合」を行うための2つ目ののポイントは、過去の成功体験にとらわれないことです。
「うちはこのやり方で問題なかった、うまくやってきたから」という成功体験は新たな発想を阻害してしまいます。新しいものを試す意欲を損なわせるからです。
時代はどんどん移り変わっていっているので、停滞をしていると衰退してしまう可能性があります。
新しいものを試すことは、失敗につながることなので、恐怖や不安を感じる人もいるでしょう。しかしそのような恐怖に打ち勝つことによってイノベーションは起こります。
ポイント3.ジャンルを問わず様々なものに興味を持つ
「新結合」を行うための3つ目ののポイントは、ジャンルを問わず様々なものに興味を持つことです。
「仕事と全然関係のない趣味が意外と仕事に役に立った」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
ひたむきに仕事の努力だけをしていても、アイデアはなかなか湧いてこないことが多いでしょう。
革命的なアイデアは、様々なものに触れたり、体験したりすることによって導かれます。一見仕事と関係のないものでも、全力で楽しんだり考えたりすることは自分の糧となります。
革命的なアイデアを生み出す「新結合」は、既にあるものを組み合わせて新たなものを作り出そうとする考え方です。そのため、回りの完成された製品を調べてみたり考えたりすることも大切です。
しかし、全く関係のないジャンルに飛び込んでいくのも難しいでしょう。まずは、自分の興味のあるジャンルを調べてみることから初めてはいかがでしょうか。
革命的なアイデアは、既存の物の組み合わせから生まれる
- 既にあるものを組み合わせることで革命的な考えは生まれる
- 固定観念を捨てて、過去の成功体験にとらわれないことが大切
- ジャンルを問わず、様々なものに興味を持つ
固定観念や成功体験は、多くの人が、半ば無意識のうちにとらわれてしまいます。まずは「新結合」に慣れるために、身の回りにある物事で「新結合」が行われているものを探すことから始めてみることをおすすめします。
本記事を参考に、「新結合」を利用して自分自身が第一人者となってはいかがでしょうか。
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