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全国の「思いが素直に伝えられない人」へ、池上彰が伝えるメッセージ。『伝える力』

Yasutaka Nagataki

2015/04/17(最終更新日:2015/04/17)


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全国の「思いが素直に伝えられない人」へ、池上彰が伝えるメッセージ。『伝える力』 1番目の画像
by Kris Krug

 自分がふと何かを思ったとき、感動するような体験をしたとき、誰かに「伝えたい」と思ったことは多いだろう。しかしそれをいざ言葉にすると、自分の思った通りに相手に伝わらないものである。

 こんな、自分の思いを人に伝えきれない「もどかしさ」を解決してくれるのが、池上彰の著書『伝える力』だ。

 池上彰と言えば、言わずと知れた名ジャーナリストである。『週刊こどもニュース』や『学べる!!ニュースショー!』などでわかるように、人に「伝える」技術は折り紙付きだ。そんな彼が語る、人に「伝える」メソッドをいくつか紹介しよう。

自分が「知らない」ということを「知る」

自分がわかっていないと、人に正確に、わかりやすく伝えることは不可能です。

出典:池上彰(2007)『伝える力』

 自分が伝えようとしていることを、果たして自分自身は理解しきれているか。そう自分に問いかけると、意外とわかっていない部分が多かったりする。当たり前のようで、意外とできていないのが、自分が何を伝えようとしているのかを「深く」理解するということだ。

 まずは謙虚に、自分が「知らない」ということに目を向け、伝えようとすることに理解を深めていくことが重要である。

無駄な「造語」に気を付ける

 近年では、「若者言葉」や「ネットスラング」などの造語がそこら中で飛び交っている。もちろん、そのコミュニティの中では造語を使い、コミュニケーションをより円滑に図ることが出来るだろう。しかし、それがコミュニティ外との対話になった途端、造語は全く通用しない。ここでは、そんな「使ってはいけない造語」の代表例を2つ紹介する。

1.「イノベーション」「コンプライアンス」などのカタカナ用語

あなたがふだん使っているカタカナ語がそのまま社会一般でも普通に使われているとは限りません。

出典:池上彰(2007)『伝える力』

 ビジネスパーソンにとって、今や欠かせない存在となっている「カタカナ用語」。しかし一つ一つに目を向けると、その意味を意外と「わかっていない」ことが多い。カタカナ用語は、伝える人も伝えられる人も、わかった「気でいる」ことが多いのだ。

 カタカナ用語で「ごまかす」ことはできても、「正確に伝える」ということはなかなか難しいのである。

2.「利便性」「機能的」などの曖昧な表現

便利な言葉を使っていると、使う人が思考停止になってしまう恐れがあることを、知っておきましょう。

出典:池上彰(2007)『伝える力』

 ○○性や、○○的という言葉は、非常に便利である。様々な内容を一言に集約することができるからだ。しかしそれは逆に、集約してしまった内容を「抽象的に」しか表現ができていないということにもなる。

 このような言葉を言いそうになった時は、その言葉が何を意味しているのか、もう一歩踏み込んで問い直してみるべきである。


 この本には、このような「ごく小さな」ルールが70個も載っている。自分の思いが伝わらないことに悩んでいる方は、この本をチェックしてみてはどうだろうか。



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