自分がふと何かを思ったとき、感動するような体験をしたとき、誰かに「伝えたい」と思ったことは多いだろう。しかしそれをいざ言葉にすると、自分の思った通りに相手に伝わらないものである。
こんな、自分の思いを人に伝えきれない「もどかしさ」を解決してくれるのが、池上彰の著書『伝える力』だ。
池上彰と言えば、言わずと知れた名ジャーナリストである。『週刊こどもニュース』や『学べる!!ニュースショー!』などでわかるように、人に「伝える」技術は折り紙付きだ。そんな彼が語る、人に「伝える」メソッドをいくつか紹介しよう。
自分が「知らない」ということを「知る」
自分が伝えようとしていることを、果たして自分自身は理解しきれているか。そう自分に問いかけると、意外とわかっていない部分が多かったりする。当たり前のようで、意外とできていないのが、自分が何を伝えようとしているのかを「深く」理解するということだ。
まずは謙虚に、自分が「知らない」ということに目を向け、伝えようとすることに理解を深めていくことが重要である。
無駄な「造語」に気を付ける
近年では、「若者言葉」や「ネットスラング」などの造語がそこら中で飛び交っている。もちろん、そのコミュニティの中では造語を使い、コミュニケーションをより円滑に図ることが出来るだろう。しかし、それがコミュニティ外との対話になった途端、造語は全く通用しない。ここでは、そんな「使ってはいけない造語」の代表例を2つ紹介する。
1.「イノベーション」「コンプライアンス」などのカタカナ用語
ビジネスパーソンにとって、今や欠かせない存在となっている「カタカナ用語」。しかし一つ一つに目を向けると、その意味を意外と「わかっていない」ことが多い。カタカナ用語は、伝える人も伝えられる人も、わかった「気でいる」ことが多いのだ。
カタカナ用語で「ごまかす」ことはできても、「正確に伝える」ということはなかなか難しいのである。
2.「利便性」「機能的」などの曖昧な表現
○○性や、○○的という言葉は、非常に便利である。様々な内容を一言に集約することができるからだ。しかしそれは逆に、集約してしまった内容を「抽象的に」しか表現ができていないということにもなる。
このような言葉を言いそうになった時は、その言葉が何を意味しているのか、もう一歩踏み込んで問い直してみるべきである。
この本には、このような「ごく小さな」ルールが70個も載っている。自分の思いが伝わらないことに悩んでいる方は、この本をチェックしてみてはどうだろうか。
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